身代わり忠臣蔵の紹介:2024年日本映画。『超高速!参勤交代』などを手がけた脚本家で小説家の土橋章宏が2018年に発表した小説を自ら脚本を手がけて映画化したコメディ時代劇です。今回は日本人ならば誰もが知る歴史的事件“忠臣蔵”を題材に、ムロツヨシ主演。時代劇『忠臣蔵』をモチーフに、吉良上野介と瓜二つの弟が上野介が刃傷事件で死亡し、兄の替え玉に仕立て上げられたことから起こる騒動を描きます。主演のムロツヨシは上野介と弟の二役を演じています。
監督:河合勇人 出演者:ムロツヨシ(吉良孝証/吉良上野介)、永山瑛太(大石内蔵助)、川口春奈(桔梗)、林遣都(斎藤宮内)、寛一郎(清水一学)、森崎ウィン(堀部安兵衛)、本多力(堀江半右衛門)、星田英利(原惣右衛門)、野波麻帆(大石りく)、橋本マナミ(高尾太夫)、板垣瑞生(加藤太右衛門)、廣瀬智紀(片岡源五右衛門)、濱津隆之(奥田孫太夫)、加藤小夏(春凪)、野村康太(岡野金右衛門)、入江甚儀(間十次郎)、尾上右近(浅野内匠頭)、北村一輝(徳川綱吉)、柄本明(柳沢吉保)、森七菜(ナレーション)ほか
映画「身代わり忠臣蔵」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「身代わり忠臣蔵」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「身代わり忠臣蔵」解説
この解説記事には映画「身代わり忠臣蔵」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
身代わり忠臣蔵のネタバレあらすじ:起
貧しい身なりの坊主が道行く人にお布施を頼んでいました。しかし、誰もお布施をくれないことから坊主は橋の上から飛び降りる素振りをして人の気を引こうとしました。ところが、坊主は誤って川に落ちてしまい、たまたま川で釣りをしていた一人の侍に助けられました。落ち込む坊主にこの侍は「無駄な命などない。必ず意味がある」と励ましました。この侍は赤穂藩筆頭家老の大石内蔵助であり、坊主は高家の吉良上野介の実の弟・孝証でした・・・。
時は元禄14年(1701年)。赤穂藩主の浅野内匠頭は朝廷からの勅使を接待する饗応役を担っていました。しかし、朝廷とのやり取りや儀式を担当する上野介は内匠頭に儀式のやり方を教えようとはせず、内匠頭の不満は募る一方でした。
その頃、孝証は実家の吉良家に金をせびりに訪れていました。孝証は兄の上野介とは折り合いが悪く、吉良家家老の斎藤宮内から馬小屋で寝るよう言われるなどぞんざいな扱いを受けていました。
そして同年3月14日。江戸城・松の廊下で内匠頭は上野介にからかわれたことから遂に怒りを爆発させ、刀を抜いて上野介の額と背中を斬りつけました。時の将軍・徳川綱吉の重臣である柳沢吉保はこの刃傷沙汰で上野介が死亡した場合は吉良家を取り潰すとしたことから、斎藤は急遽上野介にそっくりな孝証に金を出すので上野介に成りすましてくれるよう頼みました。
孝証は江戸城に連れていかれ、上野介と同じ箇所に刀傷をつけられました。孝証は斎藤の助言を受けながら何とか柳沢の尋問を乗り切りましたが、容体の悪化した上野介はそのまま死亡してしまいました。
身代わり忠臣蔵のネタバレあらすじ:承
刃傷沙汰を起こした内匠頭は切腹を命じられ、赤穂藩は取り潰しが決定しました。大石は急遽赤穂城に藩士たちを招集しましたが、藩士たちは上野介に仇討ちをすべきだという意見とお家再興を目指して大人しく城を明け渡すべきだという意見に分かれてまとまりませんでした。
その頃、孝証は斎藤から千両の報酬で当分の間上野介の身代わりを続けてくれるよう頼まれました。孝証は斎藤から上野介の日常の所作を教えられ、上野介は常に傲慢で侍女の桔梗にセクハラをしていたことを知りました。
その頃、浪人となった大石は江戸に来ていました。本来の坊主姿で吉原の遊郭で遊んでいた孝証は偶然にも同じく遊郭で飲んでいた大石と出くわし、大石が以前自分を助けてくれたことを思い出しました。兄のせいで苦労している孝証と内匠頭の事件で苦労している大石は意気投合しましたが、大石のもとには赤穂浪士たちが次々と訪れては吉良邸に討ち入りすべきだと主張していました。そのことを知った孝証は自分の身の上がばれないよう振る舞いつつ討ち入りは良くないと主張しました。
吉良邸に戻った孝証は斎藤に赤穂浪士が討ち入りを計画していることを伝えました。斎藤はお家再興を望んでいる赤穂浪士が討ち入りするはずはないと言いましたが、上野介の身代わりをしている孝証は自分の命が狙われているのだと怯えました。しかし、柳沢は大石が提出したお家再興の嘆願書を一蹴したことから、孝証は赤穂藩再興の望みが絶たれたことを危惧しました。斎藤は上野介が隠居して病死したことにするので今年いっぱいは身代わりを続けてくれるよう頼みました。
引き続き兄の身代わりを続けることになった孝証は、上野介が自分は贅沢な暮らしを送っていながら部下には質素倹約を強いていたことを知りました。そこで孝証は部下たちの俸禄を増やし、待遇を改善すると宣言して部下たちから喜ばれました。
身代わり忠臣蔵のネタバレあらすじ:転
柳沢は孝証に吉良邸を辺鄙な場所に移すよう命じ、そこで罠を張って赤穂浪士たちを一人残らず斬り捨てる作戦を提案しました。孝証は身代わりを降りて隠居しようとしましたが、斎藤は孝証に赤穂浪士が討ち入るまで身代わりをやってもらうと告げ、助っ人を雇って討ち入りへの対抗策を練ることにしました。
その頃、お家再興の望みが完全に絶たれた大石は討ち入りが避けられないことを悟り、妻子に罪が及ばないようにするために離縁することにしました。一方、孝証は大石に斬られる夢にうなされていました。桔梗は孝証が上野介の身代わりをしていることに気づいており、孝証のお陰でお家全体が明るくなったことに感謝しました。
孝証は大石に接近し、自分は上野介の弟であること、そして柳沢が罠を仕掛けていることを明かしました。討ち入りが不可避であることを知った孝証は死ぬのは自分ひとりでよいと自ら首を差し出す覚悟を伝え、大石も承知しました。
元禄15年(1702年)暮れ。赤穂浪士は吉良邸討ち入りの日を12月14日の夜明けと決めました。孝証は密かに大石に会い、吉良邸の見取り図を大石に渡して上野介の部屋から小屋に抜け穴があることを教え、吉良家は赤穂藩に悪いことをしたと謝罪して金を渡しました。孝証と大石は遺恨は自分たちで終わらせること、柳沢の企みを阻止することを確認し合い、吉良と赤穂の一世一代の大芝居を打つと誓い合いました。
身代わり忠臣蔵の結末
そして迎えた討ち入り当日。大石率いる赤穂浪士47名は吉良邸に乗り込みました。孝証は大石と打ち合わせた通りに助っ人たちの宿舎の戸を釘付けで塞ぎ、剣の使い手である清水一学に酒を飲ませて酔い潰させていました。
孝証は桔梗に今までよく尽くしてくれたことを感謝し、これからは好きに生きていくようにと別れを告げました。そして孝証は赤穂浪士の前に投降し、大石は浪士たちから上野介(孝証)を斬るよう促されましたがためらいました。そこに酔い潰れていたはずの清水が立ち上がって孝証を逃がし、孝証は上野介の部屋の抜け穴を通って小屋に入りました。
孝証は小屋に入ってきた大石に自分を斬るよう促しましたが、大石は小屋にある塩の袋に何かが隠されていることに気づきました。
小屋を出た大石は布に包んだ首級を掲げ、上野介を討ち取ったと宣言しました。赤穂浪士たちは首級を持って内匠頭の墓のある泉岳寺を目指しましたが、首級を取り戻そうと吉良家の武士たちが駆けつけて押し問答となりました。
実は大石が斬ったのは孝証ではなく、小屋の塩の袋に隠されていた本物の上野介の死体の首でした。斎藤はいつか葬式を営むために密かに上野介の死体を隠していたのです。孝証は上野介は初めて人の役に立ったと言い、大石と大芝居の成功を喜び合いました。そして吉良邸に戻った孝証は報酬はいらないからその金で部下たちを養うよう斎藤に命じました。
柳沢は無許可の仇討ちは打ち首だと綱吉に進言しましたが、綱吉は主君への忠義を貫いた赤穂浪士たちは丁重に扱うべきだと言い、大石たち赤穂浪士は打ち首ではなく切腹にするよう命じました。それからしばらくして、大石ら赤穂浪士たちの墓参りをした孝証と桔梗はこれからどうすべきかを話し合いながらその場を後にしました。
以上、映画「身代わり忠臣蔵」のあらすじと結末でした。
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