土を喰らう十二ヵ月の紹介:2022年日本映画。作家の水上勉が自らの体験をもとに描いたエッセイを原作に作られた作品。山奥で暮らす主人公のツトム。自ら育てた野菜や採った山菜で日々の料理を楽しんでいます。時々やってくる恋人で担当編集の真知子と一緒に過ごす一年を料理と共に描いています。
監督:中江裕司 出演:沢田研二(ツトム)、松たか子(真知子)、西田尚美(美香)、尾美としのり(隆)、瀧川鯉八(写真屋)、檀ふみ(文子)、火野正平(大工)、奈良岡朋子(チエ)、ほか
映画「土を喰らう十二ヵ月」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「土を喰らう十二ヵ月」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「土を喰らう十二ヵ月」解説
この解説記事には映画「土を喰らう十二ヵ月」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
土を喰らう十二ヵ月のネタバレあらすじ:起
信州の山奥で犬のさんしょと暮らす作家のツトム(沢田研二)。13年前に妻を亡くしたツトムは、自ら作った野菜や、山から取った山菜を自らが調理して食べるのが喜びでした。担当編集でツトムの恋人である真知子(松たか子)がたまに訪ねてくるのも、ツトムの楽しみでした。
立春(りっしゅん)、まだ雪が残る中、訪ねてきた真知子を囲炉裏にあて、お茶と干し柿を出すツトム。小芋を網焼きにして頬張る真知子はどこか興奮気味です。
啓蟄(けいちつ)、畑で抜いてきたほうれん草の泥を落とし、さっと茹でて水に浸します。そしておこげが出来たご飯をさんしょに食べさせ、先程のほうれん草とご飯を頂きました。
清明(せいめい)、いつもと同じ場所で育ったセリをツトムは取りに行き、セリご飯にします。ワサビの胡麻和えとウドの味噌汁で頂きます。
土を喰らう十二ヵ月のネタバレあらすじ:承
立夏(りっか)、畑仕事や家の掃除も忙しくなります。少し変わり者の亡き妻の母チエ(奈良岡朋子)を訪ね、ツトムはチエからご飯と漬物と味噌汁を出され、亡くなった妻の墓を作れと急かされまさした。ツトムははっきりしない態度を取りながら帰ります。
小満(しょうまん)、食べられそうな筍を見つけ、柔らかくなるまで煮込みます。美味しそうな臭いに誘われるかのように真知子がやってきます。
芒種(ぼうしゅ)、拾った梅で梅干し作り。
小暑(しょうしょ)、世話になったものの亡くなった住職。その娘から、遺言とのことで梅干しを受け取る。ツトムは梅干しを食べると亡くなった人のことを思い涙しました。
立秋(りっしゅう)、たくさん育ったキュウリと茄子をぬか漬けにするためにぬか床に押し込みました。
土を喰らう十二ヵ月のネタバレあらすじ:転
処暑(しょしょ)、亡くなった妻の弟夫婦がやってきます。チエの様子を見てくれとのこと、そう言われツトムがチエを訪ねると、チエは亡くなっていました。チエを毛嫌いしていた弟夫婦は家が狭いからとチエの葬式もツトムに押し付けます。仕方なく全ての手配をツトムが行い、忙しくなります。
納骨の受け取りまで拒否されチエの骨は、亡くなった妻でチエの娘である八重子の横に並べられました。真知子に一緒に住まないかと申し出るツトムでしたが、真知子にとって生前世話になった八重子のこともあり、魅力的と答えるも、結局考えさせてと答えました。
白露(はくろ)、チエの葬式がきっかけで、土で自分の骨壷を焼いてみようと考えます。ある日、真知子が帰ってくるとツトムが庭の窯の中で倒れているのを見つけます。救急搬送され生死の境を彷徨いますが、奇跡的に回復しました。真知子はさんしょとともにツトムの帰りを待ちます。
秋分(しゅうぶん)、ようやく退院したツトム。ツトムは助けてくれた真知子にお礼を言います。真知子が「ここに住むことにする」と告げると、ツトムは「気持ちは嬉しいけどやっぱり一人でいたいらしい」と答えました。真知子は「勝手な人ね、もう来ないかもよ」と告げて去っていきました。それからツトムは死と向き合うようになり、書物を漁り、書物を続けます。
土を喰らう十二ヵ月の結末
寒露(かんろ)、ツトムはある結論に到達します。1日の最後に眠りにつくときに「みなさん、さようなら」と目を閉じて世の全てに対し、そう告げて眠ります。明日も明後日もと考えるから生きるのが面倒になる。今日1日生きれば良いと考えるようになったのです。そしてまた前の生活に戻っていきます。死に対してある結論が出たツトムは、八重子とチエの骨を湖に撒きました。
霜降(そうこう)、もう来ないかもと言っていた真知子がやってきました。今夜はきのこ鍋だと話していると、真知子から村田という作家の男と結婚すると告げられます。「良かったじゃないか」とツトムは真知子を止めることをしませんでした。
立冬(りっとう)、寒さは厳しくなりつづけています。書いては寝る、ツトムは毎日それを繰り返します。
冬至(とうじ)、近所の方のご厚意で、玄関に白菜と味噌の入った樽が置かれていました。ありがとうございますとツトムは手を合わせます。料理を作り、いくつかをさんしょに食べさせると、手をあわせ「いただきます」と食べ始めます。また一年が巡っていくのでした。
以上、映画「土を喰らう十二ヵ月」のあらすじと結末でした。
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