WXIII 機動警察パトレイバーの紹介:2001年日本映画。昭和75年の東京湾で輸送機が墜落する。その後しばらくして再開発の続く湾岸で、レイバーの破壊と作業員が死傷する事件が連続で起き、テロ事件として捜査が開始される。だがそれは、海から現れた巨大な怪物が人々を襲い始める異常事件に発展した。刑事秦は、裏で軍が暗躍するこの謎を知る一人の女性と巡り遭い、それを紐解いていく。漫画版パトレイバーの1エピソード「廃棄物13号」を原作としたミステリーサスペンス仕立ての作品を、ヘッドギア以外から高山文彦を総監督して抜擢し、遠藤卓司が監督するシリーズ映画化第3弾。
監督:遠藤卓司 声優:綿引勝彦(久住武史)、平田弘明(秦真一郎)、田中敦子(岬冴子)、穂積隆信(来栖敏郎)、拡森信吾(宮ノ森静夫)、森田順平(石原悟郎)、ほか
映画「WXIII 機動警察パトレイバー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「WXIII 機動警察パトレイバー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「WXIII 機動警察パトレイバー」解説
この解説記事には映画「WXIII 機動警察パトレイバー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
WXIII 機動警察パトレイバーのネタバレあらすじ:起
釣り船の無線が、釣果の悪さと天候の崩れを話し合います。世間話を続ける彼等の目の前を飛行機が通過、部品を撒き散らし墜落して行きました。草野球に興じて居ていた刑事秦は、突然呼び出しを受けます。ユニフォーム姿で駆け付けた現場ではレイバーが横倒しになっており、先輩の久住が被害者の遺体を確認していましたが、その遺体は人体の極一部しかありませんでした。秦は捜査に加わろうとしますが、久住が着替えて来いと指示します。秦は車に戻り着替えに行こうとすると、女性が車の故障で難儀しているのに出会い、彼女を移動先まで送ります。女性は大学まで送って貰い丁寧に礼を言い、重いトランクケースを持って去って行きました。シャフトエンタープライズ製のレイバーが連続して襲われる事件の捜査会議が行われ、事件と事故の両面で捜査の続行が決まりました。再開発で進む湾岸で、久住と秦は聞き込みを続けます。秦は負傷から復帰した久住を気遣いながら手掛かりを探しますが、二人は異常な大きさの魚拓を見て話を聞いて回ります。その魚が釣り上がった時期は飛行機墜落の五日後辺りで、事件発生は奇妙な近さがありました。久住はそれを調査しろと秦に指示します。東都生物医学研究所では、面会終えた所長来栖が栖研究員宮ノ森を連れ地下に降ります。二人は軍がカプセルが引き上げられなかった事を惜しみ、目の前のカプセルで培養される謎の生物の状態を確認します。宮ノ森は、その生物が数日の内に廃棄物になるだろうと説明しました。海中で作業する無人機に何かが襲い掛かりました。無人艇は繋いでるケーブルを引き千切られ持ち去られました。秦は飛行機事故の調査報告を調べ、積み荷のコンテナの内一つだけが大きく破損しており、そのコンテナを所有するのはヘルメスという会社だと久住に報告します。そこに5件目、無人機の破損事件が報告されます。現場で二人は被害にあった機体が菱井製だと聞かされます。その機体の動作記録映像には何か生物のような物が映っていましたが、土砂煙ではっきり確認できませんでした。そこに特車2課の隊員がやって来て調査を引き継ぎます。久住は秦と共にヘルメスを調べ始めますが、そこはダミー会社でした。先日秦に助けられた女性岬の電話に、宮ノ森からトラブルがあったと電話が入ります。彼女はそれを留守電で受け、自分は子供がピアノを弾くビデオに見入っていました。
WXIII 機動警察パトレイバーのネタバレあらすじ:承
岬は大学で細胞に関する講義を行います。そこに秦が尋ねて来ました。彼は彼女が忘れたライターを口実にデートへ誘います。捜査に戻った秦は、久住の航空機墜落を報道したビデオの検証に付き合わされます。久住は、破損していたコンテナと、墜落機引き上げの映像に映っていたアメリカ軍関係者と思わしき男達に注目し、彼等の会話を読唇術で読ませます。そこにはチェック、カプセル、破損、13個という言葉がありました。秦は岬を観劇に誘います。それが終わると岬は秦と別れ、一人重たいトランクケースを持ち、堤防の端に立っていました。ある雨の日の夜、運河沿いにあるライブハウスで獣か何か襲われたような異常な殺人が発生しました。そして同じ夜、海に突き出した施設では、何かが警備員を襲います。警報が鳴り、異常事態は警察に伝わります。ライブハウスの現場に向かっていた久住と秦が乗るパトカーは、そちらに向かいように指示を受けます。到着した彼等が施設に入ると、そこで謎の巨大な水棲生物に襲われ警官が一人捕食されてしまいました。逃げ回る久住を怪物は追い掛けます。その最中建物の電源が復帰、電灯が点くとそれを嫌がるように陰に隠れます。ですが久住を諦める事はありません。執拗に追いますが彼の捕獲に失敗、その拍子に海へ転落、姿を消しました。翌日の新聞は、事件をテロと報道していました。久住達は、上司に湾岸部の規制を訴えますが却下されました。秦は、怪物が残して行った肉片を検査する為に東都研究所に向かいます。彼はそこで岬と顔を合わせます。彼女はここの研究員でした。秦は岬のオフィスに招かれ、そこに飾ってあった写真に注目します。それは彼女の亡くなった夫と娘が共に写った写真でした。岬は所長と共に肉片の鑑定を行います。その彼女の口元には笑みが浮かんでいました。その頃堤防には、イルカの変死体が打ち上げられました。久住は旧知である特車2課の隊長と密会します。隊長は墜落機がアメリカ軍の施設があるマーシャル諸島に寄っている情報と、襲われたレイバーが全てシャフト製の超伝導モーターを使っている事を教えます。しかし、その後の事件とはまったく共通性が取れない謎が残りました。かずさ研究所という場所では、機動隊が出動する大きな事件が発生しました。警察はその内容を秘匿してテロ事件の一環と発表します。秘匿した事件の内容は、怪物が研究所を襲い人を捕食したという物でした。それは秦達が遭遇した物と同じ、ニシワキセルという細胞を持つ人為的に生まれた物と考えられました。ニシワキセルは南極から発掘された隕石に付着していたもの培養し、西脇教授の名を取った物でした。それを調べている最中、秦は西脇の縁者に見覚えのある顔を見ます。東都研究所では、持ち込まれた肉片の解析情報に宮ノ森が驚愕していました。実験体は通常なら自然に崩壊するよう仕込まれていましたが、その個体はその処置がなされておらず、尚且つ人のガン細胞を使用していたからです。それを行ったのは岬で独断でした。所長は彼女を研究から外します。立ち去る岬は個体の処置をどうするか聞きます。所長は処分すると告げました。自衛隊は、水中レイバーを使用し怪物の追跡を始めました。
WXIII 機動警察パトレイバーのネタバレあらすじ:転
久住達は東都研究所を尋ね、ニシワキセルについて質問します。更にヘルメスを知っているかを聞くと宮ノ森は顔色を変えます。久住は上司に、宮ノ森がヘルメスの代表である事を理由に参考人として聴取する許可を求めますが却下されました。しかしヘルメスの捜査に関して圧力を受けた事を話し、捜査を進める事は許可しました。秦は岬に電話しますが連絡がつかなくなりました。久住は西脇教授を、秦は怪物関係の捜査を掘り下げて行きます。久住は秦を自宅に招きます。彼は岬が西脇の娘だと言う事実を突き止め、秦に突き付けます。秦は岬を擁護しますが、久住は容疑者としては十分怪しい事を指摘して来ました。秦はそれに反発しました。東都研究所では、所長が先日来た石原一佐なる人物にウィルスと、弾頭への加工を手引きを渡します。石原が今回の不手際を謗ります。所長はガン細胞使用の許可を出したのはそちらだと返します。石原は所長に速やかに姿を消すように言いました。秦は岬を調べます。彼は岬がニシワキセル等を盗み使用した痕跡、そして娘への異常とも言える愛情を抱いている事を知ります。秦は岬家を訪ねます。養父母は岬から預かった秦への荷物を渡します。それは彼女の娘のビデオで義父母からガンで死亡した事を聞かされます。石原は会議でウィルス弾頭の効果を関係者に説明します。更に怪物を退治する為には陸に上げる必要性があり、怪物は水中用レイバーの残骸を着込んでいる事も告げます。その会議には特車2課の隊長も参加しており、実際には2課がそれを使用する事になっていました。そこに久住が乱入して来ました。
WXIII 機動警察パトレイバーの結末
作戦が始まります。警察は建設が放棄されたスタジアムに目を付け、そこで折り良くPVを撮影していたのでその機材を使用します。海では、久住の調査で判明した怪物が好む超音波を使い、誘き寄せを始めました。マスコミは、大規模対テロ作戦が開始されたと報道します。そして、岬はそれを聞きながら車を走らせます。スタジアムは自衛隊による厳戒態勢が敷かれ、そこに特車2課第2小隊が加わり、怪物退治の準備が整いました。スタジアム周辺は封鎖され渋滞が発生していました。その列に居る岬を秦は見つけます。怪物は順調に誘導されスタジアムに向かいます。秦は岬の車でスタジアムに向かう途中、怪物を成長させたのが彼女だと言う事を確認します。二人はスタジアムに到着し、秦は手掛かりを残した理由を問います。岬は、もしかすると止めて欲しかったのかもという曖昧な言葉を返します。岬は娘のガン細胞とニシワキセルを融合し、娘が生まれ変わったと陶酔します。秦はあれは娘ではない怪物だと言いますが岬は譲りません。その時、スタジアムに岬の娘のビデオ音声が流れ始めます。怪物はそれに引かれスタジアムに入って行きました。岬は、観客席上層階で怪物の姿を見ます。怪物は包囲され、そこに第2小隊が現れ対決を開始します。怪物は格闘を続ける98式の手によって徐々に装甲が剥がされて行きます。岬はいつしか剥き出しの鉄骨の端に立っていました。そして、弾頭が怪物に打ち込まれると同時に力を失ったかのように倒れます。落ち掛けた彼女を秦は片手で掴み支えます。怪物は崩壊を始め苦しみ出します。そこに自衛隊の大型輸送ヘリがスタジアムに着陸、火炎放射器を持った隊員が怪物を取り囲みます。彼等は怪物に火を掛けます。胸の装甲が剥がれ、乳房が垂れ下がります。怪物は断末魔を上げ燃え上がり、秦は岬を支えきれず彼女は落下、地面にその体を打ち付けました。秦は絶叫するように目を見開きます。岬の体から血が溢れ、動く事はありませんでした。自衛隊が撤収して行きます。大型ヘリが上昇し、スタジアムの明かりが残されました。ネットの掲示板では、事件について色々と憶測が飛び交います。その中で、現場に居た警官が情報を漏洩させた事も話題になりました。東京にまた日常が戻り、納骨を終わらせた秦は、その帰りに岬の使っていたライターで煙草を吸い始めました。
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