大雪海のカイナ ほしのけんじゃの紹介:2023年日本映画。アニメ製作会社「ポリゴン・ピクチュアズ」の設立40周年記念作品として、同社の設立30周年記念作『シドニアの騎士』を手がけた弐瓶勉を原作者に迎えたメディアミックス作品として製作、2023年に放映したテレビアニメ『大雪海のカイナ』の完結編となる劇場版作品です。文明や文字が衰退し、人類滅亡の危機にある世界を舞台に、主人公の青年と小国の王女が世界の崩壊を食い止めるために戦う姿を描いたポスト・アポカリプスファンタジー超大作です。テレビアニメ版のキャスト・スタッフが続投し、新たな敵役として『鬼滅の刃』の花江夏樹が参戦しています。
監督:安藤裕章 声優:細谷佳正(カイナ)、高橋李依(リリハ)、村瀬歩(ヤオナ)、坂本真綾(アメロテ)、小西克幸(オリノガ)、杉田智和(ンガポージ)、堀内賢雄(ハレソラ)、大原さやか(ムルノタ)、熊谷健太郎(ノゼ)、諸星すみれ(チル)、花江夏樹(ビョウザン)ほか
映画「大雪海のカイナ ほしのけんじゃ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「大雪海のカイナ ほしのけんじゃ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「大雪海のカイナ ほしのけんじゃ」解説
この解説記事には映画「大雪海のカイナ ほしのけんじゃ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
大雪海のカイナ ほしのけんじゃのネタバレあらすじ:起
文明や文字が衰退、地表を大雪海が覆った世界。人々は大雪海から逃れ、各地にそびえ立つ巨樹「軌道樹」の上に「天膜(てんまく)」を作って暮らしていました。ところが、いつしか各地の軌道樹は枯れ始め、人々はわずかな水を巡って戦争を繰り広げていました。
天膜で育った青年カイナは小国・アトランド王国の王女リリハと手を組み、アトランドを侵略しようとしていた国家バルギアとの戦争に突入しました。バルギアは巨大ロボット型の古代兵器「建設者」を投入しましたが、カイナは天膜から雪海へ向かうために使う道具「樹皮削り」を武器として建設者を倒し、戦争を停戦に導きました。
その後、カイナは豊富な水を有するといわれる「大軌道樹」へ向けて旅立つことになり、リリハとその弟ヤオナ、アトランドの親衛隊長オリノガ、バルギアの士官アメロテとその副官ンガポージらと共に出発しました。
大軌道樹へ向かう手がかりはこの世界と軌道樹を創った賢者の残した地図。カイナとリリハは大軌道樹こそが世界の危機を救うと信じていましたが、かねてから不満を抱いていたバルギアの兵士たちは反乱を計画していました。
カイナ一行を乗せた船は、雪海が壁のように反り立つ海域に突き当りました。船は損傷し、バルギアの兵士たちも反乱どころではなくなり、かつての敵だったオリノガが率先してバルギアの兵士を救ったことで両陣営はひとつにまとまって雪海の壁を突破しました。
一行は目的地である大軌道樹の近くまで迫りましたが、何と雪海の中から撃破したはずの建設者が出現、一行の船に襲い掛かってきました。カイナは再び樹皮削りを使って建設者を撃破しようと試みましたが、建設者の攻撃によってカイナとリリハは雪海に落とされ、リリハはカイナの危機を救うために樹皮削りを使いましたが雪海の遥か深い底へ樹皮削りを落としてしまいました。
カイナとリリハは海を漂う船の破片に捕まることで命拾いしましたが、他の一行は建設者を操っていた者たちに捕らえられて連行されてしまいました。
大雪海のカイナ ほしのけんじゃのネタバレあらすじ:承
数日後。カイナとリリハはようやく大軌道樹のもとに流れ着きました。大軌道樹の麓にはプラナトという国があり、巨大な街や巨大な城がありました。この街には何と建設者が大量に配備されていました。雪海の下にある地は「地上」と呼ばれており、そこから大軌道樹が吸い上げた大量の水がありました。
プラナトを支配するのは傲慢な最高指導者のビョウザンでした。ビョウザンは国民を奴隷のように使役される「労働者」、労働者に命令を下す「御官民」というふたつの階級に分けていました。プラナトはかつては世界を創った賢者が最初に建国した国であり、ビョウザンの台頭前は12人の長老が治めていました。
しかし、賢者たちに関する資料を独力で研究したビョウザンは大軌道樹こそが雪海を生み出した人類の脅威であり、人類の存続のためには大軌道樹を切り倒さなければならないとの考えに至っていました。ビョウザンは大量の建設者を投入する計画を立てており、それらを制御するためには大軌道樹の根本の地中深くに眠るとされる「権限者の服」が必要でした。
アメロテはいつの間にかビョウザンに付き従っていました。カイナとリリハはアメロテによって捕まり、カイナは地下にある洞窟“始まりの地”での強制労働の場に連れていかれました。ビョウザンは軌道樹の精霊“ひかり”を見ることができるリリハの能力を権限者の服の入手に使おうと目論みましたが、リリハはビョウザンの非道ぶりに憤って拒絶したため幽閉されることになりました。
アメロテがビョウザンに服従したのはバルギア兵士たちの自由と引き替えであることに加え、ビョウザンの行動が人類を救うものであると信じていたためでした。一方、リリハは一部の御官民の手引きにより追放されたビョウザンの母と対面しました。ビョウザンの母はビョウザンが自分の考えを盲信するあまりにプラナトを治めていた12人の長老たち全員を殺害したことを明かし、たとえ我が子の考えが正しいか間違っているかにも関わらず最後の決断をリリハにしてほしいと任せました。
大雪海のカイナ ほしのけんじゃのネタバレあらすじ:転
カイナや労働者たちが強制労働させられている“始まりの地”は賢者の遺産が数多く眠る場所でした。ここでは権限者の服が眠っていると思われる場所があるのですが、ひとたび近づいたものは“亡霊”に襲われるとの言い伝えがありました。しかし、カイナは亡霊の正体が“ひかり”であることに気づき、堂々と権限者の服のある場所へと足を踏み入れました。
その瞬間、その場所には様々な情報が映し出されました。この時代の人々は「文字」というものを忘れ去っていましたが、かつて賢者の遺した“看板”を集めるのが趣味の看板爺によって文字を教わっていたカイナは次々と情報を解読していきました。
カイナは権限者の服を手に入れました。カイナと同じく強制労働に従事させられていたオリノガたちはこれを機に一斉蜂起し、御官民たちに反乱を仕掛けて地上に脱出しました。しかし、そこにはアメロテが待ち構えており、オリノガたちはアメロテと対峙しました。
ビョウザンはリリハを連れ出し、建設者を起動させてカイナから権限者の服を奪おうとしましたが、カイナは地下で得た情報からビョウザンの考えは間違っていると断じました。雪海を生み出したのは軌道樹であることは間違いないのですが、それは賢者たちが世界を人類の住める環境にするために行った“地球化”のために必要な過程であり、軌道樹に水を供給する機能があったのは“地球化”の過程の途中でも人類を生存可能にするためだったのです。
既に“地球化”は完了しており、軌道樹を取り除けば雪海も消え、人類は地上に住めるのですが、それには正しいプロセスが必要であり、プロセスを無視して強引に大軌道樹を切り倒すと天膜が落下し、殆どの人類は死に絶えるのです。
しかし、ビョウザンはカイナの説得を受け入れず、多くの人間が死ぬことを承知のうえだとしてカイナから権限者の服を奪い、リリハを連れて城の頂上へと向かいました。一方、アメロテはカイナの呼びかけに応じ、オリノガらと共闘して御官民と戦い始めました。アメロテはカイナに武器の銛を託しました。
大雪海のカイナ ほしのけんじゃの結末
権限者の服を手に入れたビョウザンは建設者を起動させ、大軌道樹の切断を開始しました。駆けつけためカイナはアメロテから託された銛で権限者の服を破壊しようとしましたが失敗してしまいました。ビョウザンはなおも建設者を使ってカイナを殺そうとしましたが、カイナは銛に賢者の遺物であるリリハのペンダントを組み合わせ、今度こそ権限者の服を破壊することに成功しました。
ビョウザンは雪海へと落下しましたが、建設者は一向に止まりませんでした。カイナの発言を信じたリリハは二人で正しいプロセスを踏むことにし、その場に現れた“ひかり”を通じて大軌道樹にこの星の地球化が完了したことを伝えました。
大軌道樹は建設者を破壊し、自らを切り倒しました。これにより世界中の軌道樹が崩壊し、数多くの人々は雪海に投げ出されましたが、大軌道樹が出現させた“オオノボリ様”によって救われました。やがて雪海は消失し、大地と海が出現しました。ビョウザンはただその光景を呆然と見つめていました―――。
―――数年後。カイナは農作に励む一方、賢者の遺した資料の解読に勤しんでいました。そしてカイナはオリナガやアメロテたち、地上の人々に祝福されながらリリハと結婚式を挙げました。
以上、映画「大雪海のカイナ ほしのけんじゃ」のあらすじと結末でした。
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