くまのプーさん 完全保存版の紹介:1977年アメリカ映画。ディズニーの数あるキャラクターの中でも絶大な人気を誇る「くまのプーさん」。今回は1966年公開の「プーさんとはちみつ」、1968年の「プーさんと大あらし」、1974年の「プーさんとティガー」といった3本の短編アニメ作品を繋ぎ合わせて再編集した、シリーズ初の長編作品です。
監督:ウォルフガング・ライザーマン、ジョン・ラウンズベリー 声優:スターリング・ホロウェイ(プーさん)、ブルース・ライザーマン(クリストファー・ロビン)、ジョン・ウォルムスリー(クリストファー・ロビン)、ティモシー・ターナー(クリストファー・ロビン)、ジョン・フィードラー(ピグレット)、ポール・ウィンチェル(ティガー)、ジュニウス・マシューズ(ラビット)、ラルフ・ライト(イーヨー)、バーバラ・ルディ(カンガ)、クリント・ハワード(ルー)、ドリ・ワイカー(ルー)、ハル・スミス(オウル)、ハワード・モリス(ゴーファー)、セバスチャン・キャボット(ナレーション)ほか
映画「くまのプーさん 完全保存版」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「くまのプーさん 完全保存版」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
くまのプーさん 完全保存版の予告編 動画
映画「くまのプーさん 完全保存版」解説
この解説記事には映画「くまのプーさん 完全保存版」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
くまのプーさん 完全保存版のネタバレあらすじ:『オープニング』
(実写パート)
ここはごく普通の少年クリストファー・ロビンの部屋。所狭しと様々な動物のぬいぐるみやおもちゃに囲まれています。なかでも一番のお気に入りは何といっても「くまのプーさん」です。
クリストファー・ロビンはプーさんをはじめとする様々なぬいぐるみで遊び、本を読みながら空想の世界を思い描くことが大好きです。ナレーションは観客を本の世界へと誘っていきます。
くまのプーさん 完全保存版のネタバレあらすじ:『プーさんとはちみつ』
(ここからアニメパート)
物語の舞台は“100エーカーの森”と呼ばれる自然豊かな森。プーさんは木の根っこに作った家に“サンダース”と表札を掲げて暮らしています。毎日決まった時間に時計が合図をしてくれるのですが、プーさんは何をしてよいのかわかりません。やがてプーさんは、この時間が体操をする時間であることを思い出し、鏡の前で歌を歌いながら体操を始めました。途中で背中が綻んでもすぐ結び直し、お腹が空いてきたので大好物のはちみつにありつこうとしました。ところが、あいにくはちみつを切らしてしまったようです。
そんなプーさんの前に一匹のミツバチが現れ、プーさんはハチに誘われるかのように歌いながらはちみつを求めて高い木によじ登り始めました。しかし、あと一歩でミツバチの巣穴というところで枝がポキッと折れてしまい、プーさんは真っ逆さまに木から落っこちてしまいます。どうしてもはちみつを諦めきれないプーさんは、大の親友である人間の少年クリストファー・ロビンを頼ることにしました。
その頃、困っている動物たちを見ると放っておけないクリストファー・ロビンは弱気なロバのイーヨーに尻尾をつけてあげていました。プーさんは彼のもとを訪れるなり、青い風船を貸してほしいと頼みました。プーさんはこの風船で空を飛んで再びミツバチの巣穴へ行こうとしているのです。プーさんはミツバチにバレないよう自ら泥水を浴びて黒い雨雲に成りすますとクリストファー・ロビンの手助けで空へと舞い上がっていきました。
ミツバチの巣穴へと辿り着いたプーさんは早速中に手を突っ込み、はちみつを大量のミツバチごと口に入れてしまったのです。何とかハチたちは口から吐き出したもののすっかり怒らせてしまい、逃げたプーさんは風船の空気もなくなり、何とかクリストファー・ロビンに助けられました。
それでもはちみつを諦めきれないプーさんは、ちょうどパンにはちみつをつけて食べようとしていたうさぎのラビットの家を訪れました。ラビットはせっかくのごちそうを取られたくないと慌てて隠し、居留守で逃げ切ろうとしましたがすぐにバレてしまいます。ラビットは仕方なくプーさんに食事をおごることにすると、プーさんは調子に乗って家中のはちみつ全てを平らげてしまいました。しかし、帰ろうとしたプーさんはお腹が出入り口につっかえて出られなくなってしまいました。ラビットは裏口からクリストファー・ロビンに助けを求めにいっている間に、見かねたフクロウのオウルが穴掘りの名人であるアメリカン・ジリスのゴーファーに救助を依頼しましたが、ゴーファーが報酬を要求したことから話はパーになってしまいます。そこへようやくクリストファー・ロビンが駆け付けるもプーさんを引っ張り出すことができず、仕方なくお腹がへこむまでそのままじっと待つことになりました。ラビットはプーさんにはちみつをごちそうしたことを後悔しました。
数日後、ようやく少しずつプーさんの身体が穴から動かせるようになり、クリストファー・ロビンや森の仲間たちは一生懸命プーさんを穴から引っ張り出しました。しかし、プーさんは勢い余って空高く投げ出されてしまい、そのまま木のてっぺんにあるミツバチの巣穴にハマってしまいます。しかし、中にははちみつがたっぷりあり、プーさんは大喜びではちみつにありつくのでした。
くまのプーさん 完全保存版のネタバレあらすじ:『プーさんと大あらし』
ある初冬の日。プーさんは歌いながら冷たく強い風の中を歩いていきます。やがてじっくり何やら考え込み始めたプーさんの前にゴーファーが現れ、結局考えることをやめたプーさんに「俺だったら、早く逃げ出さなきゃって考えるけどな。今日は風の日だからな」と忠告しました。しかし、能天気なプーさんは「森のみんなに“風の日、おめでとう”って言わなきゃ」と思い立ち、まずは大の仲良しであるコブタのピグレットに伝えに行くことにしました。
その頃、100エーカーの森の真ん中にあるブナの木の根元の家に住むピグレットは玄関先の掃除をしていました。そこにプーさんが現れ「風の日おめでとう」と伝えますが、掃除に手こずっていたピグレットは「僕、あんまりおめでたい気分じゃないけど」と返しました。プーさんは森の仲間たちに「風の日おめでとう」と言って回るものの、風に吹き飛ばされそうになったピグレットを助けるのに精一杯になっていました。やがてプーさんも風に飛ばされ、辿り着いた先は高い木の上にあるオウルの家でした。二人は家に入れてもらい、プーさんははちみつをごちそうになりますが、風はますます勢いを増してオウルの家を木ごとなぎ倒し、家は全壊してしまいました。様子を見に来たクリストファー・ロビンはもうこの家は修復不可能だと判断、イーヨーは新しい家を探しに行くことにしました。オウルは仕方なく集まったみんなに昔話を聞かせるのでした。
その夜、自宅で寝床に着いたプーさんは今まで聞いたことのないような不気味な声を聞きました。どうやら仲間たちではないようで、プーさんはおもちゃのライフルを手に恐る恐る外の様子を見に行きました。そこへ転がり込んできたのは声の主であるトラのティガーであり、ティガーは勝手に家の中でピョンピョンと跳ね出し、挙句の果てにはプーさんのはちみつに手をつけてしまいます。ティガーははちみつを泥棒の“ズオウ”と“ヒイタチ”が狙っていると忠告して去っていき、プーさんははちみつを守ろうと寝ずの番をしていましたが結局眠り込んでしまい、夢の中で自由自在に姿形を変えるズオウとヒイタチに翻弄されました。窓の外は非常に強い雨が降り始め、プーさんが目を覚ました頃には家じゅうが水浸しになってしまっていました。
100エーカーの森全体は激しい雷雨により大洪水に見舞われてしまい、森の仲間たちは唯一難を逃れたクリストファー・ロビンの家へと避難してきました。クリストファー・ロビンはピグレットが助けを求める手紙を入れた瓶を見つけたことからオウルが助けに向かい、洪水の中に漂流していたピグレットとプーさんを発見するのですが、二人は滝に転落してしまいます。間一髪でプーさんのはちみつの壺に入り込んで命拾いしたピグレットはプーさんともどもクリストファー・ロビンに助けられ、プーさんはピグレットの命を救ったとして讃えられました。やがて洪水が引いた森では、クリストファー・ロビンの提案でプーさんを英雄として讃えるパーティーが開かれましたが、そこに現れたイーヨーがオウルの新しい家を見つけたと告げてきたので、みんなはイーヨーに案内されてその家に向かいました。何とその家はピグレットの家だったのです。ピグレットは苦渋の決断の末に自分の家をオウルに譲ることにし、プーさんと一緒に暮らそうという誘いを受け入れました。森のみんなはピグレットも英雄として讃え、みんなで森をパレードして回るのでした。
くまのプーさん 完全保存版のネタバレあらすじ:『プーさんとティガー』
ある冬の日。プーさんはいつもの場所で考え事をしていると、そこにティガーがピョンピョンと跳ねながらやってきました。ティガーはプーさんと同居を始めたピグレットの前にも現れ、他の森の仲間たちの前でも陽気に飛び跳ね回っていました。しかし、ティガーは勢い余ってラビットが丹精込めて栽培していた野菜畑を荒らしてしまい、せっかくの作物も台無しにされてしまいました。しかし、ティガーは全く悪びれる様子もないことから、ラビットはプーさんとピグレットを呼んで対策会議を開き、ティガーを探検と称して今まで一度も言ったことのない場所に連れ出し、置き去りにする作戦を立てました。翌日に迎えに行けばさすがのティガーも大人しくなっているだろうと考えるラビットでした。
翌日、ラビットたちは霧が立ち込める見知らぬ森にティガーを連れ出し、彼が飛び跳ねている隙に姿を隠してやり過ごそうとしましたが、一行は霧のせいで道に迷ってしまい、ラビットと二手に分かれたプーさんとピグレットは何とティガーと遭遇してしまいました。森の生物たちに怯えてしまったラビットもティガーに助けられ、結局作戦は失敗に終わったのでした。
やがて100エーカーの森もすっかり雪景色に覆われていきました。そんなある日、カンガルーのカンガの息子ルーはティガーと遊びに出かけ、成り行きでラビットの家を滅茶苦茶にしてしまったあと、森の奥深くへと入りました。ティガーはルーにせがまれて木登りに挑みましたが、てっぺんに辿り着いたところで高所恐怖症のティガーは怖気づいてしまい、降りられなくなってしまいました。一方、ピグレットと雪道を散歩していたプーさんは二人の足跡に気付き、助けを求めるティガーとルーを発見しました。
ティガーとルーは駆け付けたクリストファー・ロビンたちに助けられ、ティガーはラビットからもう二度と飛び跳ねないと約束させられ、トボトボと肩を落として帰ろうとしました。しかし、ルーやクリストファー・ロビン、プーさんや仲間たちはその様子を可哀そうに思い、ラビットもみんなに押される形で渋々飛び跳ねることを許可するのでした。するとティガーはたちまち元気を取り戻し、最後はみんなで雪の中を飛び跳ねました。
時は流れ、クリストファー・ロビンはぷーさんら仲間と離れて学校に通い始めました。クリストファー・ロビンはプーさんに世界で一番好きなものは何かと尋ねると、プーさんは「僕が好きなのは君の家に遊びに行って、君が“はちみつはどうだい?”って言ってくれることさ」と応えました。最後にクリストファー・ロビンは、プーさんに「僕がいなくなっても、僕のことを忘れないでね」と告げ、プーさんが受け入れたところで本の世界は幕を閉じます。
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