プリンセス トヨトミの紹介:2011年日本映画。会計検査院の松平は大阪で不審な社団法人の調査に当たります。調査を進めるうちに明らかになった大阪国という存在。そして大阪国が守っている王女の存在とは?
監督:鈴木雅之 出演:堤真一(松平元)、綾瀬はるか(鳥居忠子)、岡田将生(旭ゲンズブール)、沢木ルカ(橋場茶子)、森永悠希(真田大輔)、笹野高史(長曽我部)、和久井映見(真田竹子)、中井貴一(真田幸一)、ほか
映画「プリンセス トヨトミ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「プリンセス トヨトミ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
プリンセス トヨトミの予告編 動画
映画「プリンセス トヨトミ」解説
この解説記事には映画「プリンセス トヨトミ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
プリンセス トヨトミのネタバレあらすじ:起
2011年7月、会計検査院調査員の松平元(堤真一)、鳥居忠子(綾瀬はるか)、旭ゲンズブール(岡田将生)の3人は大阪に調査へ向かいます。副長の松平は通称「鬼の松平」と呼ばれ、妥協を許さない徹底した調査で恐れられていました。大食いで天然な鳥居忠子と、優秀な新人・旭ゲーンズブールとともに、大阪に赴き実地調査を進める松平でしたが、調査先の社団法人OJOで不可思議な事が起こります。
OJOでの調査では会計に不審な点はなく調査は終了したものの、向かいのお好み焼き屋で昼食をとっていた松平たちが携帯電話を忘れてOJOに戻ると、たくさんいた職員は一人もおらず電話回線もつながっていない状態でした。ひとつしかない出入口は松平が座っていたお好み焼き屋の席から見える位置にあり、職員が出入りした形跡はありませんでした。松平はそれを不審に思い、その後もOJOへの調査を続行します。
一方、松平が訪れていたお好み焼き屋の息子・真田大輔(森永悠希)は、なぜかセーラー服を着て学校へ登校しており、ヤクザの息子である蜂須賀勝(上村響)から嫌がらせを受けていました。それを見た幼馴染の同級生・橋場茶子(沢木ルカ)は蜂須賀たちに蹴りをお見舞いしますが、それを機に茶子までもが蜂須賀に狙われるようになり、大輔は蜂須賀たちと茶子に手を出さないという約束と引き換えに、蜂須賀の事務所にある代紋を取って来るという無茶難題をふっかけられるのでした。
プリンセス トヨトミのネタバレあらすじ:承
OJOが何かを隠していると疑う松平は調査を進めますが、確証がつかめません。松平はOJOの中に怪しい扉があることを発見し、扉を開けるようにと要求します。かたくなに扉を開けようとしない職員と押し問答のようになる松平でしたが、そこにお好み焼き屋の主人・真田幸一(中井貴一)が現れます。幸一はお好み焼きを焼いているときとは異なった雰囲気で、職員に扉を開けさせると地下通路へとつながる階段を下りて、長い廊下をひたすら歩いていきます。そしてたどり着いた国会議事堂そっくりの建物の中で「私は大阪国総理大臣である」と宣言するのでした。
大阪夏の陣で敗れた豊臣家は滅亡したと思われていましたが、実は豊臣秀頼の子どもである国松(加賀瀬翔)が生き延びており、現在もその末裔が大阪国内で自身の出生を知らないまま暮らしていると言います。OJOとはつまり「王女」のことで、大阪国は豊臣家の末裔である王女を守るために存在していると話すのでした。にわかには信じられない話しでしたが、幸一は松平に、幕末に政府と取り交わしたという条約書を見せます。
これを受けて松平は旭にさらに詳細な調査を依頼し、鳥居には幸一がやっているお好み焼き屋に一日中いるようにと命じるのでした。鳥居がお好み焼きを食べていると、大輔を訪ねて茶子が現れ、鳥居は帰り際に、大輔が蜂須賀たちに代紋を取ってくることを迫られていたという話を茶子にしてしまいます。
プリンセス トヨトミのネタバレあらすじ:転
大輔が学校から帰ると、父の幸一がスーツを着て待っていました。改まった様子で大輔を大阪国へと続く廊下に案内した幸一は、そこで大阪国の存在と、豊臣家の血を引く王女が茶子であることを伝えるのでした。茶子は自分が原因で大輔が蜂須賀と無理な約束をさせられたことを知り、ひとりで蜂須賀の事務所に乗り込もうとします。しかしそこにやって来た鳥居に止められ、タクシーで強引に連れ去ってしまうのでした。
その後、事務所に大輔が乗り込んできます。大輔は事務所内で大暴れし、混乱するヤクザたちをよそに代紋を強奪し、窓から投げ捨てるのでした。下には歩いている蜂須賀がおり、見事に直撃してしまいます。王女が会計検査院によって誘拐されたという知らせを聞いた幸一は、大阪城を赤く光らせ、大阪国に緊急事態が発生したことを国民に知らせます。これを見て女たちは合図であるひょうたんを用意し、男たちは大阪城の方向へと集まっていくのでした。
ホテルの一室にかくまわれた茶子は鳥居に心を開いていき、大輔が女の子になりたがっていることや、そんな大輔を理解し信頼していることを話します。大阪城の異常に気がついた茶子と鳥居は外へ出ますが、まるで人気のなくなってしまった大阪の街に戸惑うのでした。
プリンセス トヨトミの結末
多くの大阪国民に囲まれるなか、大阪国総理大臣である幸一と会計検査院の松平との会合が開かれようとしていました。松平は検査院として大阪国の存在は認められないと主張します。一方の幸一は、これは父から息子へと代々受け継がれていくべきことで、なくすわけにはいかないと譲りません。
自分の死期を悟ったときに、父は子に大阪国のことを伝えるという話しを聞き、自分も大阪の人間であった松平の心は揺らぎます。松平はずっと父と疎遠であり、病院で息を引き取る前に「大事な話しがあるので会いたいと」連絡があったときも、むげに断っていたのでした。そこへ大輔が駆け付け、鳥居や茶子もやって来ます。大輔が「出て行け」と声をあげると、大勢の民衆も同調し、暴動のような雰囲気に変わっていきます。
そんな中で誰かが銃を発砲し、松平は撃たれてしまうのでした。病院のベッドで目を覚ました松平は幸いかすり傷程度で済み、暴動になってしまったことを幸一は松平に謝罪します。改めて話し合いの場を設けたいと話す幸一に、松平は「OJOの検査に問題はなかった」と話し、東京へ帰ることを伝えます。松平は「大阪国については何も見ていないし何も知らない」と話し、負けを認めたのでした。
父から子へ大阪国の存在を伝える際には、親子が一緒に廊下を歩くことが習わしになっていました。松平は東京へと帰る前に大阪国へと続く廊下を一人で歩き、そこに亡き父の姿を見るのでした。
以上、映画「プリンセス・トヨトミ」のあらすじと結末でした。
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