おかえり、はやぶさの紹介:2012年日本映画。世界初となる、地球から3億キロも離れた小惑星“イトカワ”の微粒子を採取して帰還した小惑星探査機はやぶさ。そのプロジェクトに携わった人々の感動のドラマを映画化した作品。監督は「ゲゲゲの鬼太郎」「鴨川ホルモー」などを手掛けた本木克英。
監督:本木克英 出演:藤原竜也(大橋健人)、杏(野村奈緒子)、三浦友和(大橋伊佐夫)、前田旺志郎(岩松風也)、森口瑤子(岩松多美)、田中直樹(岩松大吾)、カンニング竹山(天野克也)、豊原功補(山田幸一)、宮崎美子(大橋小夜子)、大杉漣(江本智彦)、中村梅雀(増沢公孝)、ほか
映画「おかえり、はやぶさ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「おかえり、はやぶさ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
おかえり、はやぶさの予告編 動画
映画「おかえり、はやぶさ」解説
この解説記事には映画「おかえり、はやぶさ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
おかえり、はやぶさのネタバレあらすじ:起
2003年5月9日、小惑星“イトカワ”の表面にある微粒子を拾い、地球に持ち帰るというミッションを帯びて飛び立った小惑星探査機の“はやぶさ”。もしこのミッションが成功すれば、人類初の快挙となります。このプロジェクトには、プロジェクトマネージャーの江本智彦(大杉漣)のもと、若手スタッフが多数関わっており、その中の一人にエンジニア助手の大橋健人(藤原竜也)がいます。
同じ年の12月、火星探査機の“のぞみ”が、度重なるトラブルと故障のためにプロジェクトを終了することとなりました。火星に辿り着くことなく、宇宙に消えたのぞみ。のぞみのプロジェクトマネージャーだった健人の父・伊佐夫(三浦友和)は深く落ち込み、JAXAを離れることとなりました。
2005年、小学生の前ではやぶさについて授業を行う健人の同僚・大吾(田中直樹)。そこには大吾の息子・風也(前田旺志郎)の姿もありました。大吾のマイクを取り上げて、はやぶさについて語り出す風也。どれだけはやぶさが素晴らしいものかと嬉しそうに語る風也に、一人の少年が「宇宙へ行って地球の起源がわかったからといって、何かいいことがあるの?関係ないし、興味もない。」と言い切り、場が静まり返ります。
8月、はやぶさのエンジントラブルが起きました。リミットの回数を増やすか増やさないかで議論となり、健人の独断の判断でエラーリミットの回数を変更し、何とかエンジンが回復。ホッとする健人ですが、新人理学博士の野村奈緒子(杏)が「構想二十年、総予算127億円の小惑星探査機をおもちゃのように扱うな!」と、一喝します。
いつも周りの意見を無視して自分勝手な行動をとる健人。「はやぶさに対してもっと敬意を払うべき」と奈緒子は話し、一人宇宙を飛んでいるはやぶさをサポートするのが、自分たちの役目だと熱く語りました。そんな奈緒子を小ばかにする健人。
おかえり、はやぶさのネタバレあらすじ:承
のぞみで失敗した分、今度は成功させたいとみんなの夢を乗せて宇宙へと旅立ったはやぶさ。風也は母親の多美(森口瑶子)の病気が早く治るよう、はやぶさプロジェクトの成功に夢を託しています。
8月28日、はやぶさはイトカワの手前で予定通りエンジンを停止し、以後は自立誘導でイトカワへと少しづつ向かいます。そしてゲートポディションに到達したはやぶさは、9月12日にはイトカワの全体写真を撮影し、その形はラッコのようでクレーターもなく、岩だらけだと判明。はやぶさを着地させる場所をどこにしようか、話し合いがもたれます。
そして2005年11月、イトカワに到着したはやぶさは障害物センサーが過剰に反応し、姿勢を崩して不時着してしまいました。その後もう一度2回目のタッチダウンに挑み、見事成功。サンプル採取をして、地球に無事帰ってこられれば成功です。
のぞみの失敗で、税金を無駄にしたと多くの国民から非難された健人の父・伊佐夫。プロジェクトマネージャーの江本智彦から父親について尋ねられた健人は、久しぶりに実家を訪ねます。講演会の出演などもすべて断り、世間との関わりを避けて暮らす父親。息子の健人にさえも心を開こうとせず、これまでの人生のほとんどをのぞみに賭けて生きてきた伊佐夫は、いまだに自分の判断が誤っていたと責め続けていました。
おかえり、はやぶさのネタバレあらすじ:転
タッチダウンから四時間後、はやぶさの調子がおかしくなります。燃料漏れが起こり、トラブル続出となり、このままでは通信が途絶えてのぞみと同じ結果が予想されます。話し合いの結果、健人の案がとり入れられ、何とかトラブルを脱することができました。しかしその後、同僚たちが自分についての悪い噂を耳にした健人。しかも伊佐夫の悪口まで言われてしまい、カッとなった健人はつかみかかります。
12月、サンプル採取がされていない可能性があることが判明。このことに風也は深く落ち込みます。なぜなら母親の具合が悪く、手術もできずドナーを探す必要があるからです。夢を託しているはやぶさを心配する風也。健人に「はやぶさは帰って来るよね?」と確認し、母親と一緒にはやぶさが無事帰ってくる所のを見ることを風也は期待していました。しかしまたもやはやぶさにトラブルが起き、電波も届きません。みんなが見守る中、通信は完全に途絶えてしまいました。その頃、病室にいた風也の母親も突然苦しみだします。
はやぶさから電波が届かず、行方が分からなくなり二週間がたちました。なすすべもなく、江本は伊佐夫にアドバイスを求めます。復旧見込みがある可能性は低く、自分たちに何ができるのかを模索している江本。すると伊佐夫は「自分には何もできない…。」と言いますが、プロジェクトに携わっている人々の指揮を保つことが大切だと助言しました。
その頃、ドナーを待つ風也の母親ですが、適合者は見つからずアメリカに発つことにします。そのために、JAXAを辞める風也の父。奈緒子から、伊佐夫に講演会をしてほしいと頼まれていた健人は、断られることを承知で父親に講演会の依頼をします。いつまでも引きこもっている父親に健人は、「いつまでのぞみのことを引きずっているのか?」と声を荒げますが、これまで人生の大半をのぞみにかけてきた伊佐夫のショックは想像以上で、健人には何も言えません。
その後、JAXAに戻った健人は、奈緒子から「挑戦して失敗するのと、何もしないで失敗するのとどちらがいい?」と言われ、自分にできることを模索し始めます。
おかえり、はやぶさの結末
風也たちはアメリカへ発ち、奈緒子は何度も伊佐夫の元を訪れて講演会への出演を頼みます。
その頃、通信が途絶えていたはやぶさの電波が、とぎれとぎれですが届くようになります。急いで会議を開きますが、地球へ帰るまでにガス欠となる可能性があります。それでも何とかチームワークとアイデアで、奇跡的に乗り越えられそうです。
その後、アメリカにいた風也の母親にドナーが見つかり手術が決まり、奈緒子から頼まれていた講演会を引き受けて子供たちに宇宙教室を開く伊佐夫の姿もありました。
しかし2009年、打ち上げから6年半が経ったはやぶさのエンジンが停止し、このままでは2010年へ地球への帰還が難しくなります。様々なシステムが寿命を迎えますが、まだ試したことがない策があり、一か八かで試すことになりました。
そして待ちに待ったはやぶさが地球へ帰還する瞬間がやってきます。この頃には風也たちも日本に帰っており、はやぶさの帰りが待ちきれません。ボロボロになりながらも懸命に地球へ戻ってきたはやぶさ。ついにはやぶさが地球へ辿り着く瞬間を見た健人は、伊佐夫に電話をかけて「ありがとう」と礼を言います。伊佐夫の背中を追ってJAXAに入ったこと、自分に道を作ってくれたことに感謝する健人。伊佐夫は「お疲れ様」と言い、互いを讃え合いました。
その後、オーストラリアに不時着したはやぶさのカプセルからは、イトカワ起源の微粒子が1500個以上も検出されました。太陽系の歴史を探る貴重な資料として、解析がすすめられています。
以上、映画「おかえり、はやぶさ」のあらすじと結末でした。
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