魔女の宅急便の紹介:1989年スタジオジブリ映画。この作品は、角野栄子の児童書「魔女の宅急便」を原作とした、ジブリの長編アニメーション映画です。原作とは大きく変化させながら、ジブリ独自のストーリーを展開しています。魔女の血を引くキキは、しきたりに従い、海の向こうの街で暮らします。箒に乗って配達する宅急便屋をしながら、人との出会いの中で、少女の成長が描かれます。
監督:宮崎駿 声の出演:キキ(高山みなみ)/ウルスラ(高山みなみ)/ジジ(佐久間レイ)/おソノ(戸田恵子)/トンボ(山口勝平)ほか
映画「魔女の宅急便(1989)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「魔女の宅急便(1989)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
魔女の宅急便の予告編 動画
映画「魔女の宅急便(1989)」解説
この解説記事には映画「魔女の宅急便(1989)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
魔女の宅急便のネタバレあらすじ:魔女の旅立ち
のどかな田舎で暮らすキキは、魔女の血を引く少女です。彼女の母は、魔法で薬を作り仕事をしていますが、キキに引き継がれた能力は、黒猫ジジと話す力と箒にのる力だけでした。ある日、キキは、「魔女として生きることを決めた少女は、13歳の満月の夜、魔女のいない街を見つけて定住し、魔女の修行をする」というしきたりに従い、出発します。森の木につけられた鈴を大きくならしながも、とびだったキキは、嵐に遭遇し、汽車に潜り込みます。翌朝、よく晴れた空の下、キキは海の向こうにある街コリコにたどり着きます。しかし、車が行き交い人々がよそよそしく、キキは戸惑ってしまいます。その時、パン屋から女性が飛び出してきて、忘れ物と叫びますが、相手は気がつきません。そこで、キキは箒で届けてあげるのでした。
魔女の宅急便のネタバレあらすじ:魔女の宅急便
届けて戻ってきたキキを、女性がパン屋の奥に誘います。そして、キキの事情をしると、おソノと名乗った女性は、空き部屋を快く貸し出してくれました。パン屋を手伝いながら、キキは箒で荷物を配達する「魔女の宅急便」を開くことを決めます。徐々に配達が増えていきますが、ある時ジジそっくりの黒猫の人形を配達している時、カラスの群に襲われ人形を落としてしまいます。ジジを身代わりに届け、森の中で人形を探していると、森で絵描きをする少女ウルスラに出会い、ウルスラに人形を直してもらいます。直った人形を持って屋敷にたどり着くと、屋敷の大きな犬がジジを連れて外へ出てきてくれました。無事に配達を終えてパン屋へ戻ると、店の主人がパンでキキ用の看板を作ってくれていました。
魔女の宅急便のネタバレあらすじ:魔力がない
ある日、人力飛行を夢見る少年トンボにパーティーに誘われますが、キキは馴れ馴れしいこの少年がとても苦手で断ってしまいます。しかし、彼もあきらめが悪くしつこく出会ううちに、キキは次第に距離を縮めて行きますが思春期からか、素直になれません。パーティーの日、老婦人からパイの配達を頼まれたキキは、大雨の中配達をします。しかし、せっかく作ったパイを「嫌いだ」という少女にショックを受け、またパーティーの時間を大幅に遅れてしまったことから、キキはぬれたまま寝てしまいます。翌日風邪を引いたキキですが、おソノの看病によりすぐ直ります。しかし、ジジが近所の白いメス猫とデートを重ね、食事に戻ってきても、ジジの声が猫の鳴き声にしか聞こえません。キキはあわてて箒に乗ろうとしますが、飛ぶことができず、ついに箒はおれてしまいます。落ち込むキキは、ある日ウルスラと再会し、森のアトリエへ行きます。ウルスラとの出会いで、少しずつ元気を取り戻すキキは、老婦人から歩ける距離での配達を頼まれますが、配達先はトンボだったのです。自分を励ますために、わざとトンボへ配達を依頼したことに気がついたキキは、トンボと仲良く出かけますが、途中彼に女の子たちが声をかけます。そのうちの一人が老婦人のパイを嫌いだといった少女だと気がついたキキは、素直になれず立ち去ってしまいます。
魔女の宅急便の結末:救出
再び老婦人の家を尋ねたキキは、夫人の家のテレビで飛行船が風に煽られ飛んで行ってしまったのを目撃します。その飛行船にトンボがぶらさがっているのに気がついたキキは、大急ぎで現場へと向かいます。そこで、デッキブラシを持った掃除夫から、ブラシを借り受けたキキは、必死に魔力を奮い立たせます。久々の飛行と、自分のものではないブラシであることから、うまく飛ぶことができません。なんとかトンボに近寄ろうとしますが、ついにトンボは落ちてしまいます。しかし、空中でキキがキャッチし、2人は無事に地上へ降りることができました。記者に囲まれるキキのもとへ、ジジがやってきますた、相変わらずジジの声を聞くことはできません。キキは、今日もコリコの街でデッキブラシに乗り、ジジとジジの子供を連れながら、「魔女の宅急便」を営んでいます。
以上が「魔女の宅急便」のあらすじと結末です。
「魔女の宅急便(1989)」感想・レビュー
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キキの何事にも一生懸命でピュアなところに感動させられた作品です。修行の為に初めて訪れる遠くの町で当然不安でありながらも明るく前向きなキキの姿に励まされました。特に一旦はスランプで魔法が使えなくなってしまいますが、森で出会ったウルスラやトンボとの出会いによってスランプを乗り越えていくところは、キキの成長を感じられて最高でした。また、この映画を観てもう一つ感じたことがあるのですがそれは、キキが自分の空を飛べると言う魔法を使って宅急便という仕事を始めますが、自分の得意なことで人には中々できないことがある時に商売が成り立つんだと気付かされた作品でもありました。
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子供の頃、ジジがしゃべれなくってしまうのが不思議でした。ラスト、魔法が復活したのなら、別にしゃべってもいいのではないか、と。しかし今では、ジジがしゃべれなくなったのはキキが大人になったからだ、と解釈しています。宮崎監督もドキュメンタリー映画の中で、キキの魔法は「深くなったんだ」というようなことをおっしゃっていましたが、ジジはキキの子供の頃の空想上の友人(イマジナリーフレンド)のようなもので、キキがトンボや街の人たちと出会い、大人になったことで、成長し魔法が深くなった一方で、もうジジのような空想上の友人は必要としなくなったのだ、と思います。そう思うと切なくなる素敵な映画です。
キキとウルスラの声優が両方とも高山みなみさんだということを知って、最近見直しました。
今までは全く気が付かなかったので、正直驚きました。かわいいキキも、さばさばしてかっこいいウルスラもどちらも魅力的でした。
特に、キキが悩んでウルスラのところに遊びに行って、絵のモデルになりながら、お悩み相談をしている場面が印象に残りました。