風の谷のナウシカの紹介:1984年日本映画。宮崎駿によるスタジオジブリ長編アニメ。巨大産業文明が崩壊してから1000年、広がりつつある腐った海(腐海)と瘴気を出す有害植物、そして腐海を守る蟲達により、人間の住む場所は次から次へと失われていった。そして今日もまた森が腐海に飲み込まれ町が一つ消えていった。
監督:宮崎駿 声の出演:ナウシカ/島本須美、アスベル/松田洋治、クシャナ/榊原良子、ユパ/納谷悟朗、大ババ/京田尚子、ミト/永井一郎 ほか
映画「風の谷のナウシカ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「風の谷のナウシカ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
「風の谷のナウシカ」の予告編 動画
映画「風の谷のナウシカ」解説
この解説記事には映画「風の谷のナウシカ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
「風の谷のナウシカ」ネタバレあらすじ1【腐海が出来た訳】
科学技術が極限まで発展し、人類は「巨神兵」を作り上げて戦争を起こす。その戦争は「火の7日間」と呼ばれ、街は「巨神兵」により全て焼き尽くされてしまった。
最終戦争が終わり、滅びた世界から瘴気を放つ猛毒植物が生まれる、その菌に侵された街や森は腐海という猛毒植物に覆われた死の森となる。
腐海の木々は森の毒を体に取り入れ、やがて枯れて綺麗な土へと還っていく。その森を守っていたのが、大きな蟲達であった。
「風の谷のナウシカ」ネタバレあらすじ2【ユパとナウシカの再会】
ナウシカは腐海の謎を解く為に、植物の胞子集めをしていた。そこで大きなオームの完璧な抜け殻をみつける。オームの殻は頑丈で道具作りに役立つため、谷の人達を喜ばせようと持って帰る事にする。
ムシゴヤシが午後の胞子を飛ばし始めると、その中で何かを考える様にしばらくの間その光景を眺めている。すると大きな銃声の音が鳴り響く。とっさに誰かが蟲に襲われていると直感したナウシカは走り出し、すぐさまメーヴェ(ナウシカが愛用し得ている乗り物)に乗り、救出に向かう。
そこで、オームに襲われているのが「ユパ」だと気づく。オームを光玉と虫笛で無事に森に返したナウシカは、喜び勇んでユパの元へと駆け寄る。
「風の谷のナウシカ」ネタバレあらすじ3【ユパが探し求める者】
久しぶりにユパが谷に戻ってきた事を喜ぶ人達。しかしナウシカの父は既に腐海の毒に侵されていた。ナウシカの父ジルは、自分の身体はそう長くないと悟っており、ユパに「この谷に残って守って欲しい」と頼む。
だが大ババは、「ユパは探し続けるよう定められた男じゃ」と言い伝説の言葉を口にする。「その者、青き衣を纏いて金色の野に降り立つべし、失われし大地との絆を結び、ついに人々を青き清浄の地に導かん」。ナウシカは、ただの言い伝えだと思っていたのだ。
「風の谷のナウシカ」ネタバレあらすじ4【トルメキアの船】
その夜、トルメキアの大型船が風の谷に墜落する。腐海に降りて蟲達を殺したせいで、自分たちの船も蟲に襲われていたのだ。メーヴェで救出にいち早く向かったナウシカは、一人の少女を船の残骸から助け出す。その少女はペジテの姫「ラステル」だった。
ラステルは「積荷を燃やして」と告げる。ナウシカが「積荷は全部燃えた」と伝えると安心したかのように、ラステルは静かに息を引き取った。しかし船に着いていた「ウシアブ」が生きていた。
傷ついて飛べないウシアブは仲間を呼び始めた。銃で仕留めようとする住民にナウシカは、自分が森へ返すと言い、虫笛を使いウシアブを森へと返した。
だが安心したのもつかの間、炎が消えた船の残骸から奇妙な物を見つける。それはペジテの地下深くに1000年もの間眠っていた生き残りの「巨神兵」だった。
「風の谷のナウシカ」ネタバレあらすじ5【トルメキアの攻撃】
船に着いていた胞子を焼き払う谷の人達、ひとつでも胞子を残してしまえば、谷は腐海に飲み込まれてしまう為、必死に作業をしていた。
そこへトルメキアの船がやってきて、谷を襲い始める。ナウシカは谷の人達を城へ逃げるように誘導していたが、その隙にジルが居る塔にトルメキア軍が侵入する。ナウシカは塔に向かうが、そこには大ババさまの側で横たわるジルの亡骸があった。
我を忘れたナウシカは、トルメキアの兵士達を次から次へと殺戮していく。そこへユパが割り込み、ナウシカを静止させ、トルメキア兵に昨晩の出来事を話す。
「風の谷のナウシカ」ネタバレあらすじ6【風の谷がトルメキア軍の支配下に】
これ以上死者を出したくなかったナウシカは、トルメキアの言う事を聞くように、谷の人たちに伝える。
トルメキア軍クシャナ殿下は巨神兵の名は伏せ、「この地を全て焼き払い、再びこの大地を蘇らせるのだ」と告げる。しかし大ババは「腐海に手を出してはならぬ、腐海が生まれて1000年、かつて人々は何度も腐海を焼き払おうとした。その度にオームの群れが押し寄せ、国を滅ぼし街を飲み込み、自らの命が飢餓で尽きるまで走り続けた。やがてオームの骸を苗床にし、胞子が大地に根を張り、広大な土地を腐海にしたのじゃ」と告げるが、年寄りの戯言と取り合ってもらえなかった。
その夜、ナウシカは地下で研究を続けていた腐海の植物たちの部屋にいた。そこへユパが来て、その光景に驚く。猛毒の「ヒトクサレ」が花をつけているのに瘴気をだしておらず、空気が澄んでいたからだ。ナウシカは「ここの水は地下から汲み上げ、砂は同じ井戸の底から集めたもの」だと言い、「汚れているのは土、この谷の土ですら汚れているのです」とユパに告げる。
「風の谷のナウシカ」ネタバレあらすじ7【ナウシカを乗せトルメキアへ】
ナウシカと数人の人質と共に、クシャナは一旦トルメキアに戻る事になる。その途中、ペジテのガンシップに襲われてトルメキアの船は全滅し、人質と積荷を乗せていた風の谷のバージのワイヤーが切れて飛んで行ってしまう。
生き残ったナウシカとミトは、ガンシップに乗り込み脱出を試みる。そこへ同じく生き残っていたクシャナがやってきた。ナウシカはクシャナをガンシップに乗せ、バージの救出に向かう。
雲の下はすごい瘴気だった。バージを見つけ不時着できる場所まで誘導するが、そこはオームの巣だったのだ。オームにより、ペジテのガンシップに乗っていた少年が生きている事を知り、ミトに「1時間経っても戻らなければ、谷へ帰りなさい」とだけ告げ、ナウシカはメーヴェに乗って少年の救出に向かってしまう。
「風の谷のナウシカ」ネタバレあらすじ8【腐海の深部で見たもの】
少年を見つけて救出するものの、蟲のしっぽがメーヴェに当たり、ナウシカ達は腐海の奥深くへと落ちて行く。そこで目を覚ましたナウシカは、その光景を見て驚く。
そこには澄んだな水が流れ、井戸の底と同じ砂が腐海の木の上から落ちてきていたのだ。腐海の木が枯れて砂になり、腐海の土地を綺麗にしている事を知る。そう、ナウシカが地下で実験していたまさにそれと同じ事が腐海の木々によりされていたのだ。腐海の謎が解けた事に、心の底から喜ぶナウシカ。
「風の谷のナウシカ」ネタバレあらすじ9【ペジテの異変】
ペジテへと向かうナウシカ達が目にしたものは、変わり果てたペジテの姿であった。センタードームまでオームによって食いちぎられた事にショックを隠し切れないアスベルが、「これではトルメキアを全滅させても、再建できない」と口走ってしまうのである。ナウシカが「どういう事?」と聞くが、アスベルは口ごもる。
そこへペジテのブリックがやってくる。アスベルは「なんて事をしたんだ」と言うが、ペジテは第2弾を既に実行に移していた。それは、風の谷を蟲達に襲わせ、トルメキアから巨神兵を取り戻すという作戦であった。それを聞いたナウシカはメーヴェに乗り込み、風の谷に向かおうとするが、ペジテに囚われてしまう。
「風の谷のナウシカ」ネタバレあらすじ10【風の谷に向かうナウシカ】
ペジテの船に乗せられてしまったナウシカだったが、ラステルの母に助けられ、谷に向かうように言われる。そこへトルメキアの船がやってきて、ペジテの船を襲い始める。
アスベルに「谷の人を救えるのは君しかいない」と言われ、ナウシカは谷へと向かうのだが、トルメキアのドリップが攻撃を仕掛けてくる。巧みに交わしながら必死に逃げるナウシカの元に、ミトとユパが乗ったガンシップがやってきた。トルメキアの船を一発で仕留め、ユパはペジテの船へと助けに向かい、ナウシカ達は風の谷へと猛スピードで向かっていた。
そこにはオームの目が攻撃色の真っ赤に染まった大群が谷へと向かって走っていた。ナウシカはオームの群れをおびき寄せている正体を見つけ、「自分は説得に向かう」と言い、「ミトは谷の人達に伝えて」とメーヴェに乗って飛び出してしまう。
「風の谷のナウシカ」結末【最後の時】
ナウシカは懸命に呼びかけるが、邪魔をされると自分たちまで危ないと、ナウシカに攻撃をしかけてくる。しかし、無防備にペジテの服を着てメーヴェの上に立つナウシカを目の当たりにし「ラステル」と重なり撃てなくなってしまうが、代わりの者がナウシカを撃ち落としてしまう。
ナウシカと共に墜落してしまったペジテの船から逃げようと、オームの子供が仲間のいる対岸へ渡ろうと酸の海へと入ろうとする。しかし傷を負った体では酸の海に入れないと、ナウシカは懸命にオームの子を止める。その際ペジテのピンクの衣装を身に着けていたナウシカだったが、オームの体液により青に染まっていく。
負傷していたナウシカの足が酸の海に浸かり苦しんでいると、オームの子はナウシカの事を心配してくれる。ペジテの者に「私とオームの子を群れの真ん中に降ろすだけでいい」と言い、運んでもらう。
その頃、風の谷ではまだ完成していない巨神兵を復活させてオームを焼き払っていたが、オームの群れは一向にとまらない。それどころか不完全のまま復活させられた巨神兵が崩れ落ちてしまう。
谷の人たちは高台へと避難していると、オームの群れの真ん中にナウシカとオームの子供が下ろされた。しかしオームの群れは止まる事は無く、無情にもナウシカは天高く跳ね上げられ、そして落ちていった。
その直後、オームの群れの中心部から攻撃色の赤い目の色から青へと変わりつつあった。そこにはオームの子と身を挺して谷を救ったナウシカの亡骸があった。
オーム達の黄金の触手が伸びてきて、ナウシカを天高く持ちあげ、傷ついた箇所を触手でいたわるように触ると、なんとナウシカが目を覚ますのである。そして、オームの黄金の触手で埋め尽くされた上を楽しそうに歩くのだった。
それはまさに伝説通りの「青き衣をまといて、金色の野におりたつべし」の言い伝えと同じ光景だった。
以上、映画「風の谷のナウシカ」のあらすじと結末でした。
「風の谷のナウシカ」感想・レビュー
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皆で力を合わせて自分達の土地を守ろうとする姿や、壊れた物でも修復して使おうとする姿勢は、親に教わった物を大事にしろと言われていたことを思い出します。世界が腐海に飲み込まれようとしているのを、懸命にナウシカが防ごうとしていることや、研究をして腐海の謎の答えを導きだしたナウシカは魅力的に見えます。巨神兵のシーン圧巻ですが、オームが可哀想に見えて悲しい気持ちになります。年を重ねるに連れて色んな観方があると学ばせてくれた作品でもあります。
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将来こんな素敵な女性になりたいと、子供の頃に見て憧れたヒロインNo. 1がナウシカです。怖がるテトにわざと指を噛ませて「痛くない、痛くない、ほら大丈夫」と一気に心を掴むシーンに憧れ、ぬいぐるみを使ってマネしたものです。本当の動物相手にはとてもできなかったですが。物語、映像も素晴らしいけれど、音楽がまた最高です。金色の王蟲の触手の上をナウシカが歩くときのレクイエムは、今でもよく口ずさんでしまいます。大人になった今でも、ナウシカは永遠の憧れで、強く美しく気高いヒロインの象徴です。
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映画としての作品の仕上がりは色あせない素晴らしいものなのですが、原作漫画を読んでしまうとそのストーリーの残念さにがっかりです。
この映画に感動した方には是非とも、原作漫画を読んでもらいたい!
天才宮崎駿の傑作なんですよ! -
原作を知ると、アニメが「序章」に過ぎないことに気づく。この作品に出てくる巨神兵とは、私の解釈では「核兵器」。世界大戦、ウィルス、遺伝子操作、環境問題など、人類が直面する問題に、巧妙に練りこまれた壮大なストーリを使って、切り込んでいる、宮崎駿のすごさ
言わずと知れた名作です。ジブリの中でもピカイチに好きな作品です。原作も読みましたが、あの長いストーリーを上手く映画にまとめ上げたなと思いました。ストーリーやキャラクター、音楽、絵のすべてが上手く融合し壮大な叙事詩を見ているような余韻が映画をみたあとに残ります。
今見ても、まったく色褪せない素晴らしいアニメ映画です。