ロバマンの紹介:2019年日本映画。ラジオ界の大物パーソナリティー・吉田照美とおバカ映画の巨匠・河崎実がタッグを組んで製作された特撮コメディ映画です。“ロバ”とのニックネームを持つ吉田照美の68(ロバ)歳記念作である上映時間68分作品であり、出演者は過去にラジオで共演したキャストで固められています。
監督:河崎実 出演者:吉田照美(吉村公三/ロバマン)、笑福亭鶴光(オールナイト星人)、小池美波(吉村の孫)、唐橋ユミ(ミユ)、熊谷真実(吉村の妻)、中村愛、なべやかん、タブレット純、HEY!たくちゃん、福本ヒデ、山本天心、川島ノリコ、水谷加奈、國本鐘建(アロン)、みうらじゅん、月光仮面、伊東四朗(タフマン)、秀島史香(ナレーション)ほか
映画「ロバマン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ロバマン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ロバマンの予告編 動画
映画「ロバマン」解説
この解説記事には映画「ロバマン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ロバマンのネタバレあらすじ:起
定年を過ぎ、何もやることのない日々を過ごしていた吉村公三(吉田照美)は妻(熊谷真実)からはロバ呼ばわりされ、孫(小池美波)からは小遣いをせびられるような男です。
そんな吉村の愉しみといえば、街で見かけた道を塞ぐ若者やタバコの吸い殻をポイ捨てする男、行列に勝手に割り込んできた輩などのことをラジオに投稿することでした。気弱でうだつの上がらない吉村はラジオネーム「ロバマン」として投稿が読み上げられる時、自分がまるでヒーローになったかのような気分になっていました。
そんなある日、吉村は先日行列に割り込まれたがゆえに食べられなかったラーメンを食べに行こうと外へ出ました。その時、上空にどこからともなく謎の飛行物体が飛来してきました。どうやら吉村以外の人には見えないようです。吉村は飛行物体の中へ吸い込まれていきました。
飛行物体の中には顔がロバそっくりのロバート星人がいました。このロバート星人は顔の長い吉村を自分と同じ種族だと勘違いしてしまい、一緒に故郷へ帰ろうと呼びかけてきました。吉村は自分には家族がいると断ると、ロバート星人は吉村に腕輪型の蘇生装置を授けました。
ロバマンのネタバレあらすじ:承
ひとまず元の場所に戻された吉村はまだロバート星人に対して半信半疑でした。気を取り直そうと再びラーメン屋の行列に並んだ吉村でしたが、またしても列に割り込む輩がいました。
その時、ロバート星人からもらった腕輪が反応し、吉村の全身に何やら力がみなぎってきました。そして吉村はヒーロースーツに身を包んだ“ロバマン”に変身し、割り込んできた輩をあっという間に叩きのめしてしまいました。
それからというもの、ロバマンはロバの耳の形をしたアンテナでこの世に蔓延る悪の波動をキャッチし、現場に高速移動で駆け付けるとタバコをポイ捨てする輩、パワハラ上司、セクハラ上司、アポ電詐欺師、結婚詐欺し、やかましいクレーマー客、堕落した政治家などに対して次々と鉄拳制裁をくらわしていきました。
ロバマンの行動はたちまち世間の話題となり、当初は応援する声が多かったのですが、次第にロバマンの行う正義は行き過ぎではないかという意見も溢れていくようになっていきました。それでも吉村は自分の正体がバレていないことをいいことに最初のうちは悪を成敗したという充実感と正義感で満ち足りていました。
ロバマンのネタバレあらすじ:転
やがてロバマンの活動が賛否両論となっていき、さすがの吉村も自身の正義感について思い悩むようになっていきました。そんな時、伝説のヒーロー・月光仮面がロバマンの前に現れ、悪を憎まず殺さず許すと語りつつも自分が正しいと信じる正義を貫くよう語りかけまました。
月光仮面の言葉に改めて勇気づけられたロバマンはいじめられっ子を励まして立ち向かう勇気を与えるなど独自のヒーロー活動を続けていき、やがてロバマンが拠点とする街は彼の功績を讃えて「ロバマン商店街」と改名するほどになっていきました。
そんな時、地球に悪の宇宙人・オールナイト星人(笑福亭鶴光)がやってきました。オールナイト星人は地球人同士を対立させて戦争を引き起こし、そこから発せられるネガティブなエネルギーを吸収することを目論んでいました。
やがてオールナイト星人は自分の活動に邪魔なロバマンの存在を知り、SNSの情報などからロバマン=吉村の住所を探り当てました。オールナイト星人は手下のアロン(國本鐘建)を吉村の自宅へと差し向け、吉村はロバマンに変身して対抗しました。その際、吉村は自分がロバマンであることを妻と孫に知られてしまいました。
ロバマンの結末
何とかアロンを倒したロバマンは、アロンの背後にはオールナイト星人が暗躍していたこと、そして自分はただ目先の小さなな悪しか追っていなかったことに気付きました。
ロバマンは決着をつけるべく、オールナイト星人のアジトである地底基地に乗り込みました。オールナイト星人は自分こそが地球の指導者を意のままに操り、人類に悪を蔓延させた黒幕であることを明かしました。
ロバマンはオールナイト成人の圧倒的な強さの前に苦戦を強いられ、ピンチに陥りましたが、そこに伝説のヒーロー・タフマン(伊東四朗)が助っ人として駆け付け、ロバマンはタフマンと力を合わせてオールナイト星人を地球から追い払うことに成功しました。
戦い終えた吉村の前に、吉村にロバマンの力を授けたロバート星人が現れました。実はロバマン変身装置である蘇生装置は68回分しか使えず、吉村は既に装置の力を全て使い果たしていたのです。ロバート星人はよく考えたらこんな不細工なロバート星人がいる訳がないと呟き、それでも吉村を咎めることなく地球から去っていきました。
ヒーローの力を失った吉村でしたが、以前の小心者ぶりは完全に鳴りを潜め、今では不道徳な若者や行列に割り込む輩にも堂々と注意できるようになっていました。妻も吉村の激変ぶりを大いに喜び、吉村もまた人生はまだまだこれからだと新たな生きがいを感じ始めていました。
以上、映画「ロバマン」のあらすじと結末でした。
吉田照美のブルーバックで走る謎の動きがとにかく印象的です。とにかく鳥肌が立ちました。これは吉田さんでないと出来ない動きではないでしょうか。他熟練者でもなかなか出来ないでしょう。そういう意味でこの映画はかなり特異なものと言えます。