テルマエ・ロマエの紹介:2012年日本映画。古代ローマの浴場設計技師ルシウス・モデストゥスは、新しい浴場に悩んでいた。風呂に潜っていた時突然、ローマの公衆浴場から21世紀の日本の銭湯にタイムスリップしてしまう。それから古代ローマと現代日本の浴場を行き来するようになる。日本の近代風呂をヒントにローマに新しい浴場を製作するようになる。テルマエロマエはヤマザキマリによる漫画を原作とした実写コメディ映画。
監督:武内英樹 出演:阿部寛(ルシウス)、上戸彩(山越真実)、北村一輝(ケイオニウス)、竹内力(館野)、宍戸開(アントニヌス)、勝矢(マルクス)、キムラ緑子(山越由美)、笹野高史(山越修造)、市村正親(ハドリアヌス)、ほか
映画「テルマエ・ロマエ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「テルマエ・ロマエ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「テルマエ・ロマエ」解説
この解説記事には映画「テルマエ・ロマエ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
テルマエロマエのネタバレあらすじ:初めてのタイムスリップ
古代ローマの浴場設計技師ルシウス・モデストゥス(阿部寛)は、師匠からも「お前の考案する浴場は古すぎる」と叱咤されていた。ローマの公衆浴場で新しい浴場の企画を考えていた。すると突然、21世紀の日本の銭湯にタイムスリップしてしまう。自分がタイムスリップしていることは理解出来ていなかったので、奴隷の大衆浴場だと思い込みます。日本人を初めて見たルシウスは彼らを「顔の平たい民族」だと思った。しかし、近代的な大衆風呂を見て、その構造に感動する。浴室の壁の富士山の絵と脱衣場で服を入れるカゴに感心します。そのまま女風呂に入り、物を投げつけられて気絶します。突然出現したルシウスを見た漫画家志望の若い女性・山越真実(上戸彩)は、彼の姿をスケッチします。男風呂に引きづられて、気を取り戻し、フルーツ牛乳の味に感動して、自分の風呂に対する力量のなさに涙を浮かべます。いつのまにか、古代ローマに戻り、湯当たりしたんだと介抱されていました。夢だったのかと思っていたら足元にフルーツ牛乳の空き瓶が転がりました。ルシウスは日本の銭湯での体験を参考に、脱衣カゴと牛乳に甘味を加えて水で冷やした飲み物を出しました。そして、浴室の壁に火山の壁画を描いたのです。これが、ローマの大衆に受け入れられ人気がでました。
テルマエロマエのネタバレあらすじ:2度目のタイムスリップ
ローマの浴場で、年老いた者が大衆浴場まで来れないことに、なんとか出来ないものかと考えていたら、またタイムスリップします。今度は、山越真実の編集長の自宅の風呂場でした。小さな浴槽とシャンプーハットに感激します。ルシウスを真実が目撃し、スケッチブックを取りにいっている間に消えてしまいます。ローマに帰ったルシウスは、日本で見た風呂を参考に新しい浴場を作り、名声をあげます。皇帝ハドリアヌス(市村正親)はルシウスを呼び寄せ、ルシウスの浴室の壁画に夜空を見る窓を加えた浴場を見せました。ルシウスのアイデアを賛美し、皇帝ハドリアヌスお抱えの浴場設計技師に任命したのです。
テルマエロマエのネタバレあらすじ:3度目のタイムスリップ
新しいアイデアを求めて、皇帝の浴室に飛び込みます。タイムスリップした場所はジャングル温泉でした。温室に現れたルシウスは初めてバナナを食べます。このバナナを食べれば皇帝も元気になるのではないかと考えました。真実とルシウスは足湯に浸かったり、弓矢のゲームをしました。そこで猿がバナナを持って行ってしまいルシウスは弓矢で撃とうとします。猿を追いかけて出た場所は、露天風呂でした。露天風呂に入り、バナナの皮を見つけたルシウスはそれを追いかけて渦の中に入ります。そして、ローマの野外風呂に戻ってきました。露天風呂の景色を見たルシウスは、ヒントを得て、野外浴場に岩で囲み、緑の木や草をあしらいます。皇帝は野外浴場の景色と、出されたバナナで体力の回復が出来ると喜びます。ハドリアヌスは手紙で、後継者と考えているケイオニウス(北村一輝)のために新たな浴場建設の手助けをルシウスに依頼します。ケイオニウスは生来の女好きで、ルシウスは好きではありませんでした。ルシウスに浴場の価値を認めず、豪華な浴場を作れと命令します。ケイオニウスは「断ると皇帝の命令違反で重罪になる」と告げます。
テルマエロマエのネタバレあらすじ:4度目のタイムスリップ
個室浴場に入っていたルシウスはまた現代の日本にタイムスリップします。現れたのは真実がバイトしている健康風呂でした。泡の出るジャグジーや壁のテレビに興味を覚えました。真実は上司から、男を引き入れたと怒鳴られて、ルシウスが怒って投げ飛ばしてしまいます。真実はルシウスの言葉がわかりませんでしたが、トイレに行きたいのだと知り案内します。ルシウスからローマのコインを受け取り、トイレに案内しました。ルシウスはシャワートイレに感動して恍惚になり、いつしかローマに戻っていました。ローマに帰ったルシウスは、風呂に奴隷の息を吹き込む泡風呂を作りました。浴場に水槽を置き、トイレは流水でお尻を洗うようにしました。皇帝はとても喜び、妻に何か買ってやれと褒美を与えます。家に帰ったルシウスは、妻の不倫現場を見てしまいます。
テルマエロマエのネタバレあらすじ:真実の恋心
日本では真実が実家に帰ってきました。漫画家の夢をあきらめかけています。それでも、ルシウスのことを題材に漫画を書いていました。ルシウスから貰ったコインを教授に見てもらいます。教授は古代ローマのコインだと真実に教えます。何度も出合うルシウスに恋心を感じてきたのです。真実はラテン語を勉強し始めます。そして、古代ローマの歴史書を読んだのです。古代ローマからルシウスはタイムスリップして来たのだと考えました。
テルマエロマエのネタバレあらすじ:5度目のタイムスリップ
ルシウスはケイオニウスが浴場で女を口説いているのを目撃します。ケイオニウスのために浴場を作ることに迷いを感じていました。突然、ルシウスは、前任の浴場設計技師に襲われて井戸に落とされます。今度は温泉宿にタイムスリップします、そこは真実の実家でした。温泉に傷だらけの人相の悪い男が浸かっています。交通事故の傷なのですが、ルシウスは兵士の隊長と勘違いします。温泉は傷を癒すのだと思いました。そして、日本酒をすすめられて飲み、毒と間違います。真実はラテン語で愛の言葉を練習していました。そして、ルシウスにもう一度会いたいと願った瞬間、ルシウスが飛び込んできました。毒を飲まされたと言うルシウスに、真実は温泉の湯を飲ませます。温泉は解毒作用もあるのだとラテン語で説明します。ルシウスが言葉が話せるのか?と驚くと、真実はラテン語を猛勉強したと説明します。ルシウスが酒に酔って倒れこみ、真実が抱きとめて、そのまま温泉に落ちます。二人共、古代ローマにタイムスリップしてしまいます。気がつくと、目の前にケイオニウスが立っていました。真実が気づき、ここがローマだと聞き驚きます。ケイオニウスは真実を見て気に入ったとちょっかいを出します。そこにアントニヌス(宍戸開)が来て助けます。
テルマエロマエのネタバレあらすじ:ルシウスの決意
ルシウスは戦場にいる皇帝に「ケイオニウスのためには浴場を作れない」と申し立てます。皇帝はそれを許しますが、2度と面前に現れるなと激怒します。帰りに戦場の地面から蒸気が出ているのを発見します。川の水を飲んでみると日本で飲んだ温泉と同じ味でした。心配していた真実のところにルシウスが帰ってきます。真実からアントニヌスが左遷されるという話を聞きます。真実は皇帝を神格化するのはアントニヌスの力だと歴史書の話をします。ルシウスに、このままでは歴史が変わり皇帝は神格化しないと伝えます。ルシウスは再び皇帝の元に行き、アントニヌスの案で戦場に浴場を作ることを提案します。皇帝はその案を承諾しました。ルシウスと真実が作業場での様子を見て、兵士の疲労から工事は無理かもしれないと感じます。
テルマエロマエの結末:温泉仲間もタイムスリップ
日本では、真実が風呂で溺れたのではと、父と年寄り連中が風呂に探しに入ります。そして、皆タイムスリップしてしまいます。古代ローマで父と年寄り連中と出会った真実は浴場設計を相談します。地面の熱を見た父親はオンドル小屋を作ることを提案します、早速、温泉仲間と製作に入りました。オンドル小屋で英気を養った兵士が次々と戦場に戻りました。これによって皇帝はアントニヌスとルシウスを讃えました。ルシウスが真実にお礼を言って、真実も自分の心に正直に進むことを教えてくれたルシウスに感謝します。真実の目から涙が出ると、真実の姿が少しづつ消えてしまいます。日本に帰った真実は、漫画家への挑戦を続けていく決心をしました。その時、橋の欄干を上ってくるルシウスの姿を見るのでした。
以上、映画テルマエロマエのあらすじと結末でした。
続編の「テルマエ・ロマエ II」のネタバレあらすじはこちら。
「テルマエ・ロマエ」感想・レビュー
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阿部寛を始めとした濃い顔&ムキムキの役者さんたちが勢揃い。脇に出てくる外人さんたちに引けをとらないその姿が本当に日本人か?って思わせてくれるほどですね。話自体はコメディ要素満載で古代ローマと現代の日本と行き来するテンポも良いので最後まで飽きずに見れます。上戸彩さんがまた可愛すぎですね。
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この映画を観て阿部寛さんが好きになりました。昔はかっこいい人だとばかり思っていましたが、なんてコミカルな演技が出来るのだろう、素敵だなあ、と。しかし、大胆な演技を見ていて少し恥ずかしくなったりもしました。阿部さんの良いところが十分に発揮されて今後の活躍に繋がった映画だったと思います。
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時折街の銭湯へ行くのが、平日の何よりの楽しみな私。数年前のある時、よく行くお風呂屋さんに映画のポスターが貼ってあり、それが当時漫画が人気だった『テルマエ・ロマエ』。古代ローマの浴場専門設計技師、ルシウス。新しい浴場のデザインに四苦八苦していた所、溺れかけ吸い込まれ、ふと気付くとそこは現代の日本のお風呂屋さん。見た事もない「平たい顔」のおじいちゃん達にポカンとされつつも、富士山の絵に感動したり、脱衣所のカゴに関心したり、カルチャーショックを受ける。と、気付くと再び古代ローマに戻っており、気を失っていたと思われ介抱されていた。ルシウスは新たなアイデアを得て、大浴場にカゴを取り入れたり、フルーツ牛乳を真似た飲み物を出してみると、それが当たって大繁盛。これを機に何かアイデアに行き詰まると、何故か日本へタイムスリップし、ヒントを得てローマへ帰る事が続き、皇帝ハドリアヌスの浴室に夜空を眺められる窓を設置して喜ばれ、すっかり皇帝のお気に入りになった。漫画の原作者、ヤマザキマリさんはローマ在住で歴史に詳しい方ゆえ、描く古代がリアルかつ親しみのわく世界になっており、それを日本人にしてはバタ臭い、濃ゆい顔の面々がローマ人を演じる可笑しさにすっかり魅了されてしまった。ルシウス演じる阿部寛の、どこか理系の生真面目さの残るキャラも活かされていて、「平たい顔族」のおじいちゃん達が味のあるダシを、そして透明感のある可愛らしさを持つ、旅館の娘役の上戸彩が華を添えている。平たい顔族達も勢いでローマにタイムスリップしてしまう所も、笑いどころ満載でとても面白い。
原作の漫画は見たことがないのですが、阿部寛のローマ人っぷりが板につきすぎているのが気になって見てしまいました。北村一輝など他の日本人俳優のローマ人っぷりも、なかなか馴染んでいて面白いです。個性あふれる俳優さん達がそれぞれ良い味を出しているのとストーリーがよくできているので、とても楽しめるお風呂映画です。