テリー・ギリアムのドン・キホーテの紹介:2018年スペイン,ベルギー,フランス,イギリス,ポルトガル映画。『未来世紀ブラジル』や『12モンキーズ』などを手掛けた巨匠テリー・ギリアム監督が幾度に渡る製作中止などの危機を乗り越え、構想から30年を経てようやく完成させた渾身のファンタジー・アドベンチャー・コメディ作品です。ミゲル・デ・セルバンテスの代表作『ドン・キホーテ』の舞台を現代に置き換え、自分をドン・キホーテと信じて疑わない老人と若手映画監督の奇妙な旅路を描きます。
監督:テリー・ギリアム 出演者:ジョナサン・プライス(ハビエル/ドン・キホーテ)、アダム・ドライバー(トビー)、オルガ・キュリレンコ(ジャッキ)、ステラン・スカルスガルド(ボス)、オスカル・ハエナーダ(ジプシー)、セルジ・ロペス(農家)、ロッシ・デ・パルマ(農家の妻)、ジェイソン・ワトキンス(ルパート)、ジョアナ・リベイロ(アンジェリカ)、ジョルディ・モリャ(アレクセイ・ミシュキン)ほか
映画「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
テリー・ギリアムのドン・キホーテの予告編 動画
映画「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」解説
この解説記事には映画「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
テリーギリアムのドンキホーテのネタバレあらすじ:起
CM監督のトビーは、スペインでドン・キホーテを題材にしたCMを撮っていましたが、現地のスペイン人スタッフと折り合いがつかず、トビーもやる気がなく撮影に行き詰まりを感じていました。
その後、ボス(ステラン・スカルスガルド)から企画会議を兼ねた夕食会に招かれたトビーは、撮影を中止にしたいと嘆いていたところ、ジプシーという人物(オスカル・ハエナーダ)からDVDを売りつけられました。それは、トビーが学生時代に卒業制作映画として撮った、ドン・キホーテを題材とした映画『ドン・キホーテを殺した男』のDVDでした。
その夜、トビーはボスの妻ジャッキ(オルガ・キュリレンコ)の部屋に招かれて誘惑されますが、構わずにこの映画を観ていました。そこに出張に行っているはずだったボスが戻ってきたため、トビーは急いで部屋から逃げ出しました。
この映画を撮ったのは10年ほど前のことでした。スペインのとある村を訪れたトビーは、現地の靴職人ハビエル(ジョナサン・プライス)にドン・キホーテを演じてくれるよう頼み、酒場の主人ラウル(ホヴィク・ケウチケリアン)の娘で村一番の美女であるアンジェリカ(ジョアナ・リベイロ)を口説き落としてヒロインのドゥルシネーア役に抜擢したのです。完成した映画は栄誉ある賞を受賞するなど大絶賛され、トビーは勢いに乗ってハリウッドで成功することを夢見ましたが、現実は使い勝手のよいCM監督に収まってしまっていたのです。
テリーギリアムのドンキホーテのネタバレあらすじ:承
翌朝、トビーはこの映画を撮ったロケ地が近くの村だったことを思い出し、単身足を運んでみました。久しぶりにラウルの酒場を訪れたトビーでしたが、アンジェリカは映画撮影後にスター女優になることを夢見て大都会マドリードに飛び出していったことを知らされました。
その後、「ドン・キホーテは生きている」という看板を見つけたトビーは、狂人扱いされて村はずれの小屋に監禁されていたハビエルと再会しました。トン・キホーテの衣装をまとったハビエルは、何と自分のことを完全にドン・キホーテ本人だと信じ込んでしまい、トビーをドン・キホーテの忠実な部下サンチョ・パンサだと思い込んで、ここから出してくれと強引に頼み込みました。
ところが、トビーが村人と揉み合いになっている際に、ランプの火が小屋に引火、小屋は全焼してしまいます。撮影現場に逃げ帰ったトビーでしたが、村人がトビーのバイクのナンバーを控えていたことにより、待ち構えていた警察から事情聴取を求められました。
トビーは、前夜にジャッキの部屋に入った泥棒として逮捕されていたジプシーと共に連行されようとしたその時、愛馬ロシナンテに跨がったハビエルが現れ、どさくさに紛れてジプシーは逃亡しました。トビーは警察の追跡を逃れるため、ハビエルと共に旅に出ることにしました。
テリーギリアムのドンキホーテのネタバレあらすじ:転
旅の途中、ハビエルは風車が女性を襲おうとしていると勘違いしてしまい、突撃して怪我を負ってしまいます。トビーはハビエルを連れてこの女性の住む村へ運び込みますが、この村はイスラム教徒の住む村であり、イスラム過激派のテロリストの拠点ではないかと怯えてしまいます。
その夜、トビーはまるでスペイン宗教裁判のように異教者の取り締まりが行われている様子の夢を見ました。
翌朝、地元警察が不法移民の取り締まりに村に現れ、トビーとハビエルは村を離れて再び旅に出ました。その途中、スペインの金貨を見つけたトビーは岩場に隠そうとして転落してしまい、偶然にもアンジェリカと再会を果たしました。
アンジェリカはウォッカで財を成したロシア人のミシュキン(ジョルディ・モリャ)に囲われており、彼女の身体にはミシュキンにつけられたものとみられる無数のアザがありました。しかし、二人のやり取りを盗撮している者がおり、それに気づいたアンジェリカはその場を立ち去りました。
トビーはアンジェリカの後を追いましたが追い付けず、代わりに近くの村へと辿り着きました。ところが、その村にはハビエルを連れ返すために地元の村人が待ち伏せしており、ハビエルは村人たちと決闘になりました。
テリーギリアムのドンキホーテの結末
トビーとハビエルは旅を続けますが、今度はジャッキと再会してミシュキンの城へ連れて行かれました。そこではボスがミシュキンから出資を得ようとしており、ハビエルを面白がったミシュキンは実際の「ドン・キホーテ」をモチーフにした演劇を作り上げてからかいました。
トビーはアンジェリカを連れて逃げようとしましたが失敗、アンジェリカは連れ去られてしまいます。アンジェリカがミシュキンに殺されるのではないかと思ったトビーは、ジプシーの手招きで城に忍び込みますが、誤ってジャッキの部屋に入ってしまい、トビーとジャッキが揉み合いになっているのを見たハビエルは駆け付けようとして部屋から転落してしまいます。
ハビエルは死の間際、自分は靴職人のハビエルであること、そしてドン・キホーテは単なる役だと理解していたことをトビーに打ち明け、自らのサーベルを託して息を引き取りました。トビーとアンジェリカはハビエルの遺体を葬るため、彼の故郷の村まで旅をすることにしました。
その途中、トビーは何と風車を巨人だと思い込んで戦い始めてしまい、その様子からアンジェリカはトビーが新たな「ドン・キホーテ」になったことに気付きました。アンジェリカは自らサンチョ・パンサ役を買って出て、トビーと共に旅を続けることにしました。
以上、映画「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する