恋のしずくの紹介:2018年日本映画。日本三大酒処と呼ばれる広島県東広島市西条を舞台に、日本酒の魅力に目覚めた女子大生が酒蔵の息子にほのかな恋心を抱きながらも酒造りに奮闘する姿を描いた青春ドラマです。主人公の女子大生を自身初の主演となる元AKB48の川栄李奈が、酒蔵の息子を『仮面ライダーエグゼイド』でブレイクした小野塚勇人が演じ、2018年に急逝した大杉漣の最後の出演映画公開作品ともなりました。
監督:瀬木直貴 出演者:川栄李奈(橘詩織)、小野塚勇人(乃神完爾)、宮地真緒(高宮美咲)、中村優一(有重一紀)、蕨野友也(朝比奈昇)、西田篤史(美咲の父)、東ちづる(美咲の母)、津田寛治(鷹野橋洋一)、小市慢太郎(坪島泰淳)、大杉漣(乃神輝義)ほか
映画「恋のしずく」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「恋のしずく」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
恋のしずくの予告編 動画
映画「恋のしずく」解説
この解説記事には映画「恋のしずく」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
恋のしずくのネタバレあらすじ:起
東京の農業大学に通う女子大生の橘詩織(川栄李奈)は、かねてからの夢であるワインソムリエになるために本場フランスへの海外留学を目指していました。しかし、それには大学の研修を経て単位を取得する必要があり、詩織は寄りによって大の苦手な日本酒の酒蔵の研修を受けることになってしまいます。詩織は研修先を直ちにワイナリーに変更してもらえるよう大学側に訴えましたが聞き入れられず、やむなく日本三大酒処とうたわれる広島県東広島市西条にある老舗の酒蔵「乃神酒造」へ研修に出向くことになりました。
西条へと飛んだ詩織でしたが、当の乃神酒造側は実習生を受け入れるつもりはないと通達してきました。その実情は、実習生の受け入れに反対だった蔵元・乃神輝義(大杉漣)にかねてから反発していた息子の莞爾(小野塚勇人)が勝手に実習生の受け入れ話を進めていたのです。日本酒の匂いすら嗅ぐことも嫌がる詩織は輝義から東京に帰るよう促されました。
恋のしずくのネタバレあらすじ:承
行き場所のない詩織を地元の農家の娘・高宮美咲(宮地真緒)が稲刈りの手伝いに誘い、詩織は杜氏の坪島泰淳(小市慢太郎)の計らいで、何とか乃神酒造で研修をさせてもらえることになりました。しかし、詩織は想像していたものとは全く違った酒蔵の重労働に根を上げ、挙句の果てには莞爾とも衝突する始末でした。
酒蔵に馴染めない詩織を見かねた美咲は彼女をとあるパーティーに誘い、詩織はその席で知り合った老舗酒造「有重」の御曹司・有重一紀(中村優一)から日本酒の飲み方を伝授され、次第に日本酒への魅力に気付いていきました。もっと日本酒のことを知りたくなった詩織はそれからというもの酒蔵での仕事により一層励むようになりましたが、相変わらずやる気のない莞爾は輝義と衝突してばかりで、酒蔵の後を継ぐ気はさらさらありませんでした。
恋のしずくのネタバレあらすじ:転
乃神酒造は経営不振に陥っており、莞爾は生き残り策として他の酒蔵との業務提携を模索しだしましたが、それに反対する輝義はかねてから患っていた持病の心臓病が悪化して急死してしまいました。輝義の遺品を整理していた莞爾はその中に15年前に他界した母が遺したメッセージを見つけ、その中には輝義が母の死に目に会えずまでして研究・開発に没頭していた幻の酒「命なりけり」の直筆の名札が残されていました。父の想いを受け止めた莞爾は後を継ぐことを決意、新酒の開発に乗り出すことにしました。
莞爾は母が遺した三島由紀夫の「橋づくし」に習い、7つの橋を無言で振り向かず渡り切る願掛けを行い、杜氏のもとへ出向いて正式に蔵元になることを認めてもらうため必死で頭を下げました。そんな莞爾のひたむきさに感銘を受けた詩織は、いつしか莞爾に惹かれていくようになりました。そんなある日、詩織のもとにフランス留学の案内が届きました。詩織は悩んだ末に最後まで酒造りを成し遂げたいと決意、莞爾がしていた願賭けをすることにしました。
恋のしずくの結末
詩織の願賭けにはいつしか美咲も加わっていました。美咲は分かれた元恋人との間の子を身籠っており、シングルマザーとして生きていく決意を固めていましたが、願掛けの場にかねてから美咲に想いを寄せていた一紀が現れ、彼女に想いを告白しました。
詩織の願掛けとは「お酒を愛して恋をする」ことであり、待望の新酒「命なりけり」の完成にも立ち会うことができ、酒蔵の人々と共に喜びを分かち合いました。莞爾は早速新酒を両親の墓前に捧げ、完成を報告しました。しかし、詩織が東京に戻る日は刻一刻と近づいていました。
そして詩織の研修も遂に最終日を迎え、詩織は莞爾に駅まで送ってもらいました。莞爾は詩織に、これで父と酒を酌み交わすはずだった徳利セットをプレゼントしました。詩織は、「この徳利で一緒に日本酒を飲んでください」と莞爾に告げ、電車に乗り込むなり「好きです」と莞爾に想いを打ち明けましたが、その声は発車を告げるチャイムにかき消されていきました。それでも詩織は満足な表情をしていました。
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