オクス駅お化けの紹介:2022年韓国, 日本映画。韓国・ソウルに実在する駅を舞台にした韓国発のウェブ漫画を『リング』シリーズなどの脚本家・高橋洋と『アパートメント』(2007年)のイ・ソヨンが共同で脚本を手がけ、『貞子vs伽椰子』(2016年)などのメガホンを執った白石晃士が脚本協力として参加して完成させた日韓合作のホラー作品です。本作は1948年に日本で実際に発生した「寿産院事件」をモチーフに舞台を現代のソウルに置き換え、駆け出しのウェブニュース記者がオクス駅で発生した謎の人身事故を追ううちに、この駅の地下に隠された廃駅にまつわる怪奇現象の裏側に隠された社会の闇に迫っていく様を描きます。
監督:チョン・ヨンギ 出演者:キム・ボラ(パク・ナヨン)、キム・ジェヒョン(チェ・ウウォン)、シン・ソユル(ヨン・テヒ)、パク・ジェハン(テホ)、イム・ハユン(幼少期のテヒ)、チョ・ヨンホ(幼少期のテホ)、ジン・デヨン(テホの父(テヒの義父))、オ・ジンソク(スンジュン)、キム・グァンヒョン(地下鉄の機関士)、キム・ギョンハ(チェ・ガンサ)、キム・カンイル(湯灌士)、キム・スジン(モ社長)ほか
映画「オクス駅お化け」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「オクス駅お化け」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「オクス駅お化け」解説
この解説記事には映画「オクス駅お化け」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
オクス駅お化けのネタバレあらすじ:起
韓国・ソウル、終電間際のオクス駅。客の男は駅のホームで何やら様子がおかしい女性を見かけました。男はその女性を写真に撮り、SNSにアップしたところ、この女性は幽霊ではないのかというコメントが寄せられてきました。次の瞬間、いつの間にか女性の姿は忽然と消え、突然ホームドアが開きました。不審に思った男は身を乗り出して線路を覗いたところ突然ホームドアが閉まり、男は首を挟まれて死亡してしまいました―――。
―――この1ヶ月前。新人のウェブニュース記者パク・ナヨンは自分の書いた記事が原因でトラブルに巻き込まれていました。ナヨンは駅のホームで綺麗な女性と思わしき人物を見かけ、写真を撮って記事を書いたところ、この人物は実は女性ではなく男性であり、記事の訂正と賠償金を要求されたのです。ナヨンはウェブニュース運営者であるモ社長に事実誤認を咎められ、その人物に謝罪して要求を取り下げてもらうか、確実にアクセス数が稼げる記事を書けと命じられました。
困り果てたナヨンは友人で駅員のチェ・ウウォンに何か記事のネタになるものはないかと相談しました。するとウウォンは、オクス駅の地下にある廃駅で一人の男が首吊り自殺をしたという事件の話をしました。ウウォンはそこで小さな子どもを目撃したことを証言し、男の死体を処理した湯灌師も同じような現象に出くわしたということです。
オクス駅お化けのネタバレあらすじ:承
この事件に関心を持ったナヨンは事件の概要や廃駅について調べ始めました。湯灌師は自分の父には霊力があり、この駅には強い怨念を感じると証言していたことをナヨンに明かしました。続けてナヨンは事件の状況を知る運転士への取材を試みました。運転手はどこか様子がおかしく、何やら謎めいた数字を連呼していました。
ナヨンはさっそく記事を書いたところ、記事はたちまちアスセス数が急上昇してモ社長も大喜びしました。しかし、ナヨンは人の不幸を喜んでいいのかと複雑な心境になりました。
その直後、ナヨンはモ社長に呼び出され、ナヨンが運転手に取材した時間には既にこの運転手は自殺していたと告げられました。ナヨンはこの時の監視カメラの映像を確認したところ、ナヨンが運転手に取材した時刻の映像にはなぜかナヨンの姿しかありませんでした。
そんな時、自殺した男テホの妹であるテヒがナヨンに接触してきました。テヒは自分とテホには幼少期の記憶はなく、催眠療法で思い出そうと試みたところ、とある井戸のイメージが浮上してきたというのです。
この井戸はオクス駅と関係があるのではないかと感じたナヨンは昔の資料を調べたところ、オクス駅地下の廃駅には確かに井戸があり、井戸の近くにはかつて児童養護施設があったことが明らかになりました。
ナヨンは湯灌師から、今まで謎の怪死を遂げた者には全員に“爪”の痕があったことを知らされました。この爪の痕は何かから呪いをかけられたかのようでした。ナヨンは新たな記事を書いたところ、この記事も大ヒットして様々な反響や憶測を呼びました。
オクス駅お化けのネタバレあらすじ:転
ナヨンはモ社長に、次はあの井戸の記事を書く予定であることを告げました。しかし、モ社長はなぜか井戸の記事を書くことは許可できないと頑なに断じ、テヒは精神科に通っていると吐き捨てました。
一方、オクス駅の周辺では以前ナヨンが事実誤認した人物や証言を拒否したウウォンの同僚が謎の怪死を遂げていました。そしてウウォンもまた呪いにかかり、爪の痕が刻まれていました。ウウォンは以前目撃した子どもの服につけられていたタグに書かれていた「4桁の数字」を口にしてしまったのです。その頃、ナヨンのもとに再びテヒが訪れ、亡き父の遺品を整理しているうちに少しだけ記憶が戻ったと打ち明けました―――。
―――テヒは自殺したテホとは血の繋がりはなく、亡き父(テホの父)は実の父ではありませんでした。テホの父はかつて井戸の近くにあった児童養護施設を経営しており、様々な事情で育てられなくなった子どもたちを親から引き取っていました。しかし、テホの父は引き取った子どもたちを臓器売買要員として売り飛ばしており、証拠隠滅のため子どもたちを井戸に閉じ込めていたのです。テヒもまた井戸に入れられていたのですが、テホが父に泣きついてまで頼んだので井戸から引き上げられたのです。
子どもたちの服にはタグがつけられ、子どもたちは名前ではなくタグに書かれた「4桁の数字」で呼ばれていました。子どもたちは数字が呼ばれたら井戸から出してもらえると頑なに信じていたのですが、テホの父は非情にも子どもたちを生きたまま井戸に生き埋めにしたのでした―――。
―――事情を知ったナヨンは子どもたちを成仏させれば事件は解決すると考え、ウウォンと共に廃駅の井戸へと向かいました。井戸の下を掘り起こしたところ、地中から大量の白骨が発見されました。その時、土の中から沢山の子どもたちが這い上がってナヨンとウウォンを取り囲み、けたたましい金切り声を上げました。
ナヨンは必ず真相を公表して子どもたちの無念を果たすと約束すると、子どもたちは姿を消しました。ナヨンは警察に通報し、これで呪いは終わったかと思われました。しかし、ウウォンの呪いはなぜか解けていませんでした。
オクス駅お化けの結末
恐怖に怯えるウウォンは湯灌師に相談したところ、呪いは人にうつすことができることを教えられました。その方法は事件を知る人物に「4桁の数字」を言わせることでした。ウウォンはナヨンに新しい携帯電話を契約したから番号を教えると嘘をつき、ナヨンに「4桁の数字」を言わせました。ナヨンがウウォンの嘘に気づいた時には既にナヨンの体には爪の痕がついていました。
ナヨンは湯灌師から呪いをうつす方法を聞き出し、モ社長に呪いをうつす決意をしました。モ社長はナヨンの手柄を勝手に奪い取って記事を掲載したのですが、肝心の井戸の話は一切ありませんでした。実はモ社長もまたかつて井戸の記事を書こうとしたのですが、上層部から却下された過去がありました。
モ社長によって自宅待機の処分を受けたナヨンは退職届を手にし、モ社長のもとに乗り込みました。そしてナヨンはモ社長が頑なに井戸の記事を公表しないのはテホの父による臓器販売の事実を隠蔽するためだと切り出し、白を切るモ社長にこの数字を読んだら退職届を出すと行ってメモに書かれた「4桁の数字」を読ませました。
ナヨンはモ社長の机に退職届を置いてその場を立ち去り、モ社長の断末魔の叫びが背後から轟いても決して振り向くことはありませんでした。
以上、映画「オクス駅お化け」のあらすじと結末でした。
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