あらしのよるにの紹介:2005年日本アニメ映画。あらしのよるには、木村裕一による絵本の題名または同作を端緒とするシリーズを原作とした映画です。構成は絵本の7エピソードから成り立ちます。登場人物はすべて動物ですが、人間らしい友情を動物に投影させて、みずみずしく描いている作品です。立場の違った者同志の友情は見ているものを時折涙させます。
監督:杉井ギサブロー 出演:中村獅童(ガブ)、成宮寛貴(メイ)、竹内力(ギロ)、山寺宏一(バリー)、加瀬康之(ガリー)ほか
映画「あらしのよるに」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「あらしのよるに」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
あらしのよるにの予告編 動画
映画「あらしのよるに」解説
この解説記事には映画「あらしのよるに」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
あらしのよるにのネタバレあらすじ:ヤギのメイの悲劇
野原でヤギのメイは母親と一緒に草を食べていました。そこへヤギの親子を襲うために、オオカミの群れが近寄っていました。そのただならぬ雰囲気をすばやく感じた母親のヤギはメイを逃がそうとします。しかし、オオカミの群れがすばやくメイ達を襲い始めてしまいます。
母親ヤギは必死に抵抗してオオカミの片耳を食いちぎりますが、オオカミたちには敵わず、食べられてしまいます。メイは泣きながら草原を走って逃げました。
あらしのよるにのネタバレあらすじ:あらしのよるに
時は過ぎ、ある嵐の夜、成長したメイが吹雪を避けるために山小屋に避難しました。同様に1匹のオオカミであるガブも同じ山小屋に避難してきました。
真っ暗闇の中、お互いにかぜ気味で鼻が利かない状態であったメイとガブは、お互いの正体を知らないまま語り合いました。互いに友情を感じた2匹は、「あらしのよるに」を合い言葉に、翌日再び会う約束をします。
あらしのよるにのネタバレあらすじ:立場の違う2匹の友情
翌日再会した2匹はお互いの意外な正体を知ります。喰う者(オオカミ)と喰われる者(ヤギ)の関係であり、全く立場の違う2匹でしたが、友情が壊れることはなく、2匹は秘密の友達となります。しかし決して種族的には相容れない、周囲には話すことのできない友情でした。
ある日、ガブと会う約束をしたメイの友だちヤギであるタプが一緒についてきます。ガブにとってはメイは友だちなのですが、メイの友だちは美味しそうなエサにしか見えませんでした。結局、ガブはメイの友だちを脅かして逃がします。
けれどもこの事がきっかけでメイとガブの友情を存続させる厳しさを2匹は思い知ることになります。
あらしのよるにのネタバレあらすじ:ばれてしまった友情
やがて、2匹の友情関係は、ヤギとオオカミのお互いの種族集団にバレてしまいます。お互いの集団ではメイとガブの友情を利用して、相手方の情報を手に入れてくるように、2匹にスパイとして働くように命令します。
メイとガブは友だちを裏切って暮らすことはできないと、2匹で逃げることを決意します。ヤギとオオカミが一緒に暮らすことができる「緑の森」があることを知った2匹は、緑の森を目指して雪山を越えるために飛び出します。
その頃、オオカミの群れの者たちは裏切り者のガブに怒りをあらわにし、ガブを捕らえるべく追跡を始めました。
あらしのよるにのネタバレあらすじ:2匹を襲う悲劇
雪山を越えようと飛びだした2匹でしたが、ガブがメイを気遣って夜中だけ狩をしていたことで険悪になってしまいます。けれども互いの想いを知って和解し、さらに強い友情で結ばれます。
しかし、追跡隊のオオカミたちの群れは少しずつ2匹を追い詰めていました。
焦りと寒さで体力がなくなっていったメイは、自分はもう歩けないと悟りました。メイは自分を食べて逃げてくれとガブに言います。そんなことはできないと拒むガブでしたが、動けないメイを見て、その頼みを泣く泣く聞き入れようとしました。
そのとき、追跡隊のオオカミたちは2匹の間近に迫っていました。ガブは自分をオトリにしてメイを助けようとします。けれどもその時に雪崩が起きてしまい、ガブは追跡隊のオオカミたちと共に雪崩に巻き込まれてしまいました。
あらしのよるにの結末:友情の記憶
春になり、メイは山を無事に越えたあと、草原で平和に暮らしていました。けれども居なくなったガブを思い出すと寂しくて涙を流しました。
ある日、いなくなったと思っていたガブが自分の目の前に現れます。あまりの喜びに、ガブに近づいていくメイでしたが、ガブは雪崩のショックで記憶喪失になっていました。
ガブはメイのことを忘れ、ただのエサとして襲おうとします。メイはショックを受けて悲しみにくれます。ガブに対して「いっそ、あのあらしのよるに出会わなければ」と叫びます。
その言葉がガブの心に響いて、ガブの記憶は戻ります。メイのことを思い出したガブは泣きながらメイに駆け寄ります。2匹は友情を取り戻して、いっそう深い絆で結ばれるのでした。
以上、映画「あらしのよるに」のあらすじと結末でした。
「あらしのよるに」感想・レビュー
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禁じられた友情を乗り越えて2匹の友情は確かなものになりました。暗闇の中で相手の見た目が分からない状態で友達となった2匹。差別や偏見のない純粋な友情をはぐくんでいく2匹に涙が止まりません。
草食のヤギ・メイと肉食のオオカミ・ガブの間に生まれた友情は見ていて心が和みます。嵐の夜に真っ暗な小屋で2人きりになった上に、姿が見えなかったからこそ出来た縁というのがなんともロマンティックです。あとメイのふわふわしたお尻のファンになってしまいました。