リチャード・ジュエルの紹介:2019年アメリカ映画。クリント・イーストウッドの40本目の監督作は、いわれのない中傷にさらされた男の実話に基づく。1996年、オリンピックに沸くアトランタで爆破事件が起きる。母親と二人暮らしの生真面目な警備員が迅速に不審物の通報をしたためにヒーローとなるが、FBIによって一転して第一容疑者にされてしまう。ジュエル氏は2007年に44歳の若さで亡くなっているが母親とブライアント弁護士が映画に協力している。
監督:クリント・イーストウッド 出演者:ポール・ウォルター・ハウザー(リチャード・ジュエル)、サム・ロックウェル(ワトソン・ブライアント)、キャシー・ベイツ(ボビ・ジュエル)、ジョン・ハム(トム・ショウ)、オリヴィア・ワイルド(キャシー・スクラッグス)、ニナ・アリアンダ(ナディア・ライト)、イアン・ゴメス(ダン・ベネット)そのほか
映画「リチャード・ジュエル」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「リチャード・ジュエル」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
リチャード・ジュエルの予告編 動画
映画「リチャード・ジュエル」解説
この解説記事には映画「リチャード・ジュエル」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
リチャード・ジュエルのネタバレあらすじ:リチャード・ジュエルとの出会い
1986年、中小企業局アトランタ事務所に勤めるワトソン・ブライアントは、新入りの太った備品係リチャード・ジュエルに「レーダー」とあだ名をつける。ワトソンの好物であるスニッカーズなど、足りないものをすぐに察知して補充するからだ。リチャード・ジュエルは生真面目で強い正義感の持ち主、そして警官等の法執行官にあこがれ、射撃の特技もあった。
やがて警備員になると言ってワトソンのもとへ退職の挨拶に来たリチャードに、将来警官になってもゲス野郎になるなと言って激励する。
1996年、リチャードは相変わらず母親のボビの家に住んでいる。かつて郡副保安官を務めていたリチャードだったが、今はピードモント大学の警備員である。しかし、学内での飲酒取り締まりでのやりすぎを大学長から咎められてクビになってしまう。
幸いこの夏はアトランタ・オリンピックがある。リチャードはオリンピック期間中連日コンサートの行われる記念公園の警備員となった。
リチャード・ジュエルのネタバレあらすじ:事件発生
1996年7月27日午前0時55分、コンサートで盛り上がるオリンピック会場近くの記念公園のベンチの下に、リチャードはあやしいバックパックを発見する。警官たちはただの忘れ物だと思うが、リチャードは規則通り不審物を処理するように主張する。
そのころ、警察には「記念公園に爆弾を置いた。あと30分で爆発する」と言う予告電話がかかっていた。
爆発物処理班が到着し、バックパックに巨大なプラスチック爆弾が入っていることを確認する。リチャードたちは直ちにコンサート会場の人々の避難を開始。
午前1時25分。爆発が起きて何十人もの人が血を流し倒れる。無数の釘が仕込まれたパイプ爆弾によって100人以上の負傷者と、2名の尊い命が奪われてしまった。
公園に居合わせていた地元の新聞記者キャシー・スクラッグスは、自分がこの事件の特ダネをとることを祈る。
リチャード・ジュエルのネタバレあらすじ:ヒーローか真犯人か
翌朝、爆弾の第一発見者のリチャードは、惨事を最小限にとどめた英雄としてテレビに取材され、ボビも息子を誇りに思う。
ニューヨークの出版社から本を出そうという話をもちかけられたリチャードは、かつて中小企業局で激励を受け、今はナディアという助手に助けられて弁護士の個人事務所を構えているワトソンに電話し、出版契約を助けてくれるように依頼する。
テレビでは爆破事件のニュースで持ち切りでした。ちょうどその頃、前職ピードモント大学の学長クリアーがFBIに通報し、かつて同校で警備員をしていたリチャードが怪しいと報告。早速FBIのトム・ショウ捜査官は爆破事件の容疑者としてリチャードの前歴を調べ始めます。
英雄にあこがれる孤独な白人男。FBIの描く犯人像に一致するリチャードが容疑者にされます。そして欲に目がくらんだショウ捜査官は、女性記者キャシーに容疑者情報を漏らします。
リチャード・ジュエルのネタバレあらすじ:リチャードの弁護士
リチャードが容疑者だというニュースがキャシーの勤める新聞アトランタ・ジャーナルの一面を飾ります。「FBIがヒーローを疑う」と見出しを掲げ、第一容疑者としてリチャード・ジュエルを実名で報道。爆弾犯リチャード・ジュエルの名前はCNN等のメディアを通じ、全米に報じられることとなりました。
マスコミが殺到する家から、ショウ捜査官とベネット捜査官が教育ビデオ作製という名目でリチャードをFBIアトランタ支局に連れていくが、内容はまるで尋問。だまされているのに気づいたリチャードはワトソンに助けを求める電話をします。
FBIアトランタ支局で10年ぶりにリチャードと再会したワトソンがリチャードを引き取ります。ワトソンはボビの家でリチャードの弁護を正式に引き受けます。家を出たワトソンの自動車には女性記者キャシーが忍び込んでいたが、追い出されます。
リチャード・ジュエルのネタバレあらすじ:追い詰められる母と息子
7月31日、FBIは朝9時からボビの家での家宅捜索を開始。夜までかけて、ボビのタッパーや下着、掃除機まで持っていかれる。しかしワトソンは、リチャード自身を脅かす権力に怒りを露わにせず、FBIに協力的なのがはがゆい。法執行官にあこがれるリチャードはまだFBIに敬意や、仲間意識をもっているのだ。
それからというもの、ボビの家には連日多くのメディアが押し寄せ、報道合戦は過熱していきます。マスコミはリチャードを犯人と決めつけ、家を囲み続けます。そこへ、ナディアが訪れ、事務所にもボビの家にも盗聴器が仕掛けられていることを告げます。
その後もリチャードをはじめとし、母ボビとワトソンは汚名をはらすために奔走します。ある日、リチャードの友人が共犯者と疑われ、さらには同性愛関係にあるとの見方をされます。ボビの涙を見たリチャードはワトソンと共に反撃の決意を固めます。
リチャード・ジュエルの結末:反撃
リチャードは自ら嘘発見器によるポリグラフテストを受けます。その結果、リチャードの証言に嘘の反応はでなかった。さらにワトソンと共にアトランタ・ジャーナルの編集部でキャシーに抗議します。
そしてボビは与党民主党全国大会の日に合わせて会見を開き、ビル・クリントン大統領に息子の無実を涙ながらに訴えました。
一方キャシーは、リチャードが予告電話を掛けたとされる公衆電話まで自分で歩いてみて、警備をしていた記念公園から行く時間はなかったことを確認する。彼女もFBIの捜査が思い込みに基づくものであることに気付いた瞬間でした。
リチャードとワトソンはネクタイを締めてFBIに赴き、彼らの尋問を受けます。最後にリチャードはショウ捜査官に逆に問い詰めます。「自分が犯人である証拠はあるのか」と。ショウ捜査官は答えることができなかった。さらに、「もしこのような冤罪が起こるなら、今後警備員は爆弾を見つけても通報せずその場から逃げるだろう、リチャード・ジュエルの二の舞は避けたいと思うだろうから。」と述べます。
捜査開始から88日、レストランで会話するリチャードとワトソン。そこへ、リチャードが捜査対象からはずれたことを告げる書面が、ショウ捜査官から届けられた。なおもショウ捜査官はワトソンに「あんたの依頼人はクロだ」と負け惜しみを言うが、リチャード・ジュエルの勝利だった。「自分たちは勝ったんだ!」2人は共に喜び合いました。
6年後、警察官となったリチャードにワトソンが会いに行く。別の男がアトランタの爆破事件の犯行を自白したことを教えに。こうして長い闘いは終わりました。
2007年、リチャード・ジュエルは心疾患により44歳の若さで死去しました。ワトソンは助手だったナディアと2人の子供をもうけ、毎週末はリチャード・ジュエルの母ボビが面倒を見ているという。
以上、映画「リチャード・ジュエル」のあらすじと結末でした。
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