太秦ライムライトの紹介:2013年日本映画。“5万回斬られた男”の異名を持ち、時代劇での斬られ役を生業としてきた福本清三が55年(映画製作当時)のキャリアで初めて主演を果たした作品です。時代の波に揺れる京都・太秦撮影所を舞台に、時代劇に情熱を注いできた人々を描いています。
監督:落合賢 出演者:福本清三(香美山清一)、山本千尋(伊賀さつき)、萬田久子(田村美鶴)、小林稔侍(先代の尾上清十郎)、松方弘樹(尾上清十郎)ほか
映画「太秦ライムライト」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「太秦ライムライト」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
太秦ライムライトの予告編 動画
映画「太秦ライムライト」解説
この解説記事には映画「太秦ライムライト」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
太秦ライムライトのネタバレあらすじ:起
悪代官に金で雇われた浪人が主役の前に立ちはだかります。そして浪人は派手な殺陣を演じ、最後は一刀のもとに切り捨てられます…。長年続いてきた時代劇ドラマ「江戸桜風雲録」の一幕です。浪人役の俳優・香美山清一(福本清三)はこの道一筋50年“斬られ役”に徹してきました。しかし、時代の流れと共に時代劇人気は斜陽の一途を辿り、京都・太秦撮影所からもすっかり活気が失われ、香美山の出番もめっきり減っていきました。そんなある日、とうとう「江戸桜風雲録」の打ち切りが決定、香美山の理解者でもある番組主演の時代劇スター・尾上清十郎(松方弘樹)は香美山に「また斬らせてくれ」と言い残して太秦を去っていきました。
太秦ライムライトのネタバレあらすじ:承
「江戸桜風雲録」の後番組として、若者をメインターゲットとした新番組「ODANOBU」がスタートしましたが、監督と方針を巡って対立した香美山は完全に干されてしまい、太秦の映画パークのチャンバラショーに出演しながらも決して殺陣の稽古を欠かすことはありませんでした。そんな香美山のストイックな姿勢に惹かれた新人女優の伊賀さつき(山本千尋)は香美山に弟子入りを志願、最初は渋った香美山も熱意に撃たれてさつきの指導を開始します。さつきはメキメキと殺陣の腕も上がっていき、ヒロインが降板した「ODANOBU」に代役として出演することになりました。最初のうちは失敗続きで、もう役者を辞めようかと弱音を吐くさつきに香美山は「甘ったれるな!お前は“太秦城”の姫様になるんじゃなかったのか?」と叱咤激励、この番組で才能を開花させたさつきは更なる高みを目指して東京へと向かいました。
太秦ライムライトのネタバレあらすじ:転
一方、香美山は長年酷使してきた左ひじが限界を超えてしまい、チャンバラショーで客に太刀を飛ばしてしまうという失態を犯したのを機に引退を決意、香美山は一人寂しく生まれ故郷に戻っていきました。数年後、「江戸桜風雲録」の劇場版制作が決定、東京でスター女優に登り詰めたさつきは尾上と共にダブル主演に抜擢され、撮影のため久しぶりに太秦を訪れました。さつきは稽古部屋で、香美山が残していった一本の木刀を見つけました。この木刀は、若き日の香美山の演技を「斬られ方がうまいヤツは芝居がうまい」と絶賛した尾上の父・先代尾上清十郎(小林稔侍)から香美山に託されたものでした。
太秦ライムライトの結末
スターダムを駆け上がるうちにいつしか自分が思い上がっていたことに気付いたさつきは、故郷で隠居生活を送っている香美山の元を訪れ、もう一度現場で本物の殺陣を教えてほしいと現役復帰を呼びかけます。頑なに断った香美山はさつきの熱意に打たれて最後の撮影に臨む決意を固め、数年ぶりに太秦の撮影所に舞い戻ってきました。香美山はさつきと華麗な立ち回りを演じ、その演技は尾上の心を打ちました。やがて香美山と尾上との迫真の太刀裁きが始まり、最後は香美山はさつきのとどめの一太刀に斬られました。血まみれで倒れ込んだ香美山は微かな笑みを浮かべていました。
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