映画「BOX 袴田事件 命とは」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
BOX 袴田事件 命とはの紹介：2010年日本映画。静岡で実際に起きた袴田事件をもとに、強盗放火殺人犯とされた元プロボクサーと、事件を裁く主任判事を描いた社会派ドラマ。命の重みと、人を裁くことの難しさを描く。冤罪を訴え続ける袴田。警察の捜査や取り調べを疑う判事の熊本は…。
監督：高橋伴明 出演：萩原聖人（熊本典道）、新井浩文（袴田巌）、葉月里緒奈（熊本京子）、村野武範（石井判事）、保阪尚希（高見判事）、ダンカン（松本刑事）、須賀貴匡（白岩孝祐）、中村優子（袴田日出子）、雛形あきこ（橋口ちず子）、志村東吾（大久保検事）、吉村実子（袴田きぬ）、テイ龍進（黒柳刑事）、迫英雄（住吉刑事）、法福法彦（春田刑事）、上田耕一（所長判事・藤原）、掛田誠（酒店店主・雨宮）、三上寛（小学校教師）、浜田晃（国会議員・菊川）、大杉漣（検察官・吉川）、國村隼（死刑囚）、岸部一徳（横井教授）、塩見三省（土肥弁護人）、石橋凌（立松警部）、ほか
この解説記事には映画「BOX 袴田事件 命とは」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
昭和11年、同じ年に生を受けた熊本典道（萩原聖人）と袴田巌（新井浩文）。熊本は法律に、袴田はプロボクサーとしての道を歩んでいました。
昭和41年静岡地方裁判所の裁判官となった熊本。一方の袴田はボクサーを引退し、味噌の製造会社に勤務していました。
6月30日未明、静岡県清水市の味噌製造会社の専務宅が放火され、一家四人の死体が発見されます。工場の従業員のほとんどが親戚や友達なのに一人よそ者で、妻に逃げられ借金があると噂されていた袴田に、刑事は犯人の目星をつけます。そして従業員で元プロボクサーの袴田を容疑者として逮捕。やっていないと犯行を否認する袴田ですが、勾留期限の3日前の9月6日に自白。この事件の主任判事となった熊本は、袴田事件の裁判を担当することになります。
第1回の裁判で犯行を全面否認し、無罪を訴える袴田。警察の調書に、最初は殺害された専務の妻と肉体関係があり、その妻から強盗が入ったようにして家を燃やすよう頼まれたと書いてありました。しかし次の日には、犯行動機が変わっている供述調書。
連日の長時間の取り調べに、やっていないと言えば暴力を受け、睡眠時間も与えられずに無理やり調書を取られた袴田。限界が来た袴田は、ついにやってもいない事件を認めてしまいました。そして検察官からも無理やり自白させられ、どうしても無実を訴えたいのなら裁判所で証言するよう言われた袴田。
熊本は警察の取り調べは妥当ではなかったと考えますが、長時間の取り調べに対して正当だと訴える警察。証拠がない以上は、自白が重要であった警察を熊本は疑います。その後、逮捕の決め手となったパジャマについた血痕も、根拠がないことが判明。
決定的な証拠がなく、長期化する裁判の17回公判、新たな証拠が提出されました。味噌工場の味噌樽の中から、被害者の血液がついた衣服が見つかります。しかし今頃そんなものが見つかるはずはなく、証拠として採用することに異議を唱える弁護側。熊本も新証拠は不自然であり、意図的だと考えます。自分たちの誤った決定で、袴田が裁かれことになることを強く反対する熊本ですが、他の裁判官は全く聞く耳を持ちません。主任裁判官の熊本が死刑判決を言い渡す文を書くことになり、思い悩む熊本。
そして裁判の日、袴田に死刑判決が出て有罪が確定しました。
いたたまれなくなった熊本は裁判官を辞職し、知り合いのすすめで大学で刑事訴訟法の講義をすることになります。大学で講義をしながら、袴田を無罪にするための証拠を探す熊本。味噌会社に行き、従業員に衣服が見つかったときの状況などを聞いて回ります。従業員も発見されたときの不可解な点を疑問に思っており、熊本は衣服を味噌に付け込むなど実験を行います。そして様々な実験結果を弁護士に送る熊本は、この頃家族をほったらかして袴田事件に取り組んでいました。
熊本は袴田の実家や刑事のところに足を運びます。しかし袴田の無罪を証明することは出来ず、自暴自棄になり自殺しようとまでしようとする熊本。思いとどまった熊本は家族を大切にし、再び家族との時間を大事にするようになります。
その後、袴田は長年の刑務所暮らしで、精神的に病んでしまったことを知る熊本。熊本は大学を去る日、生徒に向かって人を裁く難しさを伝えました。
平成20年3月、最高裁への上告が棄却。しかし熊本は第二次再審請求と袴田の支援活動を続けています。
以上、映画「BOX～袴田事件 命とは～」のあらすじと結末でした。
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