ビヨンド・ザ・スピードの紹介:2017年ベルギー,フランス,オランダ映画。『アデル、ブルーは熱い色』(2013年)でパルム・ドールを受賞したアデル・エグザルコプロスと『リリーのすべて』のマティアス・スーナールツがダブル主演を務めた、ロマンス要素も加わったクライム・サスペンス作品です。女性レーサーが愛した自称・貿易商の男の正体は何とプロの強盗でした。男は彼女と結ばれるために次の仕事を最後に犯罪から足を洗うと誓いますが、その先には予想だにしない驚愕の展開が待ち受けていました…。劇中に登場するポルシェやアウディ、インプレッサなどのカーアクションにも注目です。
監督:ミヒャエル・R・ロスカム 出演:アデル・エグザルコプロス(ベネディクト・“ビビ”・デラニー)、マティアス・スーナールツ(ジノ・“ジジ”・ヴァノワビーク)、エリク・ド・スタエルケ(フレディ・デラニー)、ディミトリー・ルーブリー(マトン)、チャーリー・パストルーズ(コミセール・ド・クール)、ケレム・キャン(ベズネ)、サム・ルーウィック(刑務所長)ほか
映画「ビヨンド・ザ・スピード」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ビヨンド・ザ・スピード」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ビヨンド・ザ・スピードの予告編 動画
映画「ビヨンド・ザ・スピード」解説
この解説記事には映画「ビヨンド・ザ・スピード」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ビヨンドザスピードのネタバレあらすじ:起
少年時代のジジは厄介者であり、警察に追われる身となっていました。犬嫌いのジジは警察犬を放たれ、鉄条網を血だらけになりながらも潜り抜けていずこへと逃げ出していきました…。
…時は流れて現在のブリュッセル。大人になったジジ(マティアス・スーナールツ)は仲間たちと共にカーレースの観戦に訪れ、颯爽とポルシェを乗りこなす女性プロレーサーのビビ(アデル・エグザルコプロス)を見初めて口説きました。
ジジはビビの父フレディ(エリク・ド・スタエルケ)との挨拶の際に自分は車の貿易の仕事をしていると語り、ビビに今恋人がいないことを確認したジジは自分が出張から帰った2週間後の約束で彼女をデートに誘いました。ビビは誘いを受け入れながらも「花は要らない」と伝えました。
2週間後、ジジはビビが待ち合わせている場所に向かい、「花はない」と答えました。二人は早速セックスに明け暮れ、ジジはビビを仲間たちとのパーティーに誘い、ビビは仲間たちとの親睦を深めました。その夜、酒に酔ったジジはビビに自分の正体がプロの強盗であることを打ち明けましたが、その時ビビは冗談だろうと信じてはいませんでした。
ある夜、ビビを銀行家のパーティーに誘ったジジは彼女のいないところで密かに仲間たちと次の強盗計画の打ち合わせをしました。翌朝、ビビはジジからどこか行きたい場所はないかと聞かれ、ブエノスアイレスに行きたいと答えました。ジジはビビにポーランドに出張すると嘘をつき、仲間たちと共に覆面姿で昨日パーティーを主催した銀行家の銀行を襲撃、まんまと大金を奪って逃走しました。
ビヨンドザスピードのネタバレあらすじ:承
ある日、フレディはビビを伴って取引相手との会食に出席、取引相手の御曹司に気に入られますがビビの心は完全にジジに向いており、早まるなというフレディの忠告にも耳を傾けませんでした。
しかし、ビビはパーティーで知り合ったサンドラ(ナタリー・ヴァン・トンゲレン)という女性から先日のパーティーに参加していた銀行家が強盗に遭ったと聞き、愛車ポルシェにジジを乗せてドライブ中に彼が何か事情を知っていると思って問い詰めようとし、思わず猛スピードを出して警察に捕まって違反切符を切られてしまいます。しかしこの際、警官に問われたビビは咄嗟に助手席のジジを婚約者だと言ったことから、ビビとジジは結婚を意識し合うようになっていきました。
ジジとビビはサーキットの控室でセックスをし、ビビはこのレースで3位入賞を果たしました。しかし、ジジの仲間たちはピットにまで現れ、ジジに次の仕事話を持ち掛けてきました。仲間に考える時間がほしいと申し出たジジはフレディにビビと結婚したいとの気持ちを明かしましたが、ジジの正体に気付いていたフレディは結婚の条件として犯罪から足を洗って誠実な人間になることを突き付けてきました。
ビビは先日ジジが言っていたことは本当だったのかと動揺しますが、ジジは仲間を見捨てることはできないとしながらも次の仕事を最後に犯罪から足を洗い、そしてビビと家庭を持つことを約束しました。ジジと仲間たちは現金輸送車を襲う計画に乗り出しましたが、土壇場で決行日が早まってしまい、決行当日の別れ際にジジはビビに“お楽しみ”としてある鍵を渡して仕事に向かいました。
ビヨンドザスピードのネタバレあらすじ:転
ジジと仲間たちは武装して現金輸送車を襲い、まんまと大金を奪うことに成功しました。現場から逃走してアジトに引き上げたジジたちでしたが、大金が入っているはずのケースには爆弾が仕掛けられており、仲間の一人が重傷を負ってしまいます。
事件のことをテレビニュースで知ったビビは手紙でジジの家の住所を知ります。その夜、ジジは酷い男に遭ったというサンドラを自宅に匿い、ジジの家を訪ねてみますがそこに彼の姿はなく、ただ車の模型が置かれているだけでした。その頃、ジジは医者を呼びに外に出ていました。
サンドラの正体はかねてからジジたちを追っていた警察の潜入捜査官ジェラルディーヌでした。ジジはビビとの電話から居場所を特定されてしまい、警察に逮捕されてしまいました。
ビビはレースに出場してもどうしてもジジのことを忘れることはできず、集中できずにクラッシュしてしまいます。心配するフレディにビビはジジに会いたいと伝え、フレディも彼女の熱意に止めることはできませんでした。
ジジは裁判で、捜査に協力したことにより懲役15年・執行猶予5年の判決を受けました。ビビは取引先の御曹司に弱みを握られ、フレディの会社との取引の主導権を握られてしまいます。フレディはやむなく従うことにしましたが、ビビの兄ナルド(トーマス・クーマンズ)は反発しました。しかし、最終的にフレディもナルドもビビの恋を応援することにしました。
ビビはポルシェを走らせてジジとの面会に向かい、彼と激しく肉体を重ね合いました。ビビはジジの子供を産むことで互いに刑期の間の生きる支えにしようと考えていました。やがてビビはレーサーを引退、特別に外出許可を得たジジと人工授精に臨みました。
ところが、街中で子供服を選んでいたジジは帰り道に犬に噛まれたことから飼い主とドラブルになり、警察沙汰に発展してしまいます。ビビはこれで仮釈放が絶望的になったと嘆きながらも、ジジに警察に投降するよう勧め、いつまでも待っていると伝えました。
ビヨンドザスピードの結末
ジジの子を身籠ったビビでしたが流産してしまい、更には卵巣に悪性の腫瘍が見つかり余命宣告を受けてしまいました。知らせを受けて衝撃を受けたジジは、刑務所長(サム・ルーウィック)から脱獄を考えず真面目に刑期を全うするよう諭されました。
抗ガン剤治療で髪の毛の抜け落ちたビビはウィッグを被り、ジジの取引相手だったアルバニア人の犯罪組織のボスにジジを脱獄させてくれるよう頼みますが断られてしまいます。しかし、犯罪組織を雇っていたのはフレディの取引相手の御曹司であり、既に死期を悟っていたビビは自分が死んだらジジに死を知らせずに脱獄させてほしいと懇願しました。
御曹司はビビの愛車ポルシェを担保にすることを条件に引き受けました。その直後にビビは容体が急変、ジジは武装警官の厳重な護衛のもと彼女の見舞いに訪れました。しかし、既にビビは昏睡状態に陥っており、ジジの問いかけにも応えることはありませんでした。
刑務所に戻ったジジは、ナルドからの電話でビビの死を知りました。哀しみに暮れるジジの前に犯罪組織と通じている囚人が現れ、ジジをアルゼンチンに逃がす計画を告げてきました。囚人はジジを殴って怪我を負わせ、別の刑務所への移送中に犯罪組織の者たちが護送車を襲ってジジを脱獄させました。
犯罪組織は翌日のブエノスアイレス行きの航空券を手配していましたが、完全に希望を失っていたジジはブエノスアイレス行きを拒絶しました。契約を完了しないと金を受け取れない犯罪組織はジジを無理矢理にでもブエノスアイレスに行かせようと、彼を犬が沢山飼育されている部屋に監禁しました。
ジジは過去のトラウマに苦しみながらも犬が繋がれている鎖に目をつけ、見回りに来た組織の者の首を鎖で絞め、奪った拳銃で射殺して部屋から抜け出しました。ジジは組織の担保にされていたビビのポルシェを奪って逃走、ビビは生前「私は不死身よ」と言っていたことを思い出しながらひたすら車を走らせ、ビビが眠る墓地へと入っていきました。
以上、映画「ビヨンド・ザ・スピード」のあらすじと結末でした。
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