名前の紹介:2018年日本映画。会社を倒産させてしまった正男は、今でも社長のままの見栄を張り、偽名を使っていい暮らしをしてるそぶりをします。そんな正男の前に、娘だと名乗る笑子という女子高生が現れます。父だと信じる笑子に、父のそぶりをする正男、やがて二人は真実を知ることになります。直木賞作家の道尾秀介の原案を映画化した、ヒューマンドラマです。
監督:戸田彬弘 出演者:津田寛治(中村正男)、駒井蓮(葉山笑子)、筒井真理子(香苗)、勧修寺保都(榎本翔矢)、松本穂香(小幡理帆)、内田理央(高野結衣)、西山繭子(葉山眞由美)ほか
映画「名前」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「名前」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「名前」解説
この解説記事には映画「名前」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
名前のネタバレあらすじ:起
茨城県の田舎の一軒家に住む、中村正男は、鈴木や吉川と名乗り、見栄を張り体裁を取り繕っています。正男の仕事は廃プラスティック再生工場のアルバイトです。社長には、妻が入院中と嘘をつき、久保という名前で仕事をさせてもらっています。
夜家に帰ると、一緒に住んでいる女がいて、何かふてくされて出て行きます。翌朝、生ごみが家の前に放置されていて、近所の人から苦情を受けます。会社では中年の従業員の女性が「久保さんの奥さんが入院している病院に、久保という患者はいない」と告げ口をします。社長に呼ばれた正男が万事休すの時、娘だと名乗る女子高生が現れ「お父さん!お母さんの病院かわったから今日は行く約束だったでしょう」と言ったのです。
このことで正男は、仕事を失わずにすみ、女子高生を車に乗せて送って行きます。女子高生の向かった先は、正男の家でした。二人でジュースを飲んだ後、正男は「一体どういう事なんだ、話してくれ」と女子高生に言います。
名前のネタバレあらすじ:承
「私の名前は葉山笑子です。おじさんは?」と聞きます。正男が「中村正男だ」と名乗ると、笑子は「久保、鈴木、吉川と名乗っているね」と何故か全て知っています。駅まで正男が送ると「土曜日ここで待ってるね」と言って笑子は帰って行きます。
土曜日、会社の同僚からの合コンを断った正男は笑子に会います。二人はボーリングへ行き、正男の家で夕食を二人で食べます。再び会った二人は釣りに行きます。釣り場の食堂で、正男は「会社を経営したいたが潰してしまった」と自分の事を少し話します。
同窓会に行った正男は、今でも会社社長として振る舞います。別れた妻の香苗を見つけ「もう一度やり直そう」と迫りますが、その気のない香苗は真剣に取り合いません。しつこく迫る正男に、誰かが「また結婚するのか?」と大声で言った事から、正男がキレて暴れ出します。家に帰った正男は笑子に電話をしますが、部屋の中でなっています。「忘れて帰ったのか」と言いながら見た笑子のスマホには、自分の事が”お父さん”として登録されていたのでした。
名前のネタバレあらすじ:転
笑子は高校で仲良しの理穂や結衣、そして理穂の彼氏の翔矢といつも遊んでいます。アパートでは母・眞由美と二人暮らしですが、スナック勤めの母は夜は不在で、いつも一人でした。
そんなある日、出て行った父から母にあてた手紙を見つけます。笑子の父は、妊娠中の母を捨てていなくなっていました。父の事を調べた笑子は、自宅が正男の家だという事を突き止め、様子を見ます。同棲中の女が生ごみを放り出し出て行くのを見ます。そして工場で、妻は病院にいないというやり取りを聞いた笑子が、正男が父だとわかり芝居をうったのでした。
理帆の彼氏の翔矢が笑子に告白します。それを知った理帆が笑子のカバンを窓から投げ捨てようとします。このことで気持ちに変化の出た笑子は、部活の演劇の練習で先輩からの指導に反発し、喧嘩をし飛び出してしまいます。アパートに帰ると、母に「お父さんに会いに行く」と言い、それを聞いた母は「私たちを捨てたお父さんは、もう死んでいるのよ」と言います。
笑子は雨に濡れながら正男の家に行きます。タオルで拭く正男に「お父さん、私はあなたの娘です。お母さんは葉山眞由美、知ってるでしょう。わたしお父さんが生きていてくれて本当にうれしかった。今度演劇を見に来てね、わたしの頑張っている姿を見てほしいの」と言います。正男は何も言えず、別の部屋へ籠りました。
名前の結末
部屋の祭壇の位牌に祈った後、正男は家主に「この家の前の住人の事を教えてください」と尋ねます。その後、今まで名前を偽っていた友人に「オレは中村正男だ」と言います。笑子は母のスナックを訪ねます。母は笑子に父の事を全て話します。
深夜、笑子は正男の家にやって来ます。正男は笑子を連れ歩きはじめます。夜も明けた頃、正男が「オレには元々かみさんがいて、会社を立ち上げた頃、かみさんが子供を授かった。オレは嬉しかった。ある日病院から電話が入り「すぐ来てくれ」と言われたが、仕事が忙しく、仕事を終わらせたから病院へ行った。かみさんはベッドで泣いていたんだ。死産だったんだよ。あの子が生きていたら、丁度君くらいになっているはずだ。オレの事をお父さんと携帯に入れているのを見たときは、娘かもしれないと思ったけど、オレは本当のお父さんじゃない。あの家で2年前に亡くなった山野さんという人が君の本当のお父さんだ」と言います。笑子は「知ってる」と言います。
正男は「お前には天国の本当のお父さんと、目の前の偽物のお父さんがいる。今から本当のお父さんの墓参りに行こう」と言います。正男は笑子を連れ墓参りをすると、そのまま学校へ送ります。演劇部のメンバーが正男を見て「お父さん?」と聞きます。返事をしない笑子に代わり、正男が「僕はお父さんじゃない」と言いました。
以上、映画「名前」のあらすじと結末でした。
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