蝶の眠りの紹介:2017年日本,韓国映画。5年ぶりに映画主演を務めた中山美穂と、韓国俳優のキム・ジェウクとが共演した大人のラブストーリー。アルツハイマー病に侵された女性が人生の最後をどう迎えるか、そして年の差を超えた究極の愛が描かれている。
監督:チョン・ジェウン 出演者:中山美穂(松村涼子)、キム・ジェウク(ソ・チャネ)、石橋杏奈(アンナ)、菅田俊(綾峰龍二)、勝村政信(石井)、永瀬正敏(大村)、ほか
映画「蝶の眠り」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「蝶の眠り」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
蝶の眠りの予告編 動画
映画「蝶の眠り」解説
この解説記事には映画「蝶の眠り」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
蝶の眠りのネタバレあらすじ:起
小説家として成功を収めた松村涼子(中山美穂)は、友人の大学教授・石井(勝村政信)を通じて大学院の特別講師をすることになりました。初めての授業を終えた日、石井と学生のアンナ(石橋杏奈)と居酒屋へ行った涼子は、アルバイト店員として居酒屋で働いていた韓国人留学生のソ・チャネ(キム・ジェウク)と出会います。
食事を終えた涼子は一旦は帰宅しますが、夜中に再び閉店後の居酒屋へ戻ってきます。「万年筆を無くしたの!」とパニックになり、必死で探し回る涼子。結局見つけることができずに涼子は仕方なく帰ることにしました。
その後、チャネは店長(永瀬正敏)が万年筆を持っていることを知って、涼子の家へ届けることにします。万年筆が見つかり大喜びする涼子。涼子は飼っている犬・トンボの散歩をしてほしいとチャネに頼み、週に一度お金を渡して散歩をしてもらう約束をしました。
後日トンボの散歩から帰ったチャネは、書斎にある本棚の整理を頼まれます。「視覚的に美しく本を整理をしてほしい。」と頼まれたチャネは、その日から色別で分けて本の整理をすることになりました。
蝶の眠りのネタバレあらすじ:承
涼子には、別れた夫・綾峰龍二がいました。彼は作家であり、涼子の師でもあります。龍二の新作発表に顔を出した涼子は、自分が遺伝性のアルツハイマー病を発症していることを明かします。まだ初期の段階ですが、次第に龍二との記憶も失うだろうと伝える涼子。
数日後、涼子はチャネが整理している本棚を見て感動します。「これからは、本は観賞用よ。」と話す涼子に、チャネは本棚を整理しながら刺激を受けた話をしました。すると、涼子が自分の代わりにパソコンで原稿を打ってほしいと頼みます。
いつも原稿を手書きしている涼子ですが、元々手首が弱く自分が録音した音声をもとに、チャネにパソコンで打ち込んでほしいと依頼しました。
これまでは居酒屋の倉庫で寝泊まりしていたチャネは、涼子の計らいで彼女の自宅の一室に寝泊まりするようになります。
涼子が録音した音声をパソコンに書き起こしていくチャネ。涼子は自分の作品をどう思うかチャネに尋ねながら、二人で作業をすすめます。
ある日の大学の講義で、生徒たちに自由に小説を書くよう指示した涼子。しかし生徒たちの書いたものの中に、一枚も魅力を感じるものはなく、涼子はすべてをシュレッダーにかけてしまいます。そして次の講義でそのことを伝え、怒って教室を出て行く涼子。アンナは帰る涼子を追いかけ、「もっと一生懸命取り組むべきでした。」と謝ります。
涼子は「みんなにもう一度書き直すよう伝えて。それから次の授業を考える。」と言って、さっさと大学を後にしました。しかしその後すぐに歩道橋を渡っていた涼子は、激しいめまいに襲われます。すると偶然チャネが通りかかり、腕を掴ませてもらい家まで帰ることにしました。
家に着くと涼子は、自分がアルツハイマーだと打ち明けます。そして、「講義中に急に怒ってしまったのも、もしかすると病気の一つかもしれない…」と告白する涼子。
蝶の眠りのネタバレあらすじ:転
その後チャネは、遺伝によるアルツハイマー病は、発症から三年で死に至る病気で、治療法がないことを本で知りました。
そんなある日、病院へ出かけた涼子ですが、家のドアを開けたまま出かけてしまい、家に帰るとトンボがいなくなっています。パニックになる涼子はチャネに電話をして、トンボを探すよう指示しました。そして元夫の龍二に連絡をとった涼子。龍二からは「涼子の病気の進行が、ここまで速いとは思っていなかった…」と言われ、療養所に入ることをすすめられます。
その夜、錯乱状態となった涼子はハンマーで庭の水道の蛇口を壊してしまいます。すると水があふれ出し、びしょ濡れになる涼子。そこへ異変を察知したチャネが駆けつけました。自分がどうすればいいのかわからずパニックになる涼子。「一人にしないで…」とチャネにすがりつき、二人はそのままキスをしました。そしてその夜、男女の関係になった二人。
その後も涼子の録音したものを元に、パソコンに打ち込むチャネ。二人で共に過ごす時間も増え、楽しいひと時を楽しんでいたのですが、二人の関係がアンナにばれてしまいます。石井もそのことを知って激怒し、チャネを家から追い出すよう説得しました。
しかし涼子は、「最後の小説を手伝ってもらっているだけ…」とシラをきります。学校にばれると大変なことになると焦る石井に、涼子は「小説を書き終えるまで、あと少し待ってほしい。」と頭を下げました。
蝶の眠りの結末
次第に体調にも異変が生じ、小説の内容もちぐはぐなものへとなっていきます。そして幻聴や幻覚に悩まされるようになる涼子。それでも何とか小説を完成させた涼子は、ある日チャネに「デートに行ってくる。」と言って、龍二と二人で出かけて行きました。記憶がなくなる前に、チャネとの関係を終わらせて、療養所に入ろうと考える涼子。しかしそのことをチャネは知っていました。
夜遅くに帰ってきた涼子は、チャネにもう関係を終わりにしようと伝えます。しかしチャネは納得しません。涼子は「これ以上はチャネに迷惑をかけたくない…」と言いますが、「本当の迷惑って、何かわかっているんですか?」と声を荒げるチャネ。涼子はこれまでの仕事に対する気持ちだと言ってお金を渡しますが、怒ったチャネは荷物をまとめて家を出て行きました。
そして数日後、チャネの元を龍二が訪ねてきます。「涼子に会ってほしい」と頼む龍二ですが、チャネは首を縦に振りません。お金も受け取らなかったチャネに、龍二は涼子の万年筆を手渡しました。
涼子が療養所に入る日、チャネは久しぶりに彼女の家へ行きました。すると龍二に手を引かれた涼子が出てきて、一瞬目が合います。しかし涼子はチャネを認識していない様子で、チャネは声をかけることができません。そして涼子をのせた車が走り出し、それを追いかけるチャネ。
その後、涼子とのことを振り返るように、万年筆を使って一心不乱にノートに書き始めるチャネ。
数年後、彼は小説家としてデビューしていました。久しぶりにアンナと会ったチャネは、涼子と共に書いた小説を受け取ります。自分がパソコンで書き起こした作品なのですべて知っているはずですが、なぜか涼子がチャネに書き直しを命じた個所が、再び誤って印刷されているのを見つけます。
しかしこれは誤りではなく、実は涼子が小説にチャネの痕跡が残るよう、もう一度出版社を通じて直させていたことを知るチャネ。小説の中に自分の痕跡を見つけたチャネは、涼子の家を訪れます。するとそこは「偶然の図書館」という、市民が自由に本を楽しめる空間となっていました。
その後、チャネは涼子の療養所を訪れます。車いすに乗り、うたた寝する涼子を見つけたチャネは声をかけます。しかし涼子はチャネのことを覚えていない様子です。それでも涼子はかつて録音したものをチャネに聴かせ、そこには「記憶がなくなっても、愛する人のことは覚えている。」と涼子の声が入っていました。
チャネは、療養所に来ることが遅くなったことを後悔し、いつまでも涼子の前で涙するのでした。
以上、映画「蝶の眠り」のあらすじと結末でした。
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