私は確信するの紹介:2018年フランス,ベルギー映画。2000年2月。フランス南西部トゥールーズで当時38歳のスザンヌ・ヴィギエが3人の幼い子供と夫を残して忽然と姿を消した。殺人容疑は夫のジャック・ヴィギエに向けられるが、動機や証拠はなく、スザンナの遺体さえ見つからない。メディアはこれをセンセーショナルに報道し、過熱するなか2009年にジャック殺人罪を問う裁判が始まる。ジャックを信じ彼の家族に寄り添うシングルマザーのノラは、著名な敏腕弁護士エリック・デュポン=モレッティに弁護を依頼する。ノラは自らもモレッティのアシスタントとなり250時間にもおよぶ通話記録の分析をすることに。そしてその通話記録からさまざまな嘘が浮かび上がっていく…。
監督:アントワーヌ・ランボー 出演:マリーナ・フォイス(ノラ)、オリヴィエ・グルメ(エリック・デュポン=モレッティ弁護士)、ローラン・リュカ(ジャッゥ・ヴィギエ)、フィリップ・ウシャン(オリヴィエ・デュランデ)、インディア・ヘア(セヴェリーヌ)、ジャン・ベンギーギ(スピネル弁護士)、スティーヴ・ティアンチュー(ブルノ)ほか
映画「私は確信する」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「私は確信する」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
私は確信するの予告編 動画
映画「私は確信する」解説
この解説記事には映画「私は確信する」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
私は確信するのネタバレあらすじ:起
2000年2月27日、日曜日。フランス南西部のトゥールーズで事件が発生。38歳のスザンヌ・ヴィギエが3人の子供と夫ジャックを残して忽然と姿を消したのです。殺人容疑はジャックに向けられましたが、スザンヌの遺体は見つかりませんでした。
2009年にトゥールーズで行われた裁判でジャックは無罪。しかし検察が控訴したため、翌年アルビの裁判所で行われる第二審でジャックは再び殺人罪に問われることとなりました。
これは第二審からの物語です。
シングルマザーのシェフ、ノラは毎日忙しく働きながら、長らくヴィギエ事件を調査していました。彼女の大切なひとり息子フェリクスの家庭教師クレマンスは、スザンヌ殺しの容疑者ジャック・ヴィギエの娘だったからです。ノラはジャックの無罪を信じていました。そしてクレマンスのためにも真実を証明したいと願っていました。
劣勢な戦いが予想される第二審に向けて、ノラは敏腕弁護士エリック・デュポン=モレッティのもとを訪れました。しかし、モレッティからは門前払い状態で、聞く耳すら持ってくれません。それでも諦めないノラは自分で事件の詳細をまとめたファイルを無理やりモレッティに渡しその場を離れました。
後日、資料を見てノラの熱意に動かされたモレッティは、ジャックの弁護を引き受けることにしました。
モレッティはこの裁判で、証人になるであろう関係者たちの電話の通話録音を入手し、ノラに文字起こしを依頼しました。それは250時間という気の遠くなるほど膨大な量の通話記録でした。
私は確信するのネタバレあらすじ:承
さっそく文字起こしに取り掛かるノラでしたが、作業は困難を極めるものでした。片時もCDとパソコンを放さず、声の主の特定や会話内容の分類など細やかに仕事をこなしていきました。
すると、スザンヌが失踪直前に会っていた愛人の中年男オリヴィエ・デュランデの通話記録に違和感を覚えたノラ。常にジャックの有罪を主張し、彼が裁判で不利になるよう他の証人たちの証言を誘導し根回ししていることを探りあてます
そんな状況の中、第二審は始まりました。モレッティはノラが調べ上げた通話記録の情報をもとに、検察側の証言の矛盾を次々と指摘していきます。
モレッティは申し分のない仕事をしてくれるノラに「うちで雇いたい」と、丹念な仕事ぶりを称えましたが、ノラはモレッティにある事実を隠していました。
それはジャックの第一審で陪審員を務めていたことです。この事実を知ったモレッティは激高しました。一審の陪審員が二審に関係することは許されず、バレたら全てが水の泡になります。モレッティはノラを解雇し、裁判から遠ざけました。
私は確信するのネタバレあらすじ:転
それでもノラは引き下がることができませんでした。CD音声の調査を続け、会話の中から次々とヒントを探りあてていきました。
ノラはジャックの父親と刑事の録音を掘り下げました。
ジャックの父親が証人台に立ち、サビー警視からジャックに自白を勧めるよう脅迫されたことを告白しました。
次にノラは当時ヴィギエ家のベビーシッターをしていたセヴェリーヌの会話から、セザンヌの愛人デュランデの行動をマークしました。デュランデはセヴェリーヌの義兄の兄弟でした。デュランデは用もない友人に電話をして、セザンヌは夫に殺されたと匂わせる話を吹聴していました。
証人として呼ばれたセヴェリーヌは、当時の取り調べでジャックの不利になるようデュランデから促されたことを認めました。
これを受けて、この日再びモレッティの前に姿を現したノラは、「セヴェリーヌはデュランデとグルだった」と憤慨しました。しかし、これにはモレッティも「これはセヴェリーヌやデュランデを裁く裁判ではない」と声を荒げました。ノラはいつの間にか憎悪に溢れた顔になっていたのでした。
メディアは判決の行方を面白半分に報じていました。近所の人や友人や教授までもが、ジャックを色眼鏡で見ていました。
私は確信するの結末
こうして迎えた最終弁論。モレッティは言いました。
「ジャック・ヴィギエには有罪の証拠も無罪の証拠もない。しかしながら警察の調書はすべて“ありえなくはない” “恐らくそうだろう”と推量ばかり。警察の推量で足りるなら正義は死ぬ」と。
さらにモレッティは警察を見据え、ジャックの父親に対して孫が娼婦なり麻薬に溺れると言って息子に自供を勧めるよう詰め寄ったことを恥ずかしいと思わないのかと問い、電話の音声を熱心に聞くことが10年も遅かったと訴えました。
録音はデュランデの嘘をあらわにしましたが、世の中からターゲットにされたのはジャックでした。10年も犠牲を払って無罪とされていてもなお犯人扱いされたジャックに推定無罪を主張したものはいませんでした。
モレッティの話は終わり、裁判長から「何か言うことは?」と尋ねられたジャックは静かに言いました。
「尊厳を返してください。子供たちのために」と。
こうして最終弁論は終わりました。
判決は無罪。長い試練は終わり、ジャックの表情にもやっと笑顔がこぼれました。
モレッティはジャックの家族と喜び合いました。これまでさまざまな犠牲を払って献身的にモレッティをさせてきたノアにもようやく安堵がおとずれたのでした。
以上、映画「私は確信する」のあらすじと結末でした。
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