パーフェクト・レボリューションの紹介:2017年日本映画。市民活動家で、風俗店評論家の熊篠慶彦の実話を基に映画化した作品。脳性麻痺の障害を抱える中年男性クマと人格障害を抱える風俗嬢ミツの命がけの純愛を描く恋愛映画です。「そして父になる」「万引き家族」のリリー・フランキーと「TOKYO TRIBE」の清野菜名が共演しました。
監督:松本准平 出演者:リリー・フランキー(クマ / 熊代嘉浩)、清野菜名(ミツ / 塩満涼子)、小池栄子(恵理)、岡山天音(悟)、余貴美子(晶子)、ほか
映画「パーフェクト・レボリューション」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「パーフェクト・レボリューション」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
パーフェクト・レボリューションの予告編 動画
映画「パーフェクト・レボリューション」解説
この解説記事には映画「パーフェクト・レボリューション」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
パーフェクト・レボリューションのネタバレあらすじ:起
脳性麻痺により全身が不自由な熊代嘉浩(リリー・フランキー)は障害者の性について扱った「たった5センチのハードル」という本を出版し、その出版記念の講演に立っています。嘉浩は時折下ネタを交えながら軽快なトークを展開していきますが、その様子を興味深く見つめる派手な出で立ちの若い女性がいます。女性の名は塩満涼子(清野菜名)、風俗嬢の涼子は唐突に嘉浩に愛についてはどう思っているかと質問します。嘉浩は今あなたが愛に迷っているのだとしたら、障害者の僕が歩き回ることに比べれば不可能なことはないのではないかと返答します。その言葉に感銘を受けた涼子は講演を終えた嘉浩を捕まえて、どっかに遊びに行こうと誘います。涼子は嘉浩をクマピーと呼んでいいかと言い出しますが、嘉浩は涼子がヤバさを警戒し、気味悪がって帰っていきます。
別の日、嘉浩が出版のイベントに出席するため撮影現場に入ると、そこに涼子がアルバイトとして潜り込んでいました。再びデートに誘われた嘉浩はその夜涼子と食事に出かけます。涼子は嘉浩に一目ぼれしたことを明かし、不完全な二人で完璧な革命を起こそうと語りかけます。涼子のペースに巻き込まれながらなんとなく二人は付き合い始めます。しかし涼子もまた人格障害という重い障害を抱えていました。
パーフェクト・レボリューションのネタバレあらすじ:承
嘉浩の身体は加齢と体力の低下により障害が重くなりつつありました。医師からも24時間全介助が必要になってくることを覚悟するよう告げられてしまいます。涼子は不慣れながらも嘉浩の介護にひたむきに取り組みます。その姿を見た嘉浩のヘルパー恵理(小池栄子)も二人の恋を応援しますが、涼子の母親代わりの占い師・晶子(余貴美子)は涼子には嘉浩を支えきれないのではないかと危惧します。母からネグレクトを受けて育った涼子は母の愛を求めるあまりに男に過剰に依存してしまう傾向があり、子供のように純粋な心を持っているがゆえ繊細で危うい一面を持っていることを晶子はよく知っていました。
嘉浩と涼子の関係を知ったテレビ局が二人の密着取材をしたいと依頼してきます。しかしいざ撮影に臨むと障害者と風俗嬢という稀有なカップルの苦労話を美談に仕立てようとする制作者サイドの思惑が見え隠れし、嘉浩と涼子は落胆します。嘉浩の書籍がベストセラーとなり、嘉浩と涼子、恵理の三人はお祝いをしますが、その夜自宅でバランスを崩して転倒した嘉浩が頭を強く打って入院します。嘉浩との未来に漠然とした不安を抱くようになっていた涼子は結婚して二人の子供を作ろうと言い出し、嘉浩を困らせます。恵理は涼子の情緒不安定さをだんだんと気にかけ始めます。
パーフェクト・レボリューションのネタバレあらすじ:転
涼子は嘉浩の親族の法事に同席しますが、嘉浩を厄介者扱いする親戚達に苛立ち、偽家族だと暴言を吐いて帰ってしまいます。涼子は口癖のように子供が欲しいと言いますが、嘉浩は若い時にレントゲンで放射線を大量に浴びているため子供を作ることは難しいと告げます。さらに障害者の自分が子供を持つことは現実的に考えられないと話しますが、涼子が激しく反発、二人は大喧嘩を始めます。家を訪ねてきた恵理と恵理の夫・悟(岡山天音)が仲裁に入りますが、涼子は恵理にも敵意をむき出しにし、殺すと凄みます。その夜、涼子は嘉浩の前で手首を切って自殺未遂をおかし、病院へと運ばれます。恵理は涼子との交際を考え直したほうがいいのではないかとアドバイスしますが、嘉浩は少女のように純粋な涼子を誰よりも深く愛していました。
その後、涼子が退院すると恵理は二人を旅行に誘い、海辺のコテージで穏やかな休日を過ごします。しかしあくる朝、涼子は嘉浩を海へ連れ出すと、嘉浩を海に引き入れ、心中を試みます。異変に気付いた恵理が溺れる嘉浩を救出し、嘉浩は一命をとりとめますが、晶子と恵理は二人を引き離したほうがいいと結論付けます。涼子は障害者へのDVを働いたと通報され、嘉浩への接近禁止命令が下ります。
しかし二人は会えなくなった後も互いのことを思い続けます。テレビでは嘉浩と涼子のドキュメンタリーが放送され、それを見た涼子は居ても立っても居られず家を飛び出します。嘉浩も涼子に会いにいこうとしますが、二人は監視員に引き裂かれ、涼子は精神病院へと入れられてしまいます。
パーフェクト・レボリューションの結末
一年が経ちました。嘉浩は涼子に会うためとあるホテルにやってきます。ロビーで待ってるとそこに恵理が現れます。恵理は突然ヘルパーを辞めてしまったことを嘉浩に謝ります。やがて監視員に連れ添われて涼子が現れます。涼子は自分の病が思っていたよりも重いことを打ち明け、革命は失敗に終わってしまったと謝ります。嘉浩はもう一度やり直そうかと言いますが、涼子は断ります。二人は一緒にダンスを踊り、涼子が嘉浩の手にそっと口づけをします。嘉浩は去っていく涼子にありがとうと囁くのでした。
精神病院に戻るため車に乗り込もうとしていた涼子の前に晶子が現れ、監視員を制止して早く逃げなさいと叫びます。帰ろうとしていた恵理と悟も晶子に加勢し、涼子に革命はまだ終わっていないと叫びます。三人に後押しされた涼子は監視員達を振り切り、嘉浩のもとへと走ります。涼子は嘉浩に障害は不可能を可能にするためにあるのだと話します。涼子は嘉浩の車いすを押し、走り出します。二人は完璧な革命を起こすため大空高くジャンプします。
以上、映画「パーフェクト・レボリューション」のあらすじと結末でした。
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