ゲームの紹介:1997年アメリカ映画。弟から誕生日のお祝いにもらった一通の招待状から、次々と起きる不気味な出来事に巻き込まれていく主人公が、それらの出来事に対して対処していく中での主人公の変化と衝撃的結末を描いたサスペンス映画。
監督 :デヴィッド・フィンチャー 製作総指揮:ジョナサン・モストウ 出演:マイケル・ダグラス(ニコラス・ヴァン・オートン)、ショーン・ペン(コンラッド・ヴァン・オートン)、デボラ・カーラ・アンガー(クリスティーン)、ジェームズ・レブホーン(ジム・ファインゴールド)ほか
映画「ゲーム」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ゲーム」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ゲームの予告編 動画
映画「ゲーム」解説
この解説記事には映画「ゲーム」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
詳細解説
ゲームのネタバレあらすじ1:プロローグ:ニコラス・ヴァン・オートンという男
サンフランシスコの投資銀行経営者・ニコラス・ヴァン・オートンは、大富豪であった父の莫大な資産を相続し、投資家として成功を収めていました。ニコラスは、子供の頃、父からも愛され、お誕生日会などではたくさんの友達に囲まれ祝福されていました。彼は弟・コンラッドを可愛がっていました。ただ、謎なのは、ニコラスが子供の頃、父がなぜ家の屋根から飛び降り自殺をしたのかが分かりませんでした。ニコラスは、そんな子供の頃のときの夢をしばしば見ていました。ニコラスは、妻・エリザベスと離婚してから、父の残した大邸宅に独りで住んでいました。生活は、父親の代から家政婦をしているイルサに家事一切を任せ、彼自身は朝起きれば顔を洗い、テレビの金融関係のニュース番組を流し、父から貰った裏面に「18歳の誕生日に」と刻まれた腕時計をはめ、服を着替え、朝食をとり、車で出勤するという規則正しい生活を送っていました。仕事は、自社ビル「ヴァン・オートン・ビルディング」にオフィスを構え、投資家銀行経営者として、頭の中は自分が投資した会社の株の上がり下がりを考えてばかりいました。そのせいか、毎日忙しく、他人に自分の本音を打ち明けることもなく、「遊び」もほとんどしない孤独で傲慢で寂しい日々を暮らしていました。
ゲームのネタバレあらすじ2:弟・コンラッドからの誕生日のプレゼント
10月11日、ニコラスは自身が大株主である、父の友人アンソン・ベアが経営している児童書出版会社のベア・グラント出版社の経営について考えていました。彼の秘書・マリアが今日の行動予定を確かめに来ました。博物館からの招待、基金のパーティーへの出席、結婚式への招待がありましたが、ニコラスは「退屈だ」と全て断りました。ただ、シーモア・バッツという人物からの昼食の誘いだけは、ニコラスは受けました。ニコラスは、シーモア・バッツは「もっとケツを見ろ」という意味でそんな冗談めいた名前を使うのは、弟・コンラッドしかないと思ったからでした。彼は行きつけのレストラン「シティ・クラブ」のいつもの席を予約するように秘書に頼みました。昼食、ニコラスは、シティ・クラブのいつもの席で座っていると、弟・コンラッドがやって来ました。弟は過去に精神的不安定で病院にリハビリ治療に通っていた頃がありました。彼らが会うのは、母のお葬式以来で2~3年ぶりでした。元気そうな弟は、ニコラスに48歳になる誕生日プレゼントとして一通の封筒を渡しました。ニコラスが開けてみるとその封筒の中から、CRS(顧客娯楽サービス社)のカードが入っていました。弟は、怪しがる兄・ニコラスに「大富豪は何を求める?…電話しろ。…人生が楽しくなる。…兄貴にも娯楽が必要だ。それを提供する。…貴重な人生経験さ。…俺も体験した。最高だった。兄貴も気に入る」と説明し、しつこく「電話しろ」と言い、帰っていきました。その夜、別れた妻・エリザベスからお誕生日のお祝いの電話がありました。ニコラスは、いつものテレビニュースを観ながら、弟から貰ったCRSのカードを見て、ふと、父が自殺したのも48歳で、今日、自分も父を同じ年齢になったことを感じました。
ゲームのネタバレあらすじ3:ニコラス、CRS社へ行く
翌日、あるビルで仕事を終えたニコラスは、ロビーで「CRS 営業中、14階」という看板を偶然、目にしました。ニコラスが14階に行くと、CRSの受付がありました。彼は弟から貰ったカードを受付に見せると、副部長ジム・ファインゴールドが「引っ越してきたばかりで」と言いながら、ニコラスを自分の部屋に案内しました。ファインゴールドは「中華料理『新月小館』は最高」とそこのテイクアウト料理を食べながら、弟・コンラッドの事をコンピューターで見て、「弟さんはロンドン支社の客ですね。…彼の数字はすごい」と言いました。ファインゴールドは、ニコラスに心理テストと申込用紙を渡しますが、ニコラスは不審に思い、「この会社は何を売っている?」と訊くと、ファインゴールドは「商品は“ゲーム”です。参加者ごとに作られます。いわば休暇ですよ。…毎回、違う。…提供します“欠けているもの”を。…続ける義務もなく、やめるのも自由」と答えました。興味をそそられたニコラスは、申込用紙に記入し、心理テストや簡単な身体検査を受けました。それが終わると、ファインゴールドは、ニコラスに保険の書類を渡し「“ゲーム”の存在を認め、参加する意思がある。満足した場合、ゲームにかかる費用は弟・コンラッドが支払う。…今まで不満の客はいない」と言い、書類にニコラスのイニシャルとサインをさせました。そして、彼は「コピーは受付で…ペンはどうぞ」と言って、部屋を出ていきました。その夜、ニコラスは、弟から電話をもらい、今度の水曜日一緒に夕食をとる約束をし、CRSのゲームへの参加は決めかねていると話しました。その後、ニコラスは、会員制のスポーツクラブでスカッシュをして汗をかいた後、ロッカールームで二人の男がCRSの株の話をしているのを耳にしました。ニコラスがバーに行くと、新会員らしきその二人の男が話をしていました。ニコラスは、CRSのことが知りたくなり、2人の席に割り込みました。2人ともCRSのゲームは良かったと評しました。そのうちの1人はニコラスに、バイブルの言葉を引用してCRSのゲームは「私は目が見えなかったが、今は見える」と言って帰っていきました。
ゲームのネタバレあらすじ4:CRSの“ゲーム”始まる
翌日、ニコラスは、ベア・グラント社の経営者アンソン・ベアと明日、辞職させるための話し合いをすることにしました。彼はその為の書類を明日までにまとめるように、会議で部下たちに指示をしました。その会議中、CRSから「残念ながら不合格です」という電話が彼にかかってきました。その夜、ニコラスが車で家に帰ると、玄関前に何か人が倒れているようでした。その場所はちょうど父が飛び降り自殺した場所でした。ニコラスは声をかけ、恐る恐る近づいてみると、それは木製のピエロの人形でした。彼はそれを家に入れると、ピエロの口から赤いハンカチのようなものが出ていました。それを引っ張り上げるとその先にはCRSと刻印された鍵が結んでありました。ピエロをリビングの中に入れ、いつものテレビのニュース番組を観ていると、そのニュースキャスターが、ニコラスに呼びかけてきました。彼は「これは君のゲームだ。ようこそ。…基本ルールを教えておこう。今後もいくつかの鍵を受け取る。いつどこで使うかは分からない。…君を小型カメラで見ている」とニコラスに言いました。ニコラスは探し回り、カメラがピエロの目に内蔵されているのを発見しました。テレビのキャスターは、緊急時のCRSの24時間電話サービスの電話番号をニコラスにメモさせると、「ゲームの目的は尋ねるな。知ろうとすることが目的なのだ」と言うと、いつものニュース番組に切り替わりました。ニコラスはCRSという会社とゲームに不信感を抱き、警戒のため、家の電子セキュリティを入れて、眠ることにしました。
ゲームのネタバレあらすじ5:ニコラス、最初の鍵を使う。謎の女・クリスティーンとの出会い
翌日、ニコラスはベア・グラント社の経営者アンソン・ベアと交渉をするため、空港に行きました。彼は、昨晩のCRSからのメッセージが気になり、疑心暗鬼になっていました。たまたま、待合い席で真正面に座っていた男が、ニコラスのシャツのポケットが汚れていることを、指さして教えてくれました。原因はCRSから貰ったペンからインクが漏れていたためでした。ニコラスは直ぐに席を立ち、トイレに行き、そのシミを洗い落とそうとしましたが、完全には落ちませんでした。その時、背後から「トイレットペーパーが切れた。隣から取ってくれ」と言う声と、手が出できましたが、ニコラスは無視して、出ていきました。トイレから出ると、弁護士のサム・サザーランドが、ベアの解雇のための書類を完成させて持って来てくれました。ニコラスは、その書類をアタッシュケースに入れると、飛行機に乗りました。空港に到着すると迎えの車が待っていました。それにニコラスは乗ると、汚れたシャツを脱ぎ、新しいシャツに着替えて、ベア・グラント社の経営者アンソン・ベアに会いに行きました。ニコラスはベアに「株価が2セント、予想に届いていない」と責めると、ベアは「あと四半期くれ」と言いました。しかし、ニコラスは「今日が期限だ」と拒否しました。ベアはそんなニコラスに呆れて「どうしようもない頑固者だ。父親さんが泣くぞ」と言いました。ニコラスは「親父の仲間だから、金を使われても見過ごせと?…あんたをクビにする。そうすれば…株価は上がる」とベアを責め、アタッシュケースを開けて、解雇書類を出そうとしましたが、鍵が開きませんでした。ニコラスは鍵の束をポケットから出し、その中からCRSの鍵を使ってみましたが、それでもダメでした。ニコラスは、ベアに「今日はツイているようだな。弁護士から連絡させる」と捨て台詞を言い、仕方なくその場を立ち去りました。ニコラスは、自分の思っていた通りに事が運ばず、怒り心頭し、空港のベンチにアタッシュケースをぶつけて、八つ当たりしました。その夜、ニコラスは、シティ・クラブで弟と夕食の約束していた夕食していたので、弟を待っていましたが、いっこうに姿を現しませんでした。苛立ったニコラスが席を立ったとき、ウェイトレスのクリスティーンとぶつかり、飲み物をシャツ、スーツにぶちまけられました。店長が急いで駆けつけて、クリスティーンに注意をしましたが、彼女は悪態をつき、その場で解雇され、ロッカールームに去って行きました。店長はニコラスの席を換わり、サービスに夕食を提供することを告げました。ニコラスが席を換わるやいなや、ボーイが会計伝票を持ってきました。ニコラスは呆れてその伝票を開けてみると、そこには「彼女を逃すな」とだけ書いてありました。ニコラスはボーイを追いかけますが、ボーイは逃げ去りました。ニコラスは、レストランの裏口でクリスティーンを待ち伏せしました。暫くして、彼女が出てきたので、跡を追いました。彼女は「今月で仕事を解雇されるのは二度目」と言って、逃げるように去っていきました。ニコラスはそれでも彼女の跡を追おうとしたとき、目の前で見知らぬ男が急に倒れました。混乱するニコラスのもとに、クリスティーンが戻ってきて、その男に応急処置をし出し、ニコラスに救急車を呼ぶように指示しました。ニコラスはちょうど来た警察官に事情を説明すると、間もなく救急車が到着しました。警官はニコラスに発見者の書類にサインを求めますが、彼は「赤の他人だ」と言い、それを拒否、そこでクリスティーンがサインをしました。警官は二人を夫婦と思い、その倒れた男に病院までつきそうよう、半ば強引に救急車に乗せました。救急車はサイレンを鳴らし、病院に向かう車内で、ニコラスはクリスティーンに待ち伏せしていた事情を説明しました。救急車が病院のガレージに到着すると、病院らしく、白衣を着た医師たち、車椅子の人、搬入される急病人などが大勢いました。ニコラスとクリスティーンが救急車から降りると、突然、照明が消え、辺りは真っ暗になり、大勢いた人たちも誰もいなくなり、二人だけになってしまいました。ニコラスは「これはゲームだ。ある会社が考えたイラズラだ。なぜ君まで巻き込む」と言うと、クリスティーンは出口を求めて、ひとりで歩き出しました。ニコラスもアタッシュケースを持ち、彼女を追いました。するとちょうど正面のエレベータが開きました。二人はそれに乗りましたが、ボタンを押しても動きません。しかも、緊急電話もありませんでした。ふと、ニコラスは鍵のことを思い出し、CRSの鍵をエレベータの鍵穴に差し込み、回すと、エレベータは動き出しましたが、突然、止まりました。ニコラスはエレベータの天井扉から抜け出し、彼女を引き上げ、直近のフロアの出口まで登り、脱出に成功しましたが、アタッシュケースをエレベータに忘れてしまいました。そのビルはあのCRSのビルでした。二人は出ようとすると、警報がなりました。ニコラスは警備員に事情を話そうとクリスティーンに言いますが、彼女は嫌がり、逃げました。ニコラスも仕方なく、彼女を追って逃げました。外に出ると、巡回していたCRSの警備の車に、二人は見つけられ、放たれた犬に追いかけられました。何とか犬から逃げたニコラスは、クリスティーンを自分のオフィスに案内しました。そして、そこで服を着替えるように言い、彼女を家に帰すためタクシーを呼びました。彼女は、タクシーが来るまで、シャワーを使ってもいいと赤いブラジャー姿でニコラスに許可を求め、シャワーを浴び、着替えをしました。タクシーが到着し、クリスティーンは、タクシーに乗ると、ニコラスに「ある人から400ドル貰って、貴方に飲み物をこぼしたの」と告白し、帰っていきました。ニコラスも疲れ果て、家に帰りました。
ゲームのネタバレあらすじ6:連続する不可解な出来事
翌朝午前11時、ニコラスは秘書・マリアからの電話で目を覚ましました。彼はマリアに昨夜、CRSのビルに鞄を忘れたことを伝え、遺失物係に確認をとるように指示しました。すると、マリアは金融街のホテルにニコラスのキャッシュカードが届いていることを知らせました。ニコラスが財布を確認すると確かにカードが1枚消えていました。彼は直ぐにそのホテルに電話をすると、「若い女性から“少し遅れる”という伝言を預かっています」と知らされました。早速、ニコラスがそのホテルに行くと、フロント係はニコラスの顔を見るなり、既に彼を知っているような素振りで対応してきました。ニコラスはキャッシュカードを出され、その受取証書にサインをしました。ニコラスはそのホテルに泊まったことがないので、「部屋の鍵は?」と訊くと、フロント係は「昨夜、渡しました」と不思議そうに言ってきました。ニコラスがスーツのポケットを探ると、鍵がありました。彼はボーイに案内され、部屋に入りました。しかし、その部屋の中は目を疑うような光景でした。男がクリスティーンらしき女性と戯れている艶めかしい写真が大量に散乱し、ニコラスが昨夜忘れたアタッシュケースの中もそんな写真でいっぱいでした。テレビではAVビデオが流れ、コカイン、それに空港で汚れたニコラスのイニシャル入りのシャツ、自分のサインが記されているルームサービス書もありました。ニコラスは尋常でない状況に困惑しながら、急いでコカインの処分にまず取りかかりました。その時、手が滑ってガラスで指を切ってしまいました。彼はすぐにトイレに向かい、ティッシュで血を拭い止め、それをトイレに流しましたが、水が溢れでてきました。ニコラスは混乱しながらも、全ての証拠品をアタッシュケースに入れて、人目につかないように、その部屋から出て、急いで車でホテルを出ていきました。ホテルを出て、ニコラスが車を走らせていると、1台の車が跡をつけてきていることに気付きました。ニコラスは細い路地に車を止めると、その車の運転手の男に駆け寄ると、彼は銃を持っていたので取り上げ、「なぜつける?!」と詰問しましたが、とぼけるので、頭にきたニコラスは銃で彼の車のタイヤを狙って撃つと、銃は本物でタイヤがパンクしました。驚いた運転手は車から降り、「俺は探偵だ。あんたをつけるように頼まれた」と白状して逃げていきました。ニコラスはこの一連の弟を巻き込んだ嫌がらせは、自分をクビにしようとしたベアの仕業と思い、急遽、車を飛ばして、弁護士のサザーランドと、ベアと会うことにしました。あるホテルのベアが宿泊している部屋に、サザーランドと共に、ニコラスが乗り込むと、ベアは妻子とくつろいでいました。ニコラスはホテルにあった写真の数枚を彼に投げつけ、罵倒し、解雇の再要求を宣告しました。しかし、ベアはサザーランドとは今朝会って、解雇書類にはサインをし、後の老後は楽しむと静かに言いました。それを聞いたニコラスは、「誤解していたようだ」と言い、その場を立ち去りました。ニコラスはオフィスに戻ると、サザーランドに写真を見せて状況を説明し、CRSという会社の調査を依頼しようと、鞄の中から“権利の放棄書”の入った封筒を出して彼に手渡しましたが、その中の書類はただの白紙でした。ニコラスは「消えるインクで書かされた。タチの悪い連中に弄ばれている」と当惑しました。その様子を見て心配したサザーランドに、ニコラスは「心配ない。大丈夫だ」と言いました。彼はその言葉を聞くと部屋を出ていきました。ニコラスは秘書・マリアに昨夜、クリスティーンを乗せたタクシーの運転手とその行き先を調べるように指示しました。改めて鞄の中を確かめると、その中にCRSの封筒が入っていました。その中から、何かのレバーのようなものが入っていました。
ゲームのネタバレあらすじ7:ニコラス、殺されそうになる
その夜、ニコラスが探偵から奪った銃と鞄に入れ、家に帰ると、家の電気がつかず真っ暗で、電話も通じませんでした。銃を構えてニコラスは、家の中に入っていくと、急に灯りがつき、変な音楽が流れだしました。家の中は滅茶苦茶に荒らされ、壁中に蛍光ペンキで落書きがされていました。リビングに行くと、あのピエロの口に「父のように永遠の眠りを選ぶ」とタイプされた紙と父の自殺した姿の写真が挟まっていました。ニコラスは急いで、イルサの所に走り、「強盗が入った。気をつけろ」と言うと、電話で警察に連絡を入れました。すると突然、弟・コンラッドが現れました。そして、ニコラスに車で逃げようと言い出しました。ニコラスは車に弟を乗せて、家を出ました。弟はパニック状態で「CRSは金を払ったのに、ゲームを終わらせようとしない」と嘆きました。すると、途中で車のタイヤがパンクしてしまいました。車を止めて、ニコラスは点検のため外に出て、弟に「修理屋を呼べ。前に番号が」と指示しました。弟が前のダッシュボードを開けると、そこから大量のCRSと刻印された鍵が出てきました。弟はそれを投げつけ、「兄貴もグルなんだろ」と言い、逃げました。ニコラスは弟を追いました。弟はニコラスに「兄貴は俺のことを憎んでる。…兄貴の期待に沿えなくて悪かったよ!…どうせ出来が悪いさ。…父親代わりになれなんて、誰が頼んだ!」と大声で叫びながらどこかへ走り去りました。その直後、近くの公衆電話が鳴り、ニコラスが取ると、そこからはついさっきの二人の口論の録音テープが流れてきました。ニコラスは自分の自動車に戻り、修理不可能と判断し、車をロックして、近くを流していたタクシーに乗り、家に帰ろうとしました。しかし、そのタクシーはドアをロックし、家を通り過ぎて行きました。ニコラスが運転手に詰め寄ると、名札にCRSと書かれていました。運転手は「止めろ。金は倍払う」というニコラスの言葉を笑いながら無視して、速度を上げて、そして、突然、運転手はドアから飛び降り、タクシーはニコラスを乗せたまま、海の中に突っ込みました。車はどんどん沈んでいきました。車内に入ってくる海水に慌てるニコラスは、ふと「これはゲームだ」と思い出し、あのレバーを出して、車のサイドウィンドウを回して開け、辛くも車から脱出することに成功しました。翌朝、ニコラスは弁護士・サザーランドと共に、CRSの入っていたビルに刑事たちを呼びました。そして、14階に行きましたが、14階フロアは蛻の殻でした。刑事たちの調べでは、このビルの14階に入居者記録はなく、CRSという会社もそれらしい登記がないことが分かりました。ニコラスは、刑事たちから、ニコラスの一連の話にも動機が見あたらず、逆にニコラスが「彼らを雇ったのでは?」と言われてしまいました。
ゲームのネタバレあらすじ8:謎の女・クリスティーンの罠
その夜、家に帰ると、ニコラスは初めてイルサに「父はどんな人だった?」と尋ねました。イルサは「とても穏やかで、控えめな方でした」と答えました。ニコラスは「私に父の一面はあるかな?」と尋ねると、イルサは「いいえ、あまり」と答えました。その時、ニコラスの携帯電話に、秘書から電話がかかってきました。秘書は彼にクリスティーンを乗せたタクシーの行き先を報告しました。ニコラスはその場所に車を飛ばして行きました。ニコラスはクリスティーンの家に入ると、ホテルにあった赤いブラジャーを着けた女性の写真を見せ、君ではないかと問いましたが、彼女は否定も肯定もしませんでした。ニコラスは疲れ果て、ソファーに座ると、彼女は彼の表情を見て、外で話しましょうと言って、着替えに別の部屋に行きました。ニコラスは、部屋の中をいろいろ見て回ると、水が出ず、冷蔵庫の中は空っぽ、本棚の本は中身のない見せかけの箱、タンスの中も全部空っぽであることを発見し、彼女に不信感を抱きました。ニコラスは彼女の問い質すと、彼女は「私たちを監視している。火災報知器よ」と彼に囁き、ニコラスは怒って、火災報知器を壊しました。ニコラスが窓から誰かがこちらに来るのを見ると、クリスティーンに「今度は何だ」と言うと、彼女は「窓から離れて」と答えました。その次の瞬間、外からニコラスは発砲されました。ニコラスはクリスティーンの案内で、走って家から逃げ出しました。ニコラスは彼女を車に乗せ、逃げました。CRSの車が跡を追ってきましたが、何とか振り切ることができました。ニコラスはクリスティーンを車から降ろそうとしましたが、彼女が「内情を知りたくないの」という言葉につられ、彼女を乗せて別荘に向かいました。その車中で、彼女はニコラスに「弟さんは奴らの一味で、逃げる道はそれしかないと思い、あなたにCRSを紹介した。ファインゴールドは銀行ハッカーで、申込用紙やテストの筆記から、あなたのサイン、パスワードを盗んで、あなたの口座から金を盗んだ。もうあなたは用済み。だから撃ってきた」と告白しました。ニコラスはその話を確かめようと、自動車電話で自ら銀行に電話し、パスワードを言い、口座を調べてもらうと、口座残高はゼロになっていました。驚いたニコラスは、サザーランドに携帯電話から電話して、留守電に「口座から金が全て盗まれている。命を狙われている。警察を呼べ。今、証人と一緒だ。彼女に証言させる。あとで返事をくれ」と言って、電話を切りました。二人はニコラスの別荘に着きました。そこは弁護士・サザーランドも知らない場所でした。クリスティーンがコーヒーを入れてくれました。ニコラスはそれを飲みながら、彼女に「何回やってきた、この詐欺のゲームを」と尋ねると、彼女は「山ほど」と答えました。ニコラスは彼女に「これまでの小銭とは違う。被害者は私だけではない。大勢の年金、給料が飛ぶ。全部で6億ドルだ」と告げました。その時、サザーランドから伝言を聞いたと連絡が入りました。彼は自分でも調べたが、ニコラスの銀行口座は全部無事だと言い、今、どこにいるのかを訊いてきました。クリスティーンは、サザーランドも仲間だと言い出しました。ニコラスはもう誰も信じることができなくなり、電話を切りました。ニコラスはここから出てどこかへ逃げようと言い、歩きだそうとしましたが、目がぼやけ始めました。ニコラスは台所で悠然とタバコをふかし「何をしても無駄」と言うクリスティーンを見て、彼女がコーヒーに何かの薬物を入れたことを知り、彼女に近づこうとしましたが、倒れてしまいました。朦朧としていくニコラスに、クリスティーンは「弁護士も知らないパスワード、アクセスコードもわかった。あなたは要らない」と囁くと出ていきました。ニコラスはそのまま、意識を失ってしまいました。
ゲームのネタバレあらすじ9:ニコラス、メキシコの墓地から脱出する
ニコラスは意識が戻ると棺の中に入れられていました。棺を破って、ニコラスは外に出てみると、そこは見知らぬ土地の墓場でした。ニコラスは戸惑いながらも、街をさまよい、考えると、そこはメキシコであると気付きました。道端の人に米国大使館を尋ね、ニコラスはそこに行きました。担当者は、「所持金なし、IDなし、パスポートなし」何も自分を証明するものがないニコラスに、事情を訊きました。ニコラスはありのままを言っても信じてもらえないと思い、「休暇で来ていたら、強盗に遭って。…ホテルも覚えていない。…スペイン語も話せないので警察にも行ってない。…帰る旅費さえあれば」と担当者に言いました。すると担当者は、ニコラスの腕時計を見て、「その時計なら、200~300ドルにはなる。パスポートの問題はそれで解決しますよ」と提案してきました。その腕時計は、裏面に「18歳の誕生日に。お父さんの時計を」と刻まれた大切なものでした。しかし、ニコラスは生きて帰るために、その時計を売り、パスポートと少額のお金を手に、バスに乗り、サンフランシスコに向けて出発しました。途中、ヒッチハイクもして、あるコーヒー・ショップでお客さんたちに「サンフランシスコまで乗せてほしい。18ドル78セント持っている。誰かいませんか」とお願いし、ニコラスはあるアイスクリームの配送トラックに乗せてもらい、ようやく、サンフランシスコに到着しました。そして、家まで歩いて帰ると、家の門は「競売物件」という張り紙と共に鍵がかけられていました。ニコラスは門をよじ登り、家の扉のガラスを割り、家に入りました。家の中の落書きなどはきれいに消されていました。彼はシャワーを浴びると、本棚の一番上にある『ものまね鳥を殺すには』という本を取り、台所の棚の奥にしまってあった小銭を貯めていた瓶からお金を全部掴み取り、家を出ました。ニコラスはタクシーに乗り、弟・コンラッドが宿泊していたホテルに行きました。フロントで弟のことを尋ねると、支配人が、弟は部屋で暴れて精神的不安定から警察に連れて行かれ、ナパの病院に行きましたと言って、ニコラスにその病院の住所のカードを渡しました。もうニコラスにとって信じることができるのは、別れた妻のエリザベスしかいませんでした。彼は彼女の家に行き、外の喫茶店で話をしました。ニコラスは、エリザベスに「今なら分かる。なぜ君が去ったのか。…君に謝りたい。君を閉め出し、受け入れなかったことを許してほしい」と悔い改めた正直な気持ちを伝えました。彼女は疲れ果て、尋常ではないニコラスの姿を見て、心配しました。その時、ふとテレビのCMから聞き覚えのある声がニコラスの耳に入りました。テレビを観ると、あのCRSのファインゴールドが出ていました。ニコラスは、彼は俳優だったのだと思い、エリザベスから車を借り、店の電話帳を取り、彼を探し出し、CRSの正体を暴く決心をしました。
ゲームのネタバレあらすじ10:ニコラス、必死の追究劇
ニコラスは、ファインゴールドが美味しいと言っていた中華料理屋「新月小館」を電話帳で調べました。そして、その店に行くと、店の壁にはお客の写真が飾られていました。その中にサインの入った彼の顔写真がありました。彼の本当の名前は「フィッシャー」でした。ニコラスは電話帳を調べて、フィッシャーの家に電話をすると、彼の妻が出て、今、彼は子供たちと白い虎がいる動物園に行ったと教えてくれました。ニコラスは直ぐにその動物園に行き、ついにフィッシャーを見つけました。ニコラスは、本に隠していた銃をちらつかせて、彼を脅し、CRS社に連れて行けと命令しました。フィッシャーは、車にニコラスを乗せてCRS社のビルに行きました。ガレージに車を止めると、警備員がやってきましたが、ニコラスは銃で脅し、警備員の手を縛り上げ、フィッシャーと共にエレベータに乗り、CRSのオフィスのある部屋に案内させました。そして、その部屋に入ると、そこは食堂でした。その中には今まで見た顔もありましたが、驚くべきことに、クリスティーンと自分を殺そうとしたタクシーの運転手がいました。ニコラスは、驚くクリスティーンに銃を突きつけ、ボスの所に連れて行けと命令しました。すると直ぐに警備員が銃を持って、飛び込んできて、ニコラスに向けて発砲してきました。ニコラスはクリスティーンを連れて、食堂から逃げましたが、フィッシャーはその流れ弾に当たり、死にました。ニコラスは彼女を連れて、屋上に逃げ、扉に鍵をかけました。彼は、彼女に銃を突きつけ「ボスを呼べ」と命令しました。クリスティーンは、「フィッシャーも死んでいない。…全部、ゲームなの。家の銃撃も空砲。皆、シャンパンを持っている。やめて、コンラッドもいるの。誕生日パーティーなの」と言って、怒りに燃えるニコラスをなだめようと必死で説得しました。しかし、ニコラスは、もう彼女の言葉を全く信じませんでした。
ゲームのネタバレあらすじ11:ニコラスの最期は…
屋上の鍵をかけた扉が、切断機で開けられようとしていました。ニコラスは、開けられそうな扉に銃を向けました。そして、扉が開いた瞬間、ニコラスは銃の引き金を引きました。銃弾は扉の向こうに正装でシャンパンを持った弟・コンラッドの胸に当たりました。みんなが驚き、凍りつきました。倒れたコンラッドにフィッシャーとクリスティーンが駆け寄り、救急処置を施そうとしますが、もう手遅れでした。フィッシャーは「おしまいだ。みんな一生、ムショ暮らしだ」と嘆きました。ニコラスは、弟を撃ち殺した罪悪感で自暴自棄になり、泣きながら、屋上から飛び降り自殺を図りました。ニコラスの体は下へ向けて真っ逆さまに落ちていきました。彼の頭の中を、弟との思い出、父との思い出が浮かんできました。そして、レストランのガラスの天井を突き破り、落ちました。しかし、落ちた所は、レストランの中央の巨大なクッションの上でした。ニコラスは救急隊員に支えられながら、傷一つなく、立ち上がりました。そこに、屋上で撃ち殺してしまったはずの弟・コンラッドが駆けつけてきました。事態が飲み込めないニコラスに、弟は「メキシコの墓場に捨てられた記念Tシャツ」と書かれたTシャツを見せ、「誕生日プレゼント」と言うと、ようやくニコラスは、今まで起きた一連の事件はすべて仕組まれた“ゲーム”だったと理解しました。弟はニコラスに「兄貴に変わってほしくて」と言って、二人は抱き合いました。ニコラスの目になぜか涙が流れました。
ゲームの結末:エピローグ:生まれ変わったニコラス・ヴァン・オートン
レストランには、イルサ、エリザベス、サザーランド、アンソン・ベアらがいました。この大仕掛けのゲームに協力した人たちが集まって、盛大にニコラスの48歳の誕生日を祝いました。このゲームで自分の全てをさらけ出して、生まれ変わったような気分のニコラスは、各人を回り、礼を言いました。そして、コンラッドの所に行くと、ちょうど彼がCRS社からの請求書にサインをしているところでした。その請求書を出していたのは、最初に空港でシャツのシミを指摘したあの男でした。ニコラスはその請求額を見て、目を向きました。そして、改めて弟・コンラッドに礼を言うと、クリスティーンに礼を述べようと探しました。ニコラスは、次の仕事で会場を後にしたクリスティーンを追いました。クリスティーンは、ちょうどタクシーでオーストラリアに向かう空港に行くところでした。ニコラスは「帰ってきたら食事を」と彼女を誘いました。彼女はニコラスに「空港のカフェでコーヒーでも飲まない?」と誘いました。ニコラスは「これは“ゲーム”の続きなのか」と逡巡しました。
「ゲーム」感想・レビュー
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ラストのラストまで話の意味が全然わからなかった映画でしたね。
映画にを見始めた当初にみた作品なので、勘ぐりもせず素直に驚かされました。
ラストのラストでドッキリだったと気付かされた時には、
おお。そういう事かとようやく気づく。
ちょっと難しすぎたんじゃないかな?なんて思う映画でしたね。あんまり難しく考えすぎずに、映画として楽しむって感じで見るのが
一番楽かもしれません。 -
何度も見てしまう映画です。弟の兄への想い、CRS社のプロフェッショナルな仕事、主人公の“いらだち”からの“救い”(緊張と緩和)が見れば見るほど味がしみだしてくる映画。個人的には監督の前作のセブンより好きです。(もちろんセブンも素晴らしい映画)
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この映画を、単なる壮大なドッキリと捉えると、くだらないと思えるかもしれない。
伏線は、ヨハネの福音書「私は盲目であったのに、今は見える」だ。
主人公のニコラスは、金、地位、名誉、それらが最も大事なことだと思っていた。
しかし、それらを全て失ったとき、本当に大事なものは何かに気付いた。
私はとても感銘を受けた。もちろん、セブンも好きだ。 -
※ 観始めて再視聴と分かりましたが、結末を覚えてないので(笑)
視聴しました。ハラハラドキドキ、質の悪い・心臓に悪いゲームでした(笑)
私評は☆☆☆です。
ネタバレを好まない人は、途中で止めれば良いと、思っています(笑)
非常に贅沢で、リスクを伴う誕生日プレゼントに脱帽です。主人公がバーチャルゲームの中に入っていく話はSF映画でもよくありますが、この様なゲームを現実世界の中で行うとは。人の行動は予測が出来ないので、余程注意を払ってゲームしないと大変ですね。それにしても味気のない寂しい人生を送る予定であったニコラスにとっては、最高のプレゼントではないでしょうか?彼の人生が今後明るくなっていく事を考えれば、勇気のある弟の判断は間違っていないのかもと思います。