ふたりの女王 メアリーとエリザベスの紹介:2018年イギリス映画。エリザベス1世(在位1558−1603年)はスペイン無敵艦隊の撃破などの功績を世界史で習ったことを覚えている人も多いと思います。その彼女にはスコットランド女王メアリー(在位1542−1567年)というライバルがいました。カトリックで美しいメアリーに対し、プロテスタントで天然痘の後遺症の容貌に悩んだエリザベスはメアリーと対立します。今日までその栄光が歴史に残るエリザベスに対し、メアリーは悲劇の女王として記憶されます。『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』は1560年代当時は独立国家であったイングランドとスコットランドでの二人の女王とその側近たちの政治的対立と人間愛を描いた映画です。日本人に馴染みのない英国史ということもあり難解な部分もありますが、世界史を学習した人やイギリスに興味ある人にはおすすめの映画です。
監督:ジョーシー・ルーク 出演:シアーシャ・ローナン(メアリー・スチュアート / スコットランド女王)、マーゴット・ロビー(エリザベスI世 / イングランド女王)、ジャック・ロウデン(ヘンリー・スチュアート / ダーンリー卿)、ジョー・アルウィン(ロバート・ダドリー / レスター伯)、ジェンマ・チャン(ベス・オブ・ハードウィック)、マーティン・コムストン(ジェームズ・ヘップバーン / ボスウェル伯)、イスマエル・クルス・コルドバ(デビッド・リッチオ)、ブレンダン・コイル(マチュー・スチュアート)、イアン・ハート(メイトランド卿)、エイドリアン・レスター(ランドルフ卿)、ジェームズ・マッカードル(ジェームズ/スチュアート / マリ伯)、デヴィッド・テナント(ジョン・ノックス)、ガイ・ピアース(ウィリアム・セシル / バーリー男爵)、
映画「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」解説
この解説記事には映画「ふたりの女王 メアリーとエリザベス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ふたりの女王 メアリーとエリザベスのネタバレあらすじ:起・エリザベスとメアリーの対立
映画の冒頭、16世紀後半の英国の情勢、「メアリーはスコットランド女王でカトリック教徒、幼い頃フランスへ送られ将来のフランス国王と結婚、スコットランドではプロテスタントがカトリックと戦っていたこと」「夫の死によりメアリーは18歳でスコットランドに帰国、スコットランドは今ではプロテスタントが支配的で、彼女の異母兄ジェームズ・ステュアート/マリ伯が権力の座にあること」「エリザベスはプロテスタントのイングランド女王、イングランド女王になる権利があるというメアリーに脅威を感じていたこと」が字幕で紹介され、1587年のイングランド、メアリー(シャーシャ・ローナン)はラテン語で神に祈りを捧げ処刑に挑むシーンになります。
1561年、スコットランド女王メアリーは小舟でフランスからスコットランドへ帰ります。宮廷でジェームズ・ステュアート/マリ伯(以下マリ伯)から迎えられ、マリ伯はメアリーを歓迎します。イングランドではエリザベス女王(マーゴット・ロビー)は28歳、メアリー帰国を知らされ敵意を感じます。スコットランドの宮廷ではメアリーの秘書のリッチオが歌でメアリーを喜ばせます。メアリーはエリザベスに友好感情を表す手紙を書きます。エリザベスの側近ウィリアム・セシル/バーリー男爵(ガイ・ピアーズ)はエリザベスの結婚問題を話しますが、彼女は結婚しないと考えています。メアリーは自らの結婚を話しますが、愛のない政略結婚はしないと宣言します。
カトリックのメアリーはプロテスタントの牧師ジョン・ノックス(デヴィッド・テナント)と対立、彼を解雇します、マリ伯は不満を感じ、ノックスもメアリーは危険とプロテスタント信者を前に演説します。イングランドではエリザベスと側近はメアリーの政略結婚を考えますが、エリザベスは自らの愛人ロバート・ダドリー/レスター伯爵(以下ロバート、ジョー・アルウィン)にメアリーとの結婚を話し、結婚すればメアリーをコントロールできると考えます。ロバートはエリザベスの肖像画を持ち、スコットランドを訪れます。メアリーは側近とロバートとの結婚については議論が必要と話します。
ふたりの女王 メアリーとエリザベスのネタバレあらすじ:承・メアリーの結婚とプロテスタントの不満
結婚について考えるメアリー、エリザベスが天然痘にかかったことを知らされるとイングランド女王のチャンスありと考えロバートとの結婚に真剣になります。イングランドではエリザベスは天然痘のショックからか、ロバートに去られるのを泣いて止め、ロバートはメアリーとの結婚を諦めます。メアリーはロバートの結婚とイングランド女王のチャンスに喜びリッチオとはしゃぎますが、ロバートの代わりに来たヘンリー・ステュアート/ダーンリー卿 (以下ヘンリー、ジャック・ロウデン)に驚き不信な顔をみせます。しかし、ヘンリーの真剣な態度にメアリーは笑顔を見せ、打ち解けていきます。二人は親しくなりキスします。メアリーはヘンリーとセックスし二人は結婚を決意します。
メアリーの側近はヘンリーによるイングランドの影響力の増大に警戒感し結婚に反対、その中でもマリ伯は大反対します。エリザベスの側近もイングランド人ヘンリーとの結婚によるメアリーのイングランドへの影響力増大に警戒感を強めます。エリザベスは自分に関しては政治的対立を引き起こすため結婚はしない子供は産まないことを側近に話します。反対の中、メアリーはヘンリーと結婚します。
新婚生活、彼女はヘンリーの酒癖の悪さに驚きます。メアリーを去ったジョン・ノックスらプロテスタントはメアリーに反乱を仕掛けます。メアリーはヘンリーと軍を率いて反乱鎮圧します。勝利の後、メアリーはヘンリーと自らセックスを始めますが、二人は暴力的になり喧嘩をしながらセックスします。
ふたりの女王 メアリーとエリザベスのネタバレあらすじ:転・メアリーの妊娠とヘンリーの死
やがてメアリーは妊娠します。メアリーは子供がイングランドとスコットランドの王室の継承者と宣言します。エリザベスはその知らせを聞くと落ち着がず、エリザベスの側近は戦争を勧告します。スコットランドでは、メアリーはヘンリーとの結婚生活にうんざりし、リッチオと宮廷で遊びます。ヘンリーはメアリーのお腹の子はリッチオとの間にできたのか?疑います。メアリーとリッチオのパーティ、ヘンリーと側近が乱入し、側近がリッチオを捕らえナイフで刺します。
最後はヘンリーが姦通者と叫びリッチオを殺します。メアリーは泣き叫びますが、ヘンリーは酒を飲み殺人の言い訳を始め「俺は国王だ」と怒鳴りメアリーと口論をします。スコットランドのプロテスタントはエリザベスの支援を期待し、またもやメアリーに反乱の準備をします。マリ伯がメアリーを訪れます。メアリーはマリ伯と話し合い、生まれてくる子供にもジェームスと名付けると協力を呼びかけます。メアリーはエリザベスにも仲直りの手紙を送ります。
1566年、メアリーはジェームズ王子を出産します。メアリーの王子誕生にエリザベスと側近は対策を議論します。しかし、メアリーとヘンリーの仲は最悪、ヘンリーは酒浸りになります。メアリーの側近は離婚を勧めますがメアリーは同意しません。
翌1567年2月、メアリーは爆発音を聞きます。心配するメアリーに側近はヘンリーの死を告げます。メアリーはジェームズ・ヘップバーン/ボズウェル伯(以下ボズウェル伯)から王子と離れて安全な場所に避難することをすすめられます。ボズウェル伯の領地に避難したメアリーはそこでボズウェル伯から強姦され、スコットランド人はメアリーとスコットランド人との結婚を望んでいるという理由で結婚を強要されます。
ふたりの女王 メアリーとエリザベスの結末:栄光のエリザベス女王の悩みと悲劇のメアリーの死
メアリーはボズウェル伯と結婚しますが、スコットランドのプロテスタントは彼女を淫乱な女と非難します。マリ伯と会うボズウェル伯とメアリー、メアリーとの結婚で王になるつもりのボズウェル伯はマリ伯から王にはなれないと告げられ激怒します。そして、メアリーは退位を迫られます。泣きながらマリ伯に助けを求めるメアリー、しかし、反メアリー感情の強いスコットランドにいられず、1567年7月に退位します。
翌年1568年、メアリーはイングランドのエリザベスに助けを求め、イングランドに亡命します。エリザベスはメアリーと山小屋で対面します。カーテンをかけエリザベスはメアリーに天然痘の後遺症を隠す厚化粧とかつらの顔を見られないようにしますが、メアリーはカーテンを開けます。ひたすら助けをもとめスコットランド女王に戻りたいメアリーにエリザベスはいい返事をしません。イライラするメアリーはエリザベスとの過去のことを非難します。メアリーの態度の変化に驚くエリザベスは、メアリーの美しさにコンプレックスを感じたが、いまはその立場に憐れみを感じるとし、メアリーがエリザベスの王位を脅かさない限りは見の安全を保証するといい山小屋を去ります。
映画は19年後の1587年、冒頭のメアリー処刑シーンになります。処刑場に向かうメアリー、エリザベスはメアリーが陰謀を計画したとして、悩みながらも処刑の文書に署名します。メアリーは神への祈りを捧げながら息子ジェームズ王子が2つの国の国王になることを願いつつ処刑されます。
映画のラストは字幕で「メアリー処刑の理由の陰謀は今日でも議論されている」「エリザベスは終生子供を産まなかったこと」「メアリーの子供ジェームズ王子はエリザベス死後にイングランドとスコットランドの国王になったこと」が説明されます。
以上『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』のあらすじと結末でした。
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