燃えよ剣の紹介:2020年日本映画。江戸時代末期、外国から日本を守る佐幕派と天皇を中心とした新政権を目指す倒幕派の対立が高まりつつあった時代。武州多摩のバラガキだった土方歳三は武士になる夢を抱き、近藤勇、沖田総司ら同志と共に京都へ向かう。失墜した幕府の威信を取り戻すべく、徳川幕府の後ろ盾のもと新選組を結成。土方は副長として厳しい法度を敷き、類まれな手腕で新選組は活躍していく。しかし、時流は倒幕へと傾き…。新選組において「鬼の副長」と言われた土方歳三の生き様を描く。
監督:原田眞人 出演:岡田准一(土方歳三)、柴咲コウ(お雪)、鈴木亮平(近藤勇)、山田涼介(沖田総司)、伊藤英明(芹沢鴨)、尾上右近(松平容保)、山田裕貴(徳川慶喜)、金田哲(藤堂平助)、松下洸平(斎藤一)、村本大輔(山崎烝)、たかお鷹(井上源三郎)、安井順平(山南敬助)、村上虹郎(岡田以蔵)、ジョナス・ブロケ(ジュール・ブリュネ)、柄本明(丸十店主)、坂東巳之助(孝明帝)、谷田歩(永倉新八)、阿部純子(糸里)、高島政宏(清河八郎)、市村正親(本田覚庵)ほか
映画「燃えよ剣」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「燃えよ剣」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
燃えよ剣の予告編 動画
映画「燃えよ剣」解説
この解説記事には映画「燃えよ剣」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
燃えよ剣のネタバレあらすじ:起
江戸時代末期。
黒船が来航し開国を要求すると、幕府は日米和親条約を終結。しかしこの判断をめぐって日本は不安に揺れていました。混乱する幕府を支えようとする佐幕派と、尊王攘夷を唱え天皇を中心とした新しい政権を目指す倒幕派が対立した激動の時代。
京の治安は急激に悪化、江戸では開国を断行した井伊直弼が桜田門外で暗殺され、討幕派による攘夷運動が各地で起こっていました。
その頃、武州多摩では、田舎の百姓の子で“バラガキ”と呼ばれていた土方歳三が、同郷の近藤勇が運営する天然理心流の道場「試衛館」で、沖田総司らと共に剣の腕を磨いていました。
試衛館には、北辰一刀流免許皆伝の山南敬助や同じく北辰一刀流の藤堂平助など実力者がいる一方で、なかなか人が集まらず運営は行き詰まっていました。
そんな中、京都では後の徳川慶喜となる一橋慶喜の命により、会津藩主松平容保が京都守護職に就き、京を守るために全国から腕に自信のある者を身分問わず集めることになりました。
この話に近藤は食いつき、土方の反対を押し切る形で京へ。
しかし、発起人である清河八郎は尊王攘夷の思想のために組を私物化しようとしており、それを見抜いた土方は早々に見切りをつけ、会津藩とつながりのある芹沢鴨と会います。
壬生浪士組を発足すると、長州藩の浪士など倒幕派の浪士を次々に殺害。彼らの活躍により京の治安は次第に回復していきました。
燃えよ剣のネタバレあらすじ:承
ついに会津藩の後ろ盾のもと、芹沢鴨と近藤を局長においた「新選組」を結成します。
新人隊士が次々と入隊し、組織はさらに拡大していきました。土方はならず者たちをまとめるために、局中法度を設定。逃げたら切腹、勝手に金策を行ったら切腹など厳しいルールを敷きました。
隊長としての器を認める近藤の代わりに憎まれる役を引き受ける土方は、類まれな手腕で組織を統率。新選組は討幕派勢力の制圧に尽力し、地位を築いていきました。
京の治安が戻る一方で、酒乱で乱暴な性格の芹沢の悪行が目立ってきました。商人に対する強引な金銭要求や、女性への暴行など隊の評判は一気に悪化していきます。
松平容保より芹沢の始末を命じられた土方は、沖田、井上、斎藤らを連れ芹沢の寝ているところを襲い惨殺。討幕派の犯行に偽装しました。
そんな中、土方は闇討ちで傷を負い、江戸生まれのお雪と運命的な出会いを果たし惹かれ合います。土方はそんなお雪から「池田屋」に長州藩の浪人が出入りしていると聞き、密偵を使って長州・土佐藩などが倒幕作戦を企てている情報を掴みました。
すでに薬屋として潜り込んでいる山崎に誘導され、近藤、沖田ら新選組は池田屋へと押し入ると、27人もの攘夷派浪士を斬り倒幕作戦を未然に潰すことができました。
燃えよ剣のネタバレあらすじ:転
世の中にその名を轟かせた新選組は、新たに高い教養と家柄を持つ伊東甲子郎を参謀として迎えました。
北辰一刀流であり、かつ政治的思想を持つ伊東でしたが、新選組を尊王派に変えようと企てていました。山南や藤堂はそんな伊東に惹かれ、新選組の武力向上のみを求める土方と徐々に溝を深めていきます。
そして、ついに山南が隊を脱走。土方はこれを許さず、局中法度違反として切腹を命じました。
この事件により、伊東は近藤の暗殺計画を企てましたが、土方が先に伊東や藤堂を暗殺。
しかし、薩長同盟の成立によって時流は一気に倒幕へと傾き始めていきます。
1867年。
ついに時の将軍、徳川慶喜が大政奉還を宣言し幕府は事実上崩壊。新選組ら旧幕府軍は失意の中、鳥羽伏見の戦いで奮戦するも総崩れとなってしまいました。近藤は重傷を負い剣が握れないほどとなり、沖田は結核によって床に伏せ、井上ほか多くの死者を出して敗走することに。さらには慶喜が松平を伴い逃走し、隊士たちの士気も下がっていきました。
近藤らと故郷へ逃げ延びた土方は、髷を切り再起しようとしていました。しかし、「新選組」から離れ自由を求める近藤は、土方の制止を振り切って官軍へ投降。のちに斬首されてしまいます。そして、そのあと、沖田も病が悪化。ついに病に倒れてしまいました。
燃えよ剣の結末
最後のひとりになってもやるだけだ。
そう言う土方は固い絆で結ばれた同士やお雪との別れを決意し、江戸、会津、さらに北へと行軍し、蝦夷地五稜郭へとたどり着きました。
幹部だけに許される写真撮影を済ませると、小姓市村鉄之助に手紙と自身の写真を家族に届けることを頼みました。
1869年5月11日。
新政府軍による五稜郭への攻撃がはじまり、圧倒的な武器の差で次々と味方が倒れていきました。土方は徹底防戦の指示も聞かず、敵の本陣まで近づいていきました。
「新選組副長、土方歳三だ!」
そう名乗り馬を進め、ボロボロになりながらも敵を斬ろうとしていました。
しかし、土方は大量の銃弾を浴びついに命を落としました。
土方の亡骸は、函館で救命活動を行うお雪のもとへと運び込まれました。
以上、映画「燃えよ剣」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する