映画「リカ 自称28歳の純愛モンスター」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
リカ ～自称28歳の純愛モンスター～の紹介：2021年日本映画。第2回ホラーサスペンス大賞を受賞した五十嵐貴久のサイコスリラー小説『リカ』シリーズ。本作は2019年に放映されたテレビドラマの最終回のその後を小説シリーズの『リターン』をベースに映画化した作品です。主人公のストーカー女・リカはドラマで演じた高岡早紀が続投、新たな運命の相手（ターゲット）として市原隼人が出演しています。
監督：松木創 出演：高岡早紀（雨宮リカ）、市原隼人（奥山次郎）、内田理央（青木孝子）、水橋研二（小泉祐介）、岡田龍太郎（米崎健太）、坂辺一海（清水和彦）、山本直寛（千葉文也）、尾美としのり（長谷川浩二）、マギー（戸田弘之）、佐々木希（梅本尚美）ほか
この解説記事には映画「リカ 自称28歳の純愛モンスター」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
テレビドラマ最終回で逮捕されたはずの狂気のストーカー、雨宮リカ（高岡早紀）は収容されていた警察病院の看護士を殺害して逃走しました。リカは自分が執拗に付きまとっていた映画プロデューサーの本間隆雄（大谷亮平）の家を訪れ、不敵な笑みを浮かべました―――。
―――3年後。警視庁捜査一課の刑事・奥山次郎（市原隼人）は精神病院に入院している同僚の米崎健太（岡田龍太郎）の見舞いに訪れました。奥山と共にリカを追っていた米崎は、本間の部屋から本間の切断された手足、目、鼻、耳、舌などの部位を見つけてしまい、発狂して精神的に壊れてしまったのです。奥山は米崎を現場に向かわせたことを悔いており、リカの逮捕に強い執念を抱いていました。
奥山は交際して5年になる同僚の女性刑事・青木孝子（内田理央）と婚約していました。そんな時、奥山は上司の戸田弘之主任（マギー）から、とある山中に遺体を入れたスーツケースが発見されたとの連絡を受けました。
スーツケースの中の遺体の身元は本間であることが判明しました。本間の死亡推定時刻は昨日、死因は食べ物を喉に詰まらせたことによる窒息死でした。警察はリカが元看護師時代の知識を悪用して本間の体の部位を切断、胴体だけにして生き永らえさせていたのだと推測しました。
警察は捜査本部を設け、リカの捜査を開始しました。自称28歳と騙るリカは戸籍も本来の年齢も不明ですが、左手首の内側には薄黒い痣があり、リカが興奮するとこの痣が赤く光り出すという特徴がありました。
奥山はリカの捜査資料を調べていくうちに、リカは“愛した男は殺さない”という点に気付きました。非常に歪んでいるとはいえリカが愛を求めており、次のターゲットを探しているのではないかと考えた奥山は、リカが本間と知り合うきっかけとなった出会い系サイトを通じてリカを誘き寄せる作戦を思いつきました。
戸田は危険だと奥山の作戦に反対しましたが、奥山は警察には内緒で独自に動くことにしました。リカが本間と出会ったサイトは既に閉鎖されており、奥山は根気強く100以上の出会い系サイトを片っ端から調べていきました。
そしてそのうちのひとつに「リカ 28歳 看護師」とのプロフィールを見つけ、奥山は「奥山ケイジ」の偽名を使ってメッセージを送りました。奥山からのメッセージを受け取ったリカの手首の痣が赤く光り出しました。
リカ事件の捜査本部は何の手掛かりも見つけられず、捜査は行き詰っていました。時を同じくして別の事件が発生したため捜査本部は縮小され、奥山と同じ捜査班だった青木は別の事件の捜査に回されることになりました。
一方、奥山は極秘裏でリカとメッセージのやりとりを続けており、いつの間にかすっかりのめり込んでいました。これまでリカの虜になったターゲットの男たちはいずれも彼女に花を贈っていたことから、奥山は“新しい恋”の花言葉を持つハイビスカスの花の写真を送りました。その際、奥山はリカのメールアドレスを入手することに成功しました。
ハイビスカスに喜んだリカは奥山の写真を要求してきました。奥山は「恥ずかしいから」と写真は送らず、電話を通じて自分の風貌を伝えると、リカは話を基に3Dプリンターで勝手に奥山の人形を作りました。
それからというもの、リカは奥山の人形にすっかり夢中になり、奥山はリカから連絡が途絶えたことに焦りを感じました。
奥山はリカの過去を調べるうちに、彼女が幼少期に母親から虐待を受けていたこと、両親の愛に飢えていたことを知りました。奥山も子供の頃に両親が離婚、母子家庭で育った身でした。加えて婚約者の青木は家事全般も料理も大の苦手であり、なおさら奥山はまともな家庭を望んでいました。
リカと自分の共通点を見出した奥山はますますリカにのめり込んでいき、青木や戸田からの連絡にも応じなくなっていきました。
人形遊びにすっかり満足したリカは再び奥山に連絡を取りました。奥山は“真実の愛”という花言葉を持つマーガレットの花を贈りたいと伝え、粘り強い交渉の末にリカを自宅に招き入れることに成功しました。
奥山と初対面したリカはマーガレットの花に大喜びし、28歳までに結婚するのが夢だったと語りました。奥山は隙を狙ってリカの手首に手錠をかけ、自らの正体を明かしてリカを逮捕しようとしました。
ところが、リカは隠し持っていた麻酔の注射器を奥山に打ち、意識朦朧とした奥山から手錠の鍵を奪いました。そしてリカは持参してきたスーツケースの中から何かを取り出そうとしました。
奥山と連絡が取れなくなったことに不信感を抱いた青木は、同僚で親友の刑事・梅本尚美（佐々木希）と共に奥山の自宅を訪れました。奥山のスマホを見つけた青木は、奥山が独自にリカを追っていたことを知りました。そして青木と梅本は風呂場で既に死亡していた奥山の遺体を発見しました。
青木は以前に奥山がリカを分析していたことを思い出し、ある推理を立てました。愛した男を殺さないリカは本間と同様に奥山の手足などを切断しようとしたところ、意識を取り戻した奥山が抵抗したため誤って手にかけてしまったのではないか、ならばリカはまだ気が動転しているはずだ、と。
青木は奥山になりすまし、奥山のスマホからリカにメールを送りました。リカは青木の狙い通りに奥山がまだ生きていると思い込み、青木は指定した倉庫にリカを呼び出すことに成功しました。
青木ら捜査班は倉庫に現れたリカを包囲しましたが、リカは人智を超えた脅威の身体能力で捜査班を攪乱していきました。そしてリカは青木が一人になったところに近づき、わざと青木の作戦に引っかかってやったのだと語りました。
青木は奥山をどこに隠したのかと迫るリカに発砲しましたが、リカは巧みに銃弾をかわすと青木に麻酔を打ち込みました。その際、青木は奥山のスマホを落としました。
気が付くと青木はリカの部屋で椅子に拘束されていました。机にはリカが作った青木の人形がリカの人形と並べられており、リカは自分が青木と結婚するのだとのたまいました。青木はそれは全てリカの妄想であり、リカは純愛に依存しているだけだと糾弾しましたが、リカは人は誰でも依存するものだと持論を述べると「死ねばいい」とメスを孝子の左目に突き刺しました。
その時、梅本がリカの部屋に突入し、奥山のスマホの音声を再生しました。リカが一瞬油断した隙を逃さず、梅本はリカの腹部に銃弾を撃ち込みました。
左目を失明した青木は奥山の人形と一緒に暮らし始め、「私がずっと一緒にいてあげる」と語りかけました。梅本はリカの暴走を食い止められなかったことを後悔していました。
植物状態となったリカはそのまま警察病院に収容されました。ところが、リカの左手首の痣が赤く光り出し、リカの目が突如開きました。
以上、映画「リカ ～自称28歳の純愛モンスター～」のあらすじと結末でした。
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