泣き虫しょったんの奇跡の紹介:2018年日本映画。35歳でプロとなった遅咲きの将棋棋士・瀬川晶司の自伝的小説を映画化したヒューマンドラマです。全国中学生選抜将棋選手権大会で優勝して奨励会に入るも年齢制限で退会、それでも棋士への夢を諦めなかった主人公・瀬川のプロになるまでの半生を描きます。主人公・瀬川役で松田龍平、友人にしてライバルの棋士役でロックバンド「RADWIMPS」の野田洋次郎 が出演しています。
監督:豊田利晃 出演者:松田龍平(瀬川晶司)、野田洋次郎(鈴木悠野)、永山絢斗(新藤和正)、染谷将太(村田康平)、渋川清彦(山川孝)、駒木根隆介(畑中良一)、新井浩文(清又勝)、早乙女太一(加東大介)、妻夫木聡(冬野渡)、上白石萌音(真理子)、石橋静河(南咲子)、板尾創路(山口)、藤原竜也(見知らぬ男性)、大西信満(瀬川靖司)、奥野瑛太(池田学)、遠藤雄弥(山中徹)、山本亨(中堅棋士)、桂三度(関西棋士)、三浦誠己(新條)、渡辺哲(安田師匠)、松たか子(鹿島澤佳子)、美保純(瀬川千香子)、イッセー尾形(工藤一男)、小林薫(藤田守)、國村隼(瀬川敏雄)ほか
映画「泣き虫しょったんの奇跡」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「泣き虫しょったんの奇跡」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
泣き虫しょったんの奇跡の予告編 動画
映画「泣き虫しょったんの奇跡」解説
この解説記事には映画「泣き虫しょったんの奇跡」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
泣き虫しょったんの奇跡のネタバレあらすじ:起
1980年4月。
少年時代の瀬川晶司(窪塚愛流)は父・敏雄(國村隼)、母・千香子(美保純)、兄・靖司(大西信満)と共に暮らす、泣き虫のごく平凡な少年でした。そんなある日、瀬川は担任の鹿島澤佳子(松たか子)から将棋の非凡な才能を見出され、以来すっかり将棋の魅力にのめり込んでいきました。
瀬川の隣には、幼馴染で同じく将棋の才能を持つ鈴木悠野(後藤奏佑人)が住んでおり、瀬川と鈴木は互いに競い合うように将棋の世界に没頭していきました。そんな瀬川と鈴木は敏雄の紹介で将棋会館に行き、それから将棋クラブへ通うようになりました。
1982年5月。
中学生になった瀬川は、対戦相手の工藤(イッセー尾形)からプロ棋士の登竜門である新進棋士奨励会に入ることを勧められました。瀬川と鈴木は中学生名人戦で勝利して奨励会に入ろうと考えましたが、初戦でいきなり鈴木と対戦した瀬川はあえなく敗退してトイレで泣き崩れました。
一方の鈴木も勝ち進んでいきましたが決勝で敗北を喫し、奨励会には入らず高校入試を目指すことにしました。しかし、どうしても奨励会入りを諦めきれない瀬川は敏雄に相談、鈴木の父の紹介で知り合った安田七段(渡辺哲)に弟子入りしました。こうして瀬川は中学3年の時、ようやく奨励会に入ることができました。
泣き虫しょったんの奇跡のネタバレあらすじ:承
1989年7月。
瀬川(松田龍平)は22歳になっていました。瀬川は三段まで昇りつめていましたが、奨励会には厳しい年齢制限が設けられており、26歳の誕生日までに四段に昇格しなければ自動的に退会させられることになっていました。
瀬川は四段を目指して更に将棋に没頭、自分に好意を寄せてくれた行きつけの喫茶店のウエイトレス・真理子(上白石萌音)をも振り切ってしまいました。
1993年8月。
世間では羽生善治名人が七冠制覇を目指していた時代、26歳も目前に近づいていた瀬川は住処の安いアパートで奨励会の仲間たちと集いながら四段を目指していましたが、次々と同世代の仲間たちが脱落していきました。
その一方で、実は将棋を続けていた鈴木(野田洋次郎)はアマチュア名人として活躍しており、そのことを新聞で知った瀬川は強い刺激を受けました。しかし、瀬川はやがて壁に突き当たり、結局四段に手が届かないまま年齢制限を迎えました。
泣き虫しょったんの奇跡のネタバレあらすじ:転
奨励会を退会した瀬川は人生の目標を見失い、実家に引き籠る日々を過ごしていましたが、敏雄の優しい励ましによって再出発を決意しました。
1997年4月、27歳にして神奈川大学法学部に入学した瀬川でしたが、敏雄は程なくして不慮の事故により他界してしまいました。父の死を受け、自分にはまだ将棋への未練と情熱が残っていることに気が付いた瀬川は隣家の鈴木の元を訪れ、久しぶりに二人で将棋を打ちました。
やがて大学を出た瀬川はサラリーマンとして就職、仕事の合間にアマチュアとして再び将棋に熱を入れ始めました。やがて瀬川はめきめきと頭角を現していき、アマ名人として互角にプロと渡り合えるまでに台頭していきました。
そんなある日、プロ相手に勝率7割の戦果を挙げ続ける瀬川に、会社の同僚の南咲子(石橋静河)が「プロに勝ってる人がプロになれないなんて納得いかないなあ」と発言しました。その頃からネット上で瀬川の活躍が話題になっており、最終的に日本将棋連盟も折れて瀬川は特例としてプロ編入試験を受けることになりました。
これはプロ棋士と六番勝負に臨み、3勝すれば念願のプロ入りを果たすことができるのですが、3敗するとプロ入りが閉ざされるというものでした。
泣き虫しょったんの奇跡の結末
2005年5月。
瀬川は見知らぬ通行人(藤原竜也)からも激励され、多数の人々から応援されることにプレッシャーを感じていましたが、奨励会時代の仲間である山川(渋川清彦)から「重く考えなくていい」と励まされ、そして何よりも小学校時代の恩師である鹿島から「だいじょうぶ きっとよい道が 拓かれます」と書かれたハガキをもらったことで瀬川は遂に立ち向かう決心を固めました。
第一局の佐山天彦三段(青嶋未来)戦には敗れましたが第二局の神田宏充六段(神吉宏充)戦には勝利。第三局の久島利明八段(豊川孝弘)に破れ、第四局の中本広恵女流六段(谷口由紀)で勝利。2勝2敗のまま運命の第五局・河野秀行五段(屋敷伸之)戦を迎えました。鈴木から自分の弱点は「勝つことに慣れていないことだ」と指摘された瀬川は相手に必死で食い下がり、そして遂に勝利を掴んで念願のプロ入りを果たすことに成功しました。
瀬川はこの時既に35歳になっていました。記者会見の席で瀬川はつい泣いてしまい、瀬川を支え続けてきた仲間たちはその様子を温かく見守っていました。
以上、映画「泣き虫しょったんの奇跡」のあらすじと結末でした。
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