サムライフの紹介:2015年日本映画。長野県上田市にあるNPO法人「侍学園スクオーラ・今人」の設立者である、長岡秀貴氏の自伝をもとに映画化した作品。学校設立を目指して奮闘した元高校教師と、彼の教え子たちの実話。主人公のナガオカを演じるのは、「永遠の0」などで知られる三浦貴大。
監督:森谷雄 出演:三浦貴大(ナガオカ)、松岡茉優(ユミ)、加治将樹(ケンジ)、柾木玲弥(タカシ)、山本涼介(ダイスケ)、岩井堂聖子(アケミ)、岸井ゆきの(ハル)、蒼波純、山田望叶、永野宗典、上野なつひ、夏川加奈子、西山潤、河井青葉、本多力、松山三四六、田中要次、マキタスポーツ、きたろう、渡辺大、佐藤めぐみ、大杉漣、ほか
映画「サムライフ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「サムライフ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「サムライフ」解説
この解説記事には映画「サムライフ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
サムライフのネタバレあらすじ:起
小学4四年生の時に、教師になることを決めたナガオカ(三浦貴大)。担任がきらいで、こんな大人が教師であれば自分が教師をしたほうがましだと思ったのがきっかけでした。しかし高校時代に、原因不明の病気で左半身不随になります。
社会復帰は不可能と言われましたが、それでも教育現場に立ちたい思いが強く、9か月にわたるリハビリの末奇跡的に復活を遂げたナガオカは、大学卒業後母校に就職。
その5年後の2002年、ナガオカは突然教師を辞めてしまいます。彼の夢は、自分の学校を作ることでした。学校を辞めたナガオカは、学校に通えない子どものためのカウンセリングを始めます。ある日、アキという名の少女の家を訪れたナガオカは、ゴミ屋敷とかした部屋を見て驚きました。
子どもたちと一緒に部屋を片付けていると、漢字ノートが出てきます。アキの母親は夜の仕事をしており、家に帰ってくるのは翌朝です。その時に、自分が家に居ないとかわいそうだと思っているアキ。漢字ノートには漢字がびっしり書き込まれており、学校に本当は通いたくて仕方がないのだとナガオカは感じます。
「本当は学校に通いたいんだろ?」と尋ねるナガオカに、アキは「学校なんて行きたくない!」と泣いてノートを破るのでした。そんな彼女を見て、ナガオカは亡き恩師のことを思い出します。学校に通えない子どものための学校を、30歳までには作ると恩師と約束したナガオカ。しかし貯金残高は725円。これでは学校を作ることはできません。そこで、ナガオカはショットバーを開業することにしました。
サムライフのネタバレあらすじ:承
場所を借りたナガオカは、慣れない手つきで内装を仕上げていきます。何とかしようと奮闘するナガオカの元に、元教え子のケンジ(加治将樹)が噂を聞きつけてやって来ました。彼は靴屋で働いていましたが、仕事を辞めてナガオカの元で手伝いたいと言い出します。「この先どうなるかなどわからないぞ。」とナガオカは言いますが、それでもナガオカについていく決心をしていたケンジ。
ケンジの手伝いもあり、ついにショットバーが開店する日がやってきました。お祝いにはたくさんの人が集まり、その中にはナガオカの先輩でもあり、教師時代に世話になった人物もいます。彼はナガオカが恩師との約束を破り、ショットバーを開いたことが許せずにいました。そしてついつい口論となってしまいます。
数カ月後、ショットバーの売り上げは全く伸びず、学校設立のお金集めどころではなくなります。するとケンジが、本を出版することを提案。ナガオカは、教師を目指したきっかけから、教師になって教師を辞めたことまですべてを書きました。そんな時に、教え子だったユミ(松岡茉優)が講演会をやらないかと声を掛けてくれます。講演会で本を売れば一石二鳥です。さっそく、ナガオカは本を出版するために印刷所を訪ねることにしました。
印刷代などがかなりかかることがわかり、本を大量に売らないと赤字になることが判明。手売りしても数は知れており、ナガオカとケンジはどうするか悩みます。そんな時に、大学受験に失敗したタカシが手伝ってくれることになりました。彼のおかげでたくさんの書店に本を置いてもらうことになり、講演会では本が飛ぶように売れるなど、だんだんとナガオカたちは忙しくなります。
そんな時にしっかり者のユミも手伝ってくれるようになり、発売10日で初版の1000冊完売することができました。だんだんと学校設立までの目標が見えてきたナガオカたち。この頃には、旅をしながら自分の居場所を探し続けるダイスケも仲間に加わるのでした。
サムライフのネタバレあらすじ:転
本『ダッセン』を販売するのと同時に、ナガオカはアキのカウンセリングも続けていました。ある日、ナガオカはアキの母親と話をすることにします。アキの父親は借金があり、子どもが生まれると蒸発。夜の仕事をしている母親は、やつれた様子でその話をします。ナガオカは、母親に「友達になりましょう!」と提案。一人暗闇にいた母親は、彼の言葉に救われた気がするのでした。
それからはナガオカの協力の元、アキたち家族の生活は順調に進みだします。学校にも通い出し、ナガオカがカウンセリングにも行かなくなっていたある日、アキが再び学校に通っていないことがわかり、ナガオカがアキの家を訪ねると、再びゴミ屋敷とかした部屋になっていました。
そこへ、以前のようにすっかりやつれた状態の母親が帰ってきます。彼女は、「あんたに何がわかるの?最後まで面倒見れないなら、中途半端に介入してこないでよ!」と言います。これにはなすすべがなく、落ち込んでしまうナガオカ。学校を作る夢を諦めようとします。そんなナガオカを見て、ケンジやユミたち仲間もばらばらになってしまいました。
ある日、増刷した3000冊がショットバーに届きます。そんな時、アキの母親から電話がかかってきました。彼女は職場で出会った男性と再婚し、千葉に引っ越すことにしたと話します。アキに「学校作るんでしょ?私みたいに悩んでいる子の学校を作ってね。」と言われ、ナガオカは改めて夢を目指すことにしました。そんなナガオカの元に、ダイスケが戻ってきます。そして一人、また一人と仲間が戻ってくるのでした。
サムライフの結末
目標の3000冊を売り切ったナガオカは、目を付けていた古い建物を買い取ることができました。学校の名前は『侍学園』。その後も本の販売を続け、自分たちの手で外装を塗装するなど、どんどん理想の学校を作り上げていきます。
そんな時に、一人の少女・ハル(岸井ゆきの)のカウンセリングをすることになったナガオカ。彼女は一見普通ですが、心に大きな闇を抱えていました。しかしまだそれに気がついていないナガオカは、ハルに新しくできる学校に来るよう誘います。
その後、学校説明会が開かれると、さっそく一人の少女が学校に入学したいとやってきました。それを聞いて自然と涙がこぼれるナガオカ。浮足立っていたナガオカでしたが、そんな時にハルから電話がかかってきます。急いで彼女の元に向かうと、手首を切って自殺を図ろうとしていました。
ここまできて、子どもたちと向き合うことの難しさを感じるナガオカ。その場から逃げ出したくなる彼の前に、亡き恩師が現れます。「忘れたのか?」と恩師に言われ、「忘れるわけねえだろ!」と叫ぶナガオカは、スーツに身を包み入学式へと向かいました。
ナガオカは、理事長として訓示を述べます。子どもたちのために居場所を作り、夢を与えられる場所であり続けられるよう頑張りたいと、ナガオカは告げました。その後、たった一人の生徒を前に授業を始めるナガオカの姿がありました。その様子を仲間であるケンジやユミ、ダイスケにタカシがやさしく見守るのでした。
以上、映画「サムライフ」のあらすじと結末でした。
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