南極物語の紹介:1983年日本映画。実在した兄弟犬「タロ」と「ジロ」のエピソードを軸に南極観測隊の苦闘を描いた大作です。南極や北極でロケを行い、製作期間におよそ3年を費やしました。
監督:蔵原惟繕 出演者:高倉健(潮田暁)、渡瀬恒彦(越智健二郎)、岡田英次(小沢大)、夏目雅子(北沢慶子)、荻野目慶子(志村麻子)ほか
映画「南極物語」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「南極物語」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「南極物語」解説
この解説記事には映画「南極物語」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
南極物語のネタバレあらすじ:起
1957年。南極・昭和基地では、隊員の潮田暁(高倉健)、越智健二郎(渡瀬恒彦)ら11人の第一次越冬隊と、15匹の樺太犬が過酷な任務に就いていました。第一次隊は間もなく第二次隊と交代する予定でしたが、まさかの悪天候と氷河に阻まれ、第二次隊の越冬は中止となります。その4ヶ月後、氷河で往生したままの観測船から飛行機が基地に降り立ち、本日中に全員が昭和基地から撤退し帰国するよう命令が下されます。しかし、犬たちを連れていくことは許されず、潮田は何とか犬を救ってもらえないかと頼みますが断られ、やむを得ず数日分の餌を与え、極寒の南極に犬たちを置き去りにして帰国します。
南極物語のネタバレあらすじ:承
帰国した潮田は北海道大学の講師の職を辞め、取り残された犬たちの飼い主に謝罪する旅に出ます。真夏の暑い中でも汗をかきながら一軒一軒を廻りました。中でも犬のリーダー格のリキの飼い主である志村麻子(荻野目慶子)と妹の真紀(市丸和代)は潮田に対して激しく叱責してきました。やがて、潮田が謝罪の旅に出たことを知った越智は、潮田のもとを訪れます。潮田は「犬たちをこの手で殺してやればよかった」と胸の内を明かします。一方、南極に残された犬たちは、必死で鎖から脱出しようともがいていました。
南極物語のネタバレあらすじ:転
ようやく鎖から8匹の犬が脱出しましたが、待ち受けていたのは過酷な運命でした。8匹は基地の餌を食べ尽くし、食糧を求めて南極をあてもなくさまよいます。アザラシを襲ったり、氷の中の小魚を捕まえて何とか飢えをしのいでいましたが、やがて1匹、また1匹と次々に力尽きていきました。犬のリーダー的存在だったリキも、タロとジロをシャチの襲撃から守って息絶えていました。一方、日本では第三次越冬隊の派遣が決定し、潮田と越智は越冬隊に志願します。
南極物語の結末
ヘリコプターで昭和基地に降り立った潮田と越智は、鎖がついたまま絶命した犬たちの無残な姿に言葉を失い茫然とします。二人は氷に囲まれた周りを見渡すと、遠方から二つの影が見えました。それは辛うじて生き残ったタロとジロの姿でした。潮田の呼び声に応じてタロとジロは二人のもとに駆け寄ります。潮田らはタロとジロを抱きしめました。
「南極物語」感想・レビュー
-
逸話だけ知っているだけだと、生き残っていたタロウとジロウだけフィーチャーされがちですが、彼らが生き残っていたのは、他の犬の屍の上に成り立っていた事実を知ることができます。
犬たちのシーンはほぼドキュメンタリーのようですから、納得できる絵が撮れるまで、何度も撮影したんでしょうね。
凍傷になりながらも健さん、撮影に頑張っておられました。若かったからできた事でしょうね。健さんのチャレンジ精神が好きです。
この映画ではヴァンゲリスの音楽が際立っていました。とても幻想的で神秘的。当時このような音楽に触れたことがありませんでしたので、何度も何度も聞き返しました。
タロとジロ他、犬たちが南極に置き去りにされるという、何てショッキングな話なのだろうと、若かりし頃はハラハラドキドキしながら興味深く見たものです。最後にタロジロが元気に潮田、越智に抱かれる個所はもう涙無くしては見られませんでした。
今は4Kで撮影した南極大陸をテレビで普通に見ることが出来ますが、当時は南極なんて、テレビでもあまりお目にかかれませんでしたので、大変貴重な映像だと認識しております。実は北極で撮影されたとも聞いております。