雪女の紹介:2016年日本映画。日本古来の怪談「雪女」を、女性監督・杉野希妃が独自の解釈をし、自らも主演を務めた作品です。静かに時が流れ、幻想的な風景の中、雪と巳之吉の切ないラブストーリーが描かれています。
監督:杉野希妃 出演者:杉野希妃(雪女、緒方ユキ)、青木崇高(緒方巳之吉)、山口まゆ(緒方ウメ)、佐野史郎(雨宮茂作、雨宮栄作)、水野久美(ばあば)、宮崎美子(緒方ハル)、山本剛史(雨宮源太)、松岡広大(雨宮幹生)、梅野渚(川島サトコ)ほか
映画「雪女」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「雪女」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「雪女」解説
この解説記事には映画「雪女」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
雪女のネタバレあらすじ:起
雪深い山の中、猟師の巳之吉は疲れと寒さで歩けなくなった年配の雨宮茂作を、山小屋に連れて入ります。茂作を寝かすと巳之吉も眠りにつきます。
深夜に目覚めた巳之吉は、白い着物を着た美女が茂作を死なせているのを横目で見ます。女は雪女で、巳之吉の方を見ると「あなたは若いから命は助けてあげよう。でもこのことを誰かにしゃべったら命をもらいます」と言っていなくなりました。
1年が経ち、巳之吉は茂作の甥の源太と一緒に一周忌を終え、山小屋で冥福を祈ります。その帰り道、巳之吉は道端で座り込む若い女性を見つけて声をかけます。
女性は『雪』という名で「渡し場はどこですか」と聞きます。巳之吉は雪を渡し場まで連れていき、一緒に対岸に渡り歩いていると、日が暮れ、母・ハルと暮らす自分の家に泊めることにしました。
雪女のネタバレあらすじ:承
翌朝、雪は熱を出して寝込んでしまいます。ハルは「ばあばを呼んできて」と言い、巳之吉が連れてきます。ばあばはこの村唯一の医者ででした。ばあばは雪が普通の人間と違う事を知り「肉は食べさせず、魚を食べさせなさい」と言います。
やがて巳之吉は雪を気に入り、家にずっと置くようになりました。この村で雨宮灯栄社を経営する栄作の息子の源太は、雪の事が気になりますが、栄作によりサトコと結婚することになります。一方、巳之吉は雪と結婚して晴れて夫婦となります。やがて源太夫婦には幹夫が生まれ、巳之吉夫婦には女の子のウメが生まれます。
年月が流れ、ハルが亡くなると、巳之吉は猟師をやめ、雨宮の会社で働くようになります。そのころにはウメと幹夫は仲良くなり、二人は同じ時間を過ごすようになります。そして体の悪い幹夫が「ばれないように外に出よう」と言ってウメを連れて家を飛び出し、渡しに乗って山小屋近くに行きます。
雪女のネタバレあらすじ:転
急に気分の悪くなった幹夫を見て、ウメは山小屋に入ります。そして幹夫はウメの胸の鼓動に耳をあて、眠り込んでしまいます。目の前に雪が現れ幹夫を引き寄せます。幹夫は山小屋で死んでいました。
幹夫は祖父の栄作の弟の茂作と同じように、山小屋で凍傷になっていました。このことを知った栄作は、源太に「幹夫は殺された」と言います。学校ではウメが陰口をささやかれ始めます。
栄作は、巳之吉がよそ者の雪と結婚したことでこうなったと考え、社員の矢野に巳之吉の家の周りを調べさせます。その矢野も山奥で死んでしまいます。栄作は巳之吉を訪ね「お前がよそ者と交わったからこんなことになったんだ。雪はどっから来たんだ」と語気を強めて迫ります。何も言い返さなかった巳之吉が一人で悩んでいると、雪が帰って来ます。
二人は、帰りの遅いウメを待ちながら今までの夫婦の関係を話しはじめます。
雪女の結末
翌日、巳之吉は雪とウメを連れ、ばあばの家に行きます。ばあばは巳之吉に「雪はここに来た当時と全く変わらない、普通の人間じゃない事はすぐわかった、お前もわかっていたはずだ。お前は自分の生きたいように生きればいい」と言った後、雪とウメを呼びました。
家の外にいた巳之吉をウメが呼びに来ます。家の中に入るとばあばは雪の膝の上で死んでいました。
家に帰った巳之吉は、雪に「会社を辞めて猟師に戻る」と言います。雪が「あなたの好きになさってください」と言うと、巳之吉はあの日の事を話しはじめます。「昔、雪にそっくりな女に会った。あれは雪女だ。でもオレはお前に会えて幸せだった」と言うと、雪は涙を流しながら「人に話したら殺すという約束でしたが、私にはそれが出来ません」と言って家を出て行きました。
巳之吉には小雪のちらつく暗い森を見つめることしかできませんでした。春を迎え、巳之吉はウメと二人で幸せに暮らしていました。
以上、映画「雪女」のあらすじと結末でした。
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