スリーパーズの紹介:1996年アメリカ映画。ニューヨーク・デイリー・ニュース紙の元記者ロレンゾ・カルカテラの実体験に基づいたノンフィクションを映画化した作品です。少年院時代に看守から暴力と性的虐待を受け、心に傷を負った若者たちの友情と復讐を描いた人間ドラマです。
監督:バリー・レヴィンソン 出演者:ジェイソン・パトリック(ロレンツォ・“シェイクス”・カルカテラ)、ブラッド・ピット(マイケル・サリヴァン)、ロバート・デ・ニーロ(ボビー神父)、ダスティン・ホフマン(ダニー・スナイダー弁護士)、ケヴィン・ベーコン(ショーン・ノークス)ほか
映画「スリーパーズ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「スリーパーズ」のあらすじを結末までネタバレ解説。感想・評価、作品概要、キャスト・出演者情報、予告編動画も紹介しながら、ストーリーのラストまで簡単に解説します。
スリーパーズの予告編 動画
ネタバレ「スリーパーズ」あらすじ・結末
ここからは映画「スリーパーズ」のネタバレを含んでいます。あらすじの結末まで解説していますのでご注意ください。
スリーパーズのネタバレあらすじ:起
1967年のニューヨーク、マンハッタンの片隅にあるスラム街、通称「ヘルズ・キッチン」。犯罪がはびこるこの街で育ったシェイクス(ジョー・ペリーノ)、マイケル(ブラッド・レンフロ)、トミー(ジョナサン・タッカー)、ジョン(ジェフリー・ウィグダー)の4人の少年は街で悪さを繰り返し、数少ない理解者のボビー神父(ロバート・デ・ニーロ)を困らせてばかりでした。そんなある日、4人は些細な悪ふざけから罪のない一般人に大怪我を負わせてしまい、傷害罪でウィルキンソン少年院に収監されることとなりました。
スリーパーズのネタバレあらすじ:承
4人の少年たちを待ち受けていたのは、班長のノークス(ケヴィン・ベーコン)を筆頭とする看守らによる凄惨な暴力と性的虐待の日々でした。4人は心に決して消えることのない深い傷を負い、時折面会に訪れてくれるボビー神父の優しい言葉すらも慰めにはなりませんでした。暴力は出所の日まで続き、少年たちは看守たちに性的虐待されたことは自分たちだけの秘密にすることを誓います。時は流れて1981年。成人した4人はそれぞれ別々の人生を歩んでいました。シェイクス(ジェイソン・パトリック)は新聞記者、マイケル(ブラッド・ピット)は地方検事、そしてトミー(ビリー・クラダップ)とジョン(ロン・エルダード)はギャングになっていました。
スリーパーズのネタバレあらすじ:転
ある日、トミーとジョンは偶然訪れたレストランでノークスを見つけ、怒りのままにその場で射殺し逮捕されてしまいます。検察側の担当者としてトミーとジョンの裁判に関わることになったマイケルは、二人を助けるべくシェイクスと手を組み、二人の無罪を勝ち取ることと自分たちの人生を滅茶苦茶にした看守たちへの復讐を決意します。マイケルは裁判のシナリオを徹底的に練り上げ、繋がりのある街の元締めキング・ベニー(ヴィットリオ・ガスマン)の仲介でアルコール中毒の弁護士スナイダー(ダスティン・ホフマン)が事件を担当することになります。シェイクスは更に幼なじみのキャロル(ミニー・ドライヴァー)の協力を得て、検察側の証人の切り崩しに着手し、元看守のひとりから虐待の事実を引き出すことに成功します。
スリーパーズの結末
裁判と同時進行で、4人を虐待した看守たちへの復讐も実行されていました。ある者はマフィアの息子を虐待して死なせたことが密告されて暗殺され、ある者は汚職と殺人で逮捕されていきました。そして、シェイクスらは最後の総仕上げとして、ボビー神父に全ての真実を明らかにしたうえで、トミーとジョンの事件当日のアリバイを偽証してくれるよう頼みます。そして最終弁論の日、ボビー神父は証言台に立ち、事件当日は二人と一緒にバスケットボールの試合を観戦していたと証言します。そして判決が下され、トミーとジョンは遂に無罪を勝ち取ります。4人はキャロルも交えて祝杯を上げ、夜通しで語り明かしました。しかし、この日が4人が集う最後の日となりました。数年後、トミーとジョンは何者かに暗殺されました。マイケルは検察を辞めて田舎に移り住み、シェイクスは引き続きヘルズ・キッチンで新聞記者をしています。
少年院で過ごした期間に、心に大きな傷を抱え大人になって四人が、それぞれの立場から看守に復讐していく様は、目が離せませんでした。立場上、敵対するしかない検事という立場から、自分が負けていく裁判の展開を綿密に作り上げていくブラピの役はとてもかっこよかったです。神に仕えている身として、絶対に嘘をつくことが許されない神父が、トミーとジョンのために偽証するシーンでは、トミーとジョンを看守たちからの卑劣な行為から救えなかった神父の贖罪のように感じられ、胸が苦しくなりました。最後、無罪を勝ち取った四人とキャロルが祝杯をあげるシーンのみんなの笑顔が印象的で、そのあとに流れる四人とキャロルのその後の、すべてがハッピーエンドではないナレーションがより際立ちます。