最後の決闘裁判の紹介:2021年アメリカ映画。14世紀末、フランス。戦地から帰還した騎士ジャン・ド・カルージュは、妻から強姦されたことを聞かされる。しかも犯人は従騎士のジャック・ル・グリ。カルージュはル・グリを処刑することを望むが、ル・グリは無罪を主張し、目撃者もいない。そこでカルージュは、国王シャルル6世に決闘での決着を直訴。カルージュとル・グリはどちらかが倒れるまで闘うことになる。実話をもとに歴史を変えた世紀のスキャンダルを描く。
監督:リドリー・スコット 出演:マット・デイモン(ジャン・ド・カルージュ)、アダム・ドライバー(ジャック・ル・グリ)、ジョディ・カマー(マグリット・ド・カルージュ)、マートン・チョーカシュ(クレスピン)、マイケル・マケルハットン(バーナード・ラトゥール)、クライヴ・ラッセル(王の伯父)、ベン・アフレック(アランソン伯ピエール2世)ほか
映画「最後の決闘裁判」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「最後の決闘裁判」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
最後の決闘裁判の予告編 動画
映画「最後の決闘裁判」解説
この解説記事には映画「最後の決闘裁判」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
最後の決闘裁判のネタバレあらすじ:起・ジャン・ド・カルージュの証言
1386年パリ。
観客席にフランス国王シャルル6世と多くの見物客が埋め尽くす決闘場に、馬に乗ったジャン・ド・カルージュとジャック・ル・グリが対峙していました。
これから生死をかけた決闘裁判がはじまろうとしていました。
カルージュとル・グリはかつて互いに命を助け合った戦友でした。ル・グリはピエール伯に仕えており、金を集める能力などから一目置かれていました。
その後カルージュはロベール・ド・ディボヴィルの娘、マグリットと知り合います。
美しいマグリットを一目見た瞬間から心を奪われたカルージュは結婚することに。金銭的に窮地に瀕していたカルージュでしたが、マグリットの持参金によってしのぐことができ、幸せな日々を送ることができました。
しかしある日、カルージュが所有する予定だった一部の土地が、突然ル・グリのものになっているという出来事が起こりました。ピエール伯の仕業でした。
さらには長官だった父親を亡くした後、息子であるカルージュが後を継ぐ予定でしたが、ピエールはル・グリを任命。カルージュは激高しました。
こうしてしばらく疎遠になった2人でしたが、旧友の出産祝いで再会するカルージュとル・グリ。2人は固い握手を交わし和解しました。マグリットは慣例にならってル・グリに口づけをし、誠意の証を見せました。
翌年1385年。
フランス軍として苦しい戦いを生還したカルージュは、パリで騎士の称号と給金を受け取り帰宅すると、マグリットから侵入してきた男に強姦されたことを聞かされます。しかも相手はル・グリでした。カルージュは「必ず報いをうけさせる」と言い、マグリットを強く抱きしめました。
カルージュは知人を集め、マグリットの強姦の噂を広めるよう依頼しました。ピエール伯が審問を開かざるを得ない状況にさせようとしていたのです。さらには、適当な審問にさせないよう、フランス国王直々に、封印されていた決闘裁判を承認してもらえるよう訴えました。
審理は開かれました。カルージュは挑戦の決意として、手袋を床に投げました。
シャルル6世はこれを容認。決闘裁判が行われることになりました。
最後の決闘裁判のネタバレあらすじ:承・ル・グリの証言
カルージュが所有する予定だった土地をめぐって、彼はひどい態度でピエール伯の怒りを買い、役人でありながら政治から遠ざけられていました。
ル・グリは端麗な顔立ちで教養高く、聖職者の資格も持っており、ピエール伯腹心の従者でした。彼は友人として常にカルージュを守ってはきましたが、ついに限界に達し決別することに。
再会したのは1年後、旧友の従騎士の出産祝いパーティでした。2人は握手を交わし和解。誠意の証として、マグリットがル・グリに口づけをした瞬間、ル・グリは激しい感情がわき起こってくるのを感じました。
その後、マグリットが一人で屋敷にいることを知ってか知らずしてか、ル・グリがやってきました。
「あなたを愛している」ル・グリからの突然の告白に、うろたえ拒絶するマグリットでしたが、ル・グリはそんな彼女を前に激情に駆られ犯しました。
「互いのために誰にも言うな」ことが終わると、そう言い捨て彼は去っていきました。
その後、ピエール伯から呼び出されたル・グリは、マグリットを強姦した噂が広まっていることを知らされます。
ル・グリは「行為はあったが愛だ」と訴えました。
ピエール伯は、裁判で容疑を否定するよう伝え、「裁くのは私だ」と微笑みました。
しかし、審問会で無罪を言い渡そうとするピエールのもとに家臣がやってきて、カルージュが国王に上訴したことを知らせました。カルージュに先回りされたことにピエールは苦しい表情を見せました。
その後、審理は開かれました。ル・グリは、シャルル6世の前で全て否定し、カルージュによって床に投げられた手袋を拾いました。
シャルル6世容認のもと、決闘裁判が行われることになりました。
最後の決闘裁判のネタバレあらすじ:転・マグリットの証言
マグリットは多額の持参金とともに、ジャン・ド・カルージュと結婚しました。
しかし、ほどなくすると彼女はこの結婚に不安を覚えることになります。
一部の土地が自分の手に入らないと知り激怒するカルージュの姿に、マグリットは恐怖を抱きました。また、彼に愛を持って抱かれたことはなく、常に子作りのための一方的な行為だったことも深く傷つけられていました。そしてなかなか子供を授かれないことにも苦しみ、カルージュの母親からも嫌味を言われていました。
そんな中、一人家に残されたマグリットを訪ねてル・グリがやってきました。
「あなたを愛している」突然のル・グリの告白に、拒絶するマグリット。
暴れる彼女を無理や犯し、満足を得ると「悪く思うな。互いのために誰にも言うな。共に快楽に溺れた」と言い残し彼は去っていきました。
パリにて高等法院が開かれました。
証言台に立たされたマグリットは妊娠していました。
しかし、質問されたのは「襲われた際に快楽を感じたか」「夫との性交に愛はあるか」「頂点に達したことはあるか」など屈辱的なことばかり。マグリットは「快楽なんて感じない!」と涙ながら叫びました。
シャルル6世はマグリットに確認しました。
「決闘裁判になれば、夫が負けた場合あなたは丸裸にされ生きたまま焼かれるがいいか」と。
マグリットは初めて聞く内容に驚きを隠せませんでしたが、真実を貫くこと決意を表し、シャルル6世は決闘を認めました。
最後の決闘裁判の結末:決闘裁判
1386年12月28日。
ついに決闘の日がやってきました。無事に生まれた赤ん坊を抱いたマグリットは、「愛する息子を生んだのに、成長が見届けられないなんて…。知っていれば多くの女性と同じように黙っていた」と言い涙を流しました。
観客席にフランス国王シャルル6世と多くの見物客が埋め尽くす決闘場に、馬に乗ったカルージュとル・グリが向かい合いました。
こうして決闘裁判ははじまりました。激しく馬上で突き合い死闘が繰り広げられると、共に刺され投げ出されました。それでも2人は取っ組み合い、殴り、殺しにかかります。
ル・グリはカルージュの脚をめがけてナイフを突き立て大きなダメージを与えます。誰もがカルージュの絶命を想像しましたが、しぶとく形勢を逆転させたカルージュは渾身の一撃でル・グリの命を奪いました。
カルージュとマグリットは馬に乗せられ、決闘場を出ました。
観衆からの拍手と歓声を受け、カルージュは誇らしげル・グリを仕留めたナイフを高々と上げました。
それから数年後。
庭で遊ぶ子供を温かい眼差しで見守っているマグリットの姿がありました。
カルージュは決闘裁判後の戦争で命を落としました。マグリットは夫亡きあと、二度と結婚することはありませんでしたが、穏やかな余生を過ごしました。
以上、映画「最後の決闘裁判」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する