娚の一生(おとこのいっしょう)の紹介:2014年日本映画。西炯子の同名コミックを、榮倉奈々と豊川悦司で送る、大人の恋愛ラブストーリー。仕事を辞め、実家の祖母の家で生活することになった女性と、そこに上がり込んだ年上男性の出会いから始まる、同居生活を描く。
監督:廣木隆一 出演:堂薗つぐみ(榮倉奈々)、海江田醇(豊川悦司)、秋本岬(安藤サクラ)、富岡まこと(若林瑠海)、中川俊夫(向井理)ほか
映画「娚の一生」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「娚の一生」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
娚の一生の予告編 動画
映画「娚の一生」解説
この解説記事には映画「娚の一生」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
娚の一生のネタバレあらすじ:最悪の出会い
つぐみ(榮倉奈々)は、東京のIT企業でバリバリ働いていたのですが、妻子持ちの男性・中川(向井理)との恋愛に疲れ、実家の鹿児島県の鶴水(つるみ)にある、祖母・十和(紺野千春)のもとに身を寄せます。しかし、十和は他界してしまいました。葬儀が終わり、コーヒーを淹れていると、突然見知らぬ男がやってきます。自分のことを「海江田醇(豊川悦司)」と名乗った男は、「ゆうべから『離れ』にいます。」と衝撃の告白。十和は、染色を教えていて、その教え子が「海江田」でした。つぐみは、十和と海江田が抱きしめあっているのを、弟が生まれる前から見ていました。はっきりとしたことは言いませんが、「鍵はもろてる。そういうことや」で説明は終わり。海江田に勝手に料理を作って食べていって。というつぐみでしたが、料理ができない海江田。なんとなく、海江田と食卓を囲むつぐみでした。そこで、「乳見た」という発言をする海江田。一人だと思って濡れタオルで体を拭いていたつぐみを、海江田は不覚にも(?)見てしまっていたのでした。
娚の一生のネタバレあらすじ:少しずつ変わりゆく関係
つぐみは、洗濯機のトランクスを見て、「これ」と、海江田に返しに行きますが、「仕事の邪魔をせんといて」といなされて、翻弄されっぱなしです。会う人ごとに「あれ、誰?」と、言われるつぐみ。誰?の標的はもちろん海江田。ぬけぬけと「結婚する予定ですねん」と、つぐみの母・今日子(根岸季衣)にまでも、言ってしまいます。「食事と洗濯はつぐみ担当」、「海江田は薪割りと風呂担当」という役割分担をして、つぐみと海江田の奇妙で不可解な同居生活が始まります。東京から岬(安藤サクラ)という女の子の親友がやってきました。そこから、岬の告げ口でつぐみが不倫の後遺症に苦しんでいることが、海江田に知られてしまいます。おしゃれをしようとネックレスを付けたつぐみですが、仕事や買い物により、ネックレスをなくしてしまいました。自分を負け犬呼ばわりしたつぐみに対し、「君は自分を大事にしなさすぎじゃ」と怒った海江田はつぐみのネックレスを、雨の中探しに行きます。ずぶ濡れになった海江田の靴下を脱がせたつぐみに、海江田は抱きつきました。嫌がるつぐみですが、気づくと首にネックレスがつけられていました。
娚の一生のネタバレあらすじ:少年まこと。
四十九日の法要の日、海江田は同棲発言と結婚発言を親族の前で行います。「ええ女だから」だの「恋なので仕方ありません」だの甘い言葉を並べる海江田ですが、つぐみは海江田の本心を図りかねます。その後、「海江田小夜子」という差出人から手紙が来ました。海江田の背中を蹴るつぐみ。あんなに嫌っていたのに、小夜子を妻だと思い、つぐみは嫉妬をしてしまいました。手紙の差出人は、もう30年以上会っていない戸籍上の義理の姉からでした。手紙の内容は「育ての親が半月前に死んだ」という内容でした。つぐみの家に突然5歳の少年・富岡まこと(若林瑠海)が現れます。まことの母、春美は遠縁のシングルマザーで十和に金を借りたことがありました。1週間経過しても戻ってこない母、春美を探し、少年・まことは家を出ました。見つかったまことを叱りながらも、抱きしめる海江田。その後、迎えに来た母、春美と帰るまことに海江田は宛名の書いた大量のはがきを渡し、「何かあったら、これを出せ」と言いました。「字が書けない」というと、「○を書け」と言いました。帰りの乗るタクシーで号泣するまこと。つぐみも海江田も手を振っていました。つぐみの母・今日子が「早く籍を入れろ」と言われ、つぐみは焦ります。これに対し、海江田は「僕はいつでも準備できてるんですけどね」と添え、「なんだったら、この家僕が買いましょうか?」と言います。母・今日子はスキップして帰っていきました。
娚の一生の結末:通じ合う心。
海江田がどれだけ本気かわかりかねていたつぐみ。しかし、次第に心を開いていきます。海江田のノートの奪い合いをして倒れこみ、二人はそのまま体を重ね合わせます。「京都、行こか」と誘う海江田。そこには、海江田の姉。小夜子夫婦がいました。海江田は身寄りのない子供で、義理の母が引き取って育てました。それが、戸籍上の義理の母です。そんな戸籍上の義理の母に求婚する人が現れてしまいました。そこで遠慮した海江田は、そのまま家を出ました。海江田も、「人間関係に疲れていた」、「もう人を好きになることはないと思っていた」と言っていました。やっと思いが通じ合った二人。その矢先、つぐみの不倫相手、中川が訪ねてきました。よりを戻そう。結婚をしよう。と投げかけますが、海江田は中川と取っ組み合いのけんかをしてしまいます。失神した中川に付き添って病院へ行き、眼窩底骨折で、一晩入院してしまいます。改めてプロポーズする中川に、「私はあなたとは結婚しません」と断ったつぐみ。しかし、海江田は居ません。強い台風18号が鹿児島を襲ってきて、近所の佳代おばあちゃんを心配したつぐみは、自宅へ避難するように言いました。佳代をおんぶしますが、転倒してしまいます。そこへ、海江田が懐中電灯を持って現れました。佳代を代わりにおぶって歩く海江田を頼もしく見るつぐみ。その後、祖母・十和宅の表札は、「海江田」になり、その二人のもとに、大きく赤い○が書かれたはがきが届き、それを二人は微笑んで見ていました。風の舞う自宅で、染色の鮮やかな布たちが、二人を飾り、映画は幕を閉じます。
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