ホワイトリリーの紹介:2015年日本映画。日活ロマンポルノ45周年を記念して、5人の映画監督が取り組んだプロジェクトの1作。日活ロマンポルノの助監督だった中田秀夫監督がロマンポルノへの愛を詰め込んでレズビアンの世界に挑む。陶芸の師である登紀子の全てを受け入れてきたはるかだが、二人の生活が一人の男によって乱されていく。
監督:中田秀夫 出演者:飛鳥凛(はるか)、山口香緖里(登紀子)、町井祥真(二階堂悟)、西川カナコ(茜)ほか
映画「ホワイトリリー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ホワイトリリー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ホワイトリリー」解説
この解説記事には映画「ホワイトリリー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ホワイトリリーのネタバレあらすじ:先生のために
著名な陶芸家である登紀子の内弟子のはるかがろくろを回しているところに、これからテレビの仕事に出かける登紀子が現れ彼女の服の背中のファスナーを締めるようはるかに頼む。手が粘土でよごれているはるかは口でファスナーを押し上げる。その間にも登紀子ははるかがろくろを回す時の癖や素人のための陶芸教室の指導法について注意するのだった。夜、登紀子はいっしょに酒を飲んだ経営コンサルタントの男を連れて帰る。二人が体を重ねて立てる音を壁越しに聞いて悶えるはるかだったが、彼女がベッドの上にいると全裸の登紀子が現れ「不完全燃焼だった、満足させて」と言う。二人は体を交わらせる。 翌朝、はるかの用意したコーヒーを登紀子は飲まない。彼女が冷蔵庫から取り出すのはビールである。
ホワイトリリーのネタバレあらすじ:二階堂悟
一人の青年が登紀子の家の前にいる。はるかは陶芸教室の申し込みかと思ったが、二階堂悟というその青年は高名な陶芸家の息子で、登紀子の元でしばらく修行することになったのだ。登紀子は彼の手を見て陶芸向きの指を褒める。そして作務衣に着換えるために服を脱いだ彼のたくましい体に魅入られる。二階堂は住み込みで修行することにされる。二階堂が彼女の茜に連絡を取っていると、登紀子が現れ家の外の森へと誘う。そこで二人は激しく体を重ねる。それを目撃してはるかは涙を流す。翌朝、はるかがキッチンに行くと、先に起きてきゅうりを切っている登紀子がいた。二階堂に彼女のサラダを食べさせるためである。
ホワイトリリーのネタバレあらすじ:先生の全てを受け入れる
はるかにとって目障りに他ならい二階堂だが、はるかに関心をもって何かと話しかける。そして「君が先生をしばっているみたい」だとはるかに言うのだった。 はるかが登紀子と出会ったのはどしゃ降りの夜だった。登紀子の家の前でずぶ濡れになって泣いている少女を登紀子と婚約者が家に入れたのだった。それ以来、登紀子ははるかに初歩から陶芸を教え込んだ。サラダのつくり方も教えた。学校でも家でも居場所を失っていたはるかにとって登紀子が全てになった。 しかし婚約者の事故死という悲劇が登紀子を襲う。絶望する登紀子にはるかは、先生の全てを受け入れると誓って励ます。それ以来はるかは登紀子と特別な関係を築いてきた。だが今や登紀子は二階堂をかわいがる一方ではるかに辛く当たるようになっていった。
ホワイトリリーのネタバレあらすじ:茜の乱入
ある世、登紀子が冷蔵庫を開けるとノンアルコールのビールしかない。はるかが先生の健康を心配してビールを買うのを避けてきたからだが、登紀子は我慢がならない。二階堂にビールを買いに行かせようという時、茜が現れる。はるかが二階堂の新しい女だと茜は思いこむ。だが登紀子は茜を「二階堂を好きなのではなく、自分を憐れんでいるだけ」だと言って追い返す。私も自分を憐れんでいるだけなのか。苦しむはるかに二階堂がキスするのを登紀子が見てしまう。自分のいないところで二人が関係をもっていたと思って怒った登紀子は、二人が自分の前で体を重ねることを強要する。はるかは従うが二階堂は乗り気になれない。それでも登紀子が無理強いしてはるかにフェラチオをさせているところに茜が再び現れ服を脱ぎだす。そして、死んでやるといって刃物を手に取る。二階堂が取り押さえようとしてけがをする。登紀子の挑発に乗った茜は登紀子を刺そうとするが、登紀子をかばったはるかが刺されてしまう。
ホワイトリリーの結末:先生との別れ
月日が流れた雨の日。陶芸教室を閉じて家にこもっている登紀子の前に事件以来初めてはるかが現れる。そして登紀子に「私をよろこばせて」と言う。二人の行為が終わった後、登紀子ははるかに「いっしょに暮さない」と復縁をもちかけるのだが、はるかは「先生ありがとうございます」と答え、晴れ上がった空の下、黒い傘を手に先生の家を後にするのだった。
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