レッド・スネイクの紹介:2019年フランス, イタリア, ベルギー, モロッコ映画。イラクを舞台に、イスラム過激派組織ISに対抗すべく結成された女性だけの特殊部隊の戦いを、実話を基に描きあげたハード・ミリタリー・アクションです。ISに対抗すべくシリアに向かう二人のフランス人女性はISにより決して癒えることのない傷を負わされたクルド人女性と出会い、ISと戦っていくうちに友情を深め合っていくのですが・・・。
監督:カロリーヌ・フレスト 出演者:ディラン・グウィン(ザラ)、アミラ・カサール(司令官)、カメリア・ジョルダナ(ケンザ)、エスター・ガレル(ヤエル)、マヤ・サンサ(マザー・サン)、ナンナ・ブロンデル(スナイプ)、パスカル・グレゴリー(有志連合のエージェント)、ヌーシュ・スカウゲン(クルダ)、マーク・ライダー(アル・ブリターニ)、コルクマズ・アルスラン(司令官)ほか
映画「レッド・スネイク」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「レッド・スネイク」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
レッド・スネイクの予告編 動画
映画「レッド・スネイク」解説
この解説記事には映画「レッド・スネイク」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
レッドスネイクのネタバレあらすじ:起
2014年8月。イスラム過激派組織ISがイラク西部にあるクルド人の少数派ヤジディ教徒の村を襲撃しました。この村に住む19歳の女性ザラはISの戦闘員に父を殺され、弟ケイロと引き離されてしまいました。
ザラは奴隷としてIS指揮官のアル・ブリターニに売られ、彼の自宅に連れ込まれてレイプされました。命からがらブリターニの家から抜け出したザラは叔父のシャヒーンに助けられ、難民と共にISの勢力下から逃れようとしていました。
ところが、ザラと難民たちはアル・ブリターニ率いるISの部隊に発見されてしまい、あわや殺されそうになりました。ザラたちの危機を救ったのは全員女性だけで構成された特殊部隊「蛇の旅団」とクルド人部隊でした。
アメリカやフランスなどの世界各国が支援する有志連合の中に「蛇の旅団」がありました。イスラムの古い言い伝えには「女性に殺されると天国へ行けない」というのがあるので、ISにとって女性のみの部隊は脅威だったのです。
激闘の末、蛇の旅団とクルド人部隊はISを退けることに成功、ザラと難民たちは無事に安全が保障される自由地帯へと辿り着くことができました。母やシャヒーンとようやく再会を果たしたザラはある決意を胸に秘め、書き置きを残して去っていきました。
レッドスネイクのネタバレあらすじ:承
ザラは父の仇を討つため、そして生き別れた弟を救い出すために自らも蛇の旅団の一員となって戦う決心をしました。蛇の旅団の主力部隊はリーダーのコードネーム“コバニの雌ライオン”ことクルド人のロザリン、“マザー・サン”ことイタリア人のラウラ、クルド人の父を持つ“レディー・クルダ”ことクルダ、出身国アメリカにちなんで“アメリカン・スナイパー”と名乗るスナイプ、そして新兵がゆえにまだコードネームを名乗っていない二人のフランス人ヤエルとケンザの計6人から構成されていました。
ザラはヤエルやケンザらと共に過酷な訓練に励みました。そして訓練を終えた新兵たちはコードネームを名乗ることを許され、ケンザは”カーヒナ”、ヤエルは“サシュカ”、そしてザラは“レッド・スネイク”というコードネームをそれぞれ与えられました。ロザリンはザラら新兵たちに、敵の手に堕ちないよう常に最後の弾は取っておくよう助言しました。
ザラたちは自分たちの過去や境遇などについて語り合いました。ケンザはイスラム過激派に家族を殺された過去があり、ザラも自分の信仰するヤジディ教が長年迫害を受け続けてきたことなどを話しました。国籍や民族、伝統や宗教など異なるザラたちの共通点はいずれもイスラム過激派によって酷い目にあわされてきたというであり、ザラたちはより一層絆を深めていきました。
レッドスネイクのネタバレあらすじ:転
蛇の旅団はIS部隊が潜伏する村を襲撃し、敵兵が生き残っていないか確認を始めました。その時、どこかで子供の泣き声を聞きつけたラウラはロザリンの制止を振り切って子供の救出に向かい、クルダはラウラを連れ戻しに向かうも敵兵に見つかってしまいました。クルダは果敢に立ち向かうも敵兵に取り囲まれ、無線で仲間たちに別れを告げると敵兵を道連れに自爆しました。
クルダを失ったロザリンたちは敵兵に一斉射撃を仕掛け、壊滅させたかに見えました。しかし、唯一生き残った敵兵がケンザを人質に取り、ヤエルは何とか敵兵を射殺するもケンザは怪我を負ってしまいました。
その直後、アル・ブリターニ率いるISの部隊が現場近くに現れ、物陰に隠れたロザリンがロケットランチャーを発射してアル・ブリターニ以外の全員を爆殺しました。ロザリンは生き残ったアル・ブリターニからISに関する情報を聞き出すべく、彼を捕虜として捕らえました。
アル・ブリターニはロザリンの尋問に対し、上官であるアブー・マリアムの居場所を教えると伝え、各地を転々としているアブー・マリアムの誕生日に奴隷を贈る儀式があること、そしてザラの弟も引き出されることを白状しました。尋問の間、ザラはアル・ブリターニに凌辱された忌まわしい記憶が込み上げてきました。
ラウラは自分も16歳の時に同じ目にあわされたことをザラに打ち明け、ザラの心の傷は深いがそれでも生きて戦っていることを挙げて「あなたは強いのだから何も恥じることはない」と励まし、虐げられてきた女性たちが立ち上がる時だと鼓舞しました。
クルド人部隊の指揮官であるシャラン大佐は協力関係にある有志連合のエージェントに入手したアル・ブリターニの携帯を渡し、それを手がかりにしてアブー・マリアムの居場所を突き止めることにしました。
一方、ザラは単身でアル・ブリターニのもとに向かい、直接尋問しました。アル・ブリターニは余裕の表情でザラの弟ケイロはISの戦闘員となったことを話し、ザラやその父を侮辱する発言を繰り広げました。怒りが頂点に達したザラはアル・ブリターニに襲い掛かり、ナイフで滅多刺しにして殺害しました。
レッドスネイクの結末
蛇の旅団とクルド人部隊はアブー・マリアムの居場所を突き止め、シャラン大佐がアル・ブリターニに、ザラら蛇の旅団メンバーが奴隷に扮してアブー・マリアムのアジトに潜入しました。
この日はアブー・マリアムの誕生日。ザラたちは贈る物を渡すフリをしてアブー・マリアムに近づき、正体を明かすと奇襲攻撃を開始しました。これを機にロザリン率いる別働隊やクルド人部隊、有志連合が総攻撃を開始、圧倒的な戦力を誇るISを相手に熾烈な銃撃戦を展開していきました。
アブー・マリアムはその場にいたケイロの身体に爆弾を巻き付け、奴隷たちを盾に敵を食い止めるべく自爆するよう命じました。スナイプとラウラは起爆スイッチを手にしたケイロを見つけて愕然としました。
一方、ISと交戦していたケンザは腹を撃たれて瀕死の重症を負ってしまいました。それでもケンザはザラにケイロのもとへ行くよう促し、ザラはすっかりISに洗脳されてしまったケイロの説得にあたりました。その甲斐あってケイロはようやく正気を戻し、爆弾を手放してザラと抱き合いました。
その頃、逃げるアブー・マリアムを追っていたスナイプたちでしたが、スナイプはアブー・マリアムに足を撃たれて負傷しました。そこにラウラとシャラン大佐が駆け付け、アブー・マリアムを倒しました。その直後にケンザは力尽きて命を落としました。
ロザリンの別働隊は奴隷たちを救出し、アブー・マリアムのアジトを完全に制圧しました。戦い終えた蛇の旅団やクルド人部隊の戦士たちが歓喜に沸く中、シャラン大佐は自分たちクルド人の独立は支持されず、いずれ有志連合に見捨てられるのではないかと危機感を抱いていました。シャラン大佐に歩み寄ったロザリンはいつの日が自分たちだけで新たな国家を作ろうと呼びかけ、二人はこっそりキスをしました。
ザラは盟友ケンザを失ったヤエルを近くの丘へと連れ出しました。この丘にある建物の壁にはケンザが描いた絵が残されていました。ザラとヤエルはケンザを悼んでいると、そこにロザリンやラウラと共にケイロが駆け寄ってきました。ザラはケイロに、ケンザは未来を見せてくれる天使だと語りました。
以上、映画「レッド・スネイク」のあらすじと結末でした。
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