怪盗と判官の紹介:1955年日本映画。弥次さんと間違われた後の名奉行遠山金四郎と喜多さんと間違われた鼠小僧が一緒に旅をする。市川雷蔵が遠山の金さんを、勝新太郎が鼠小僧次郎吉を演じる明朗時代劇。1938年のマキノ正博監督『弥次喜多道中記』のリメイク。
監督:加戸敏 出演者:市川雷蔵(遠山金四郎)、勝新太郎(鼠小僧次郎吉)、阿井美千子(おれん)、清水谷薫(お雪)、長谷川裕見子(お蔦)、堺駿二(弥次郎兵衛)、益田キートン(喜多八)、ほか
映画「怪盗と判官」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「怪盗と判官」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「怪盗と判官」解説
この解説記事には映画「怪盗と判官」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
怪盗と判官のネタバレあらすじ:起・もう一人の弥次さん、もう一人の喜多さん
ある夜、泥棒の鼠小僧次郎吉(勝新太郎)は包囲網をかいくぐってある料理屋の庭の大木の枝に隠れるが、芸者を集めてひょっとこの面をかぶって踊って楽しんでいた侍に見つかる。侍は、俺は役人ではないからと鼠小僧を逃がす。直後に鼠小僧捜索のために料理屋に来た目明し伝七の前で面を取った侍は、伝七旧知の遠山家の若様、金四郎(市川雷蔵)だった。
翌日、鼠小僧はほとぼりをさますために旅に出る。一方、遠山家では金四郎の継母が放蕩三昧の金四郎でなく弟に家督を継がせたいと考えていて金四郎の父は困っていた。金四郎もその日、家督は弟に譲ると手紙を残して町人の姿で江戸を出奔した。
道中、鼠小僧が旅籠に入ると、お連れ様は先に来ていますと言われる。一人旅なのに変だ。連れとは金四郎だった。二人は箱根山中の茶店で一緒になったが、饅頭大食いの男と『東海道中膝栗毛』の弥次郎兵衛(堺駿二)、喜多八(益田キートン)とのトラブルに遭遇したせいで、金四郎は弥次郎兵衛の、鼠小僧は喜多八の笠を間違えてもってきてしまった。
その笠に書いてある名前を見た旅籠の女が二人は有名人の弥次さん喜多さんだと勘違いしてしまったのだ。二人は弥次さん、喜多さんとして旅をすることにした。ところが、本物の喜多さんが風呂の底を抜いてしまったといって騒ぎになっているのを見物しているうちにスリのおれん(阿井美千子)に財布をもっていかれてしまう。
怪盗と判官のネタバレあらすじ:承・旅芝居の一座に入る
無一文になった弥次さんと喜多さんを助けたのは旅芝居の一座だった。食べ物をもらう代わりに馬の脚の役をする。しかし、観客の中には鼠小僧を追って江戸から来て、町の顔役藤五郎の元に身を寄せている伝七がいた。
芝居の観客が二日目からぱったりと減る。藤五郎が一座のお雪(清水谷薫)に酌をしに来いと言い、それを断ったせいで藤五郎から嫌がらせをされているとのことである。
やがて藤五郎はお雪と、ついでにお雪の姉さん格だが重い病気をしているお蔦(長谷川裕見子)も拉致監禁してしまう。喜多さんは泥棒の姿をして二人を救出するが、藤五郎一家の者や伝七に見つかる。窮地を救ったのは天狗に扮して現れて杖を振るって暴れた弥次さんだった。
助けられたお蔦だったが、その夜、5年前に高利貸しに身売りされるところを鼠小僧がお金をくれて助かったということを話し、鼠小僧に会ったら感謝の気持ちを伝えてほしいということばを残して息を引き取る。
怪盗と判官のネタバレあらすじ:転・三条大橋での約束
お雪と弟の三郎の母が彦根在にいるという。京に向かう弥次さん、喜多さんは、北陸に向う一座と別れ姉弟に付き添うことになる。財布を返したおれんに弟妹の母親さがしを手伝わせるが、母は既に信州に引っ越したことがわかる。
その後、弥次、喜多、お雪、三郎は、京の三条大橋の上で、「一年後の満月の夜、江戸日本橋で会おう、その時は弥次、喜多でなく、正体を明かすことにしよう」と約束して別れた。弥次さんいや、金四郎は京都所司代を務めるおじの元に行ったが、江戸の父の重体を知らされ早駕籠で江戸に帰った。
怪盗と判官の結末:意外な再会
一年後、お雪と三郎は江戸の次郎吉の屋敷に身を寄せ、弥次さんを慕うお雪は再会の日を心待ちにしている。次郎吉は泥棒から足を洗っているが、なぜか江戸では鼠小僧を名乗る泥棒が犯行を繰り返していた。
家督を継いだ金四郎は今や江戸北町奉行となっていた。部下に今日が9月15日であることを確認し、今日は喜多さんたちと再会の日だと思うが、目明し伝七が鼠小僧の居場所をつきとめたと報告し、捕物に向かうことになる。
治郎吉はお雪と三郎に必ず後から行くと言って先に日本橋に行かせる。実際、治郎吉は捕り方の囲みを破って日本橋に現れ、後からやって来た金四郎と再会し、お互いの正体を知ることとなる。
捕らえられた鼠小僧のお白砂が開かれる。奉行の金四郎は、鼠小僧減刑を願う投書が多数あるが裁きは公平に行うと言う。治郎吉は奉行の読み上げる罪状を全て認めるが、伝七が異議を唱える。奉行の読み上げた罪状に最近一年の犯行が含まれていないからだ。
その時、金四郎は伝七の逮捕を命じる。伝七こそ偽鼠小僧だったのだ。そして、治郎吉には、彼が盗んだ金を人助けのために使ったことを考慮して江戸払いの判決を下す。
翌日、江戸払いになった治郎吉は、伝七による不祥事の責任を取って奉行を辞めた金四郎と共に、再び弥次さん、喜多さんとして信州に向かって、お雪、三郎、おれんと一緒に、お雪と三郎の母を捜す旅に出る。
以上、映画「怪盗と判官」のあらすじと結末でした。
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