レイン・オブ・アサシンの紹介:2010年中国,香港,台湾映画。時は明王朝時代の中国。武の達人、達磨大師のミイラを手に入れた者は、強大な力と武術の世界における覇権を手に入れることができるといわれていた。これを手に入れる為、暗殺組織『黒石』は暗躍し、腰より二つに割れたミイラの片方の行方を突き止め刺客を放つ。その内の一人である黒石の女暗殺者、シーユーは過去と決別するべく、組織に背いてそのミイラの片割れと共に行方をくらます。名前と顔を変え、普通に暮らし、心優しき青年、アシャンと結ばれるシーユー。しかし、そんなシーユーに黒石の刺客たちが迫っていた。
監督 :スー・チャオピン、ジョン・ウー 出演: ミシェル・ヨー/曽静(ザン・ジン)、チョン・ウソン/阿生(アシャン)、ワン・シュエチー/転輪王(ホイールキング)、バービー・スー/綻青(ジャンチン)、ショーン・ユー/雷彬(レイ・ビン)ほか
映画「レイン・オブ・アサシン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「レイン・オブ・アサシン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「レイン・オブ・アサシン」解説
この解説記事には映画「レイン・オブ・アサシン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
レイン・オブ・アサシンのネタバレあらすじ1
明王朝時代の中国。800年前、インドから中国へと渡った武の達人、達磨大師。達磨大師のミイラは没後数年で墓より盗まれ、腰より二つに引き裂かれて行方不明となっていた。そして、このミイラを手にした者は武術の究極奥義を得て武術界の覇者となるという伝説も広まっていた。このミイラをめぐる争いに、暗殺組織『黒石(くろいし)』も参戦する。黒石首領『転輪王(てんりんおう)』はミイラの上半身が張宰相のもとにあることを知り、これを奪取すべく三人の刺客を放つ。大小無数の針を操り点穴を狙う暗殺者『レイ・ビン』。仙術と双刀を操る暗殺者『彩戯師(さいぎし)』、そして素早く撓る柔剣『辟水剣(へきすいけん)』を操る暗殺者『シーユー』。シーユーの剣の名であり、またこれを操る為の武術の名でもある辟水剣に切られた者は剣の雨に降られたような傷を負う。異常とも言える撓りを持つこの剣は、扱うことが非常に難しく、しかしうまく御すことができれば通常の剣筋を大きく超えて相手の不意を突き点穴を狙うことができる。通常の剣術からは大きく逸れる邪道であるが、それゆえに暗殺という行為に相応しい剣でもあった。宰相とその息子『レンフォン』は殺された。しかし肝心の達磨のミイラと共にシーユーは突如、姿を消すのだった。シーユーの行方を追って達磨のミイラを手に入れる為、転輪王は多数の刺客を放つ。しかし、そのことごとくは辟水剣の返り討ちとなった。
レイン・オブ・アサシンのネタバレあらすじ2
そしてシーユーはある医師の元を訪れる。それは毒虫を利用して薬で頬骨を食べさせ骨格を変え、顔を変える施術を行う医師であった。医師の前に金塊を積み、シーユーは医師に施術を頼む。医師は自分が施術を行う条件が金の他にもあるという。それはなぜ施術してほしいのか、そのいきさつを話すことだった。シーユーはそのいきさつをおもむろに話し出す。宰相と息子レイフォンを殺し、邸宅よりでて橋に差し掛かったとき、そこには殺したはずのレイフォンが立ちふさがっていた。シーユーはなぜ死んでいないのか不可解に思いながらも、レイフォンの心臓を突く。レイフォンは橋より落ちる。すると後ろから、遅かったかと声がする。シーユーが振り向くとそこには僧が一人いた。僧は言う。しかし生が楽で死が苦ではない、と。それがシーユーと僧『ルージュー』との出会いであった。
レイン・オブ・アサシンのネタバレあらすじ3
ルージューとシーユーは共に過ごし、また手合わせする。ルージューは武の達人であった。ルージューは言う。また四手足りない、と。シーユーの辟水剣は転輪王に授けられたものであった。転輪王は自身の脅威とならぬようにわざと四手を抜いた不完全な辟水剣を授けられていたためだった。ルージューは戦いの中でその抜けた四手ではなく、代わりに辟水剣を凌駕する四手をシーユーに授ける。そしてその後、わざと殺される。剣を置き、この道を去るならば、辟水剣の最後の犠牲者に喜んでなろうとルージューは言う。そして、達磨のミイラを隠すように言い残して事切れるのだった。シーユーはその罪悪感を抱えつつ、再度医師に頼む。自分を普通の顔にしてほしいと。この顔はもう見たくないと。そうして顔を変えて、シーユーは名をザン・ジンと変えて都に移り住み、布売りの屋台を営みながら平穏な生活を送っていた。そんな生活の中、雨が降るたびに屋台の片付けを手伝いに来る青年があった。貧しくも優しい配達人の青年、名前を『アシャン』といった。アシャンと結ばれ、幸せとなることにザン・ジンは思い悩むが結婚を決意する。そうしてはれて二人は夫婦となった。しかし幸せな生活の中、二人は偶然銀行で強盗現場に居合わせてしまう。そこで、ザン・ジンは武術で強盗たちを圧倒する。しかしその後、その現場を訪れ、状況をみた転輪王にその存在を気付かれてしまう。
レイン・オブ・アサシンのネタバレあらすじ4
ザン・ジンは家を襲撃され、夫の命と普通の生活を引き換えに持ち去った遺体の返還と残りの収集を手伝う約束をする事となる。シーユーの代わりに転輪王から剣技を伝授されたジャンチン、レイ・ビン、彩戯師、そしてザンジンことシーユーの働きで遺体は揃うが、それぞれの思惑で内紛となりシーユーも深手を負う。かろうじて夫のもとに帰り着くがそこで気を失ってしまう。アシャンは起きると、倒れた妻を寝台に横たえ、何を思ったか、床のレンガをはずして穴を掘り始める。そこへ、レイ・ビンとジャンチンが刺客たちを引き連れ後をザン・ジン追って来る。アシャンは物怖じすることも戸惑うこともなく、レイ・ビンと話しながら穴を掘って、地面から埋められていた剣筒の蓋を取る。中には大小二つの剛剣からなる双剣が収められていた。そのうち、さび付いた長剣の方を取り出し、おもむろに研ぎ始める。レイ・ビンはその姿に脅威にも似たものを感じ、タイミングを計って針を飛ばす。しかし針はアシャンの点穴に届くことなく剣ではじかれる。そして刺客たちを交えての乱戦となる。剣筒から残りの短剣も取り出す。レイ・ビンはその双剣に見覚えがあった。―――この『参差剣(しんしけん)』に見覚えは?アシャンはそうレイ・ビンに問う。
レイン・オブ・アサシンの結末
それは、張宰相の息子で殺したはずの男、レイフォンの剣であった。アシャンは刺客たちを圧倒していく。ジャンチンは逃すも、レイ・ビンに致命的な傷を負わせ、刺客たちをアシャンは一掃する。アシャンはレイフォンであった。あの日、生き延びて、シーユーと同じように顔を変え、黒石に復讐するべく、ザン・ジンに近づいたのだった。アシャンはザン・ジンを殺す気で、ザン・ジンもまたそれは仕方のないことだと思う。しかし、アシャンでは転輪王に敵わないと判断して、アシャンを薬で仮死状態にする。そして、通常は心臓がある位置に、参差剣の短剣のほうを突き立てる。レイフォンがなぜ生きていたか。それは、通常の人間と臓器の位置がすべて逆なためだった。よって心臓も点穴も常人とは逆の位置にあり、それゆえに致命傷にはならなかったのだった。そうして死んでいるように見せかけて、シーユーと転輪王の戦いが始まる。しかし、四手欠けた不完全な辟水剣を転輪王は圧倒する。そして、辟水剣を奪い、完全な辟水剣で彼女を殺そうとする。死が迫る中で、ザン・ジンは夫に突き立てた参差剣を抜く。そして、ある四手を再現する。それはルージューにさずけられた辟水剣を凌駕する四手であった。その四手で転輪王は十一箇所を切られて絶命する。しかしザン・ジンも倒れふす。一日後、アシャンは動けるようになり、倒れているザン・ジンの元に駆け寄る。虫の息ではあったが、ザン・ジンはまだ生きていた。アシャンはザンジンを抱き、自分達の家へと帰るのだった。
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