映画「ギャングース」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ギャングースの紹介：2018年日本映画。鈴木大介によるノンフィクション書籍「家のない少年たち」を原作に、肥谷圭介が漫画化した同名コミックを実写映画化した青春犯罪ムービーです。生きることに精一杯な3人の若者の姿を通して、若者の貧困問題、特殊詐欺を行う犯罪営利組織（カンパニー）の実態、裏社会の縮図が浮き彫りになっていきます。
監督：入江悠 出演者：高杉真宙（斉藤恵吾（サイケ））、加藤諒（神童一樹（カズキ））、渡辺大知（黒猫チェルシー）（武藤武夫（タケオ））、林遣都（高田）、伊東蒼（ヒカリ）、山本舞香（ユキ）、芦那すみれ（サクラ）、勝矢（川合）、般若（班目）、菅原健（真鍋）、斉藤祥太（海老名兄弟）、斉藤慶太（海老名兄弟）、金子ノブアキ（加藤）、篠田麻里子（アゲハ）、MIYAVI（安達）ほか
この解説記事には映画「ギャングース」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
親や家族に捨てられたという不遇な生い立ちを持ち、青春時代を少年院で過ごした最底辺の若者、サイケこと斉藤恵吾（高杉真宙）、カズキこと神童一樹（加藤諒）、タケオこと武藤武夫（渡辺大知）の3人は、犯罪者だけをターゲットにした窃盗稼業“タタキ”を生業としていました。3人は情報屋兼道具担当の高田（林遣都）と手を組み、犯罪組織のアジトに侵入しては金目の物を盗む行為を繰り返していました。
そんなある日、とある犯罪組織のアジトに潜入した3人は、見張りをしていた少女・ヒカリ（伊東蒼）に見つかってしまいます。しかし、ヒカリの腕に焼き印を見つけた3人は彼女を憐れみ連れて逃走、カズキがヒカリの面倒をみることになりました。ヒカリは組織のSDカードを持たされており、その中身は暴力団などヤクザに属さない半グレ系アウトローからなる犯罪営利組織“カンパニー”を代表する存在である「六龍天」振り込め詐欺のターゲットを記した名簿が入っていました。
「六龍天」のリーダー・安達（MIYAVI）のもとで複数の詐欺店舗を統括する番頭・加藤（金子ノブアキ）がターゲットに電話をかけて勧誘する役のプレイヤー（掛け子）らに詐欺の心得を説いていました。加藤は、我々は現代社会の貧困問題で親や社会、政府から見捨てられた犠牲者であり、金の余っている層から金をもらって何が悪いのかと開き直ったような持論を述べていました。カンパニーの概要は、リーダーの下にいる番頭が複数の詐欺店舗を総括、店舗にはそれぞれ店長とプレイヤー、ターゲットから金を受け取る受け子がおり、集められたアガリ（収益金）は複数のメッセンジャー（運び屋）を通じて「六龍天」の倉庫に行き着く流れになっていました。
サイケ・カズキ・タケオは、ヒカリの持つ名簿をもとに、振り込め詐欺のアガリ（収益金）を奪う計画を立て、次々と加藤の統括する詐欺店舗にタタキを繰り返していきました。サイケら3人は集めた金で身分証明書と家を手に入れ、カタギの職に就くことを目標としていました。
統括する詐欺店舗がタタキに遭ったことで安達から目をつけられ、窮地に陥ったかのように見えた加藤。しかし、加藤はサイケらのタタキを利用して安達の金を盗み、部下兼恋人のアゲハ（篠田麻里子）と共に海外へ高飛びしようと目論んでいました。
しかし、サイケとカズキはかつての少年院仲間だった真鍋（菅原健）に絡まれてボコボコにされ、集めた金も奪われ、「六龍天」に知らされたくなければ毎月上納金を払えと脅されてしまいます。全てを失ったサイケら3人は本丸である安達に挑むことを決意、安達が海外でマネーロンダリング（資金洗浄）をしていること、そして洗浄された億単位の大金が中国から千葉に運び込まれることという情報を得ました。安達はこれまでのタタキのターゲットの中でも非常に狂気に満ちた難敵であることから、カズキはヒカリを養護施設に預けることにしました。
タタキの決行当日、サイケら3人は安達に妹を殺されており復讐を誓っているトラック運転手の川合（勝矢）の助けを借り、まんまと加藤の乗る輸送車からアタッシュケースを奪うことに成功しました。しかし、ケースの中身はただの紙切れであり、ここでサイケら3人はまんまと加藤の罠に嵌ったことに気付きました。
その頃、加藤は大金の入ったケースを持ちながら、アゲハと待ち合わせしている空港へ向かっていました。しかし、空港の駐車場で待ち受けていたのは半殺しにされたアゲハ、そして安達と手下たちでした。安達は加藤の裏切りを許さず、加藤を鉄パイプで殴り殺しました。
加藤の後を追ってきたサイケら3人は安達の手下らを倒し、いよいよ安達との直接対決に臨みましたが、安達は3人がかりでも倒せない強敵でした。しかし、その場に川合が駆け付けて3人に助太刀、サイケらはようやく安達を倒すと大金を奪って逃走、安達は川合が呼んだ警察に逮捕されました。しかし、逃げるサイケらの車のトランクが開いてしまい、せっかく奪った札束は次々と風に舞い散っていきました。
後日、定食屋でサイケたちが食事をしていると、店のテレビでは安達の悲惨な生い立ちが報道されていました。それを見たサラリーマンが「悲惨な生い立ちで同情かよ。親のせいにするんじゃねえよ。虐待された子供だからとか関係ねえよ。俺らなんかブラック企業で頑張って金稼いでんだよ」と愚痴っていました。思わずキレそうになったサイケをカズキが変顔で止め、3人は言いたい奴には言わせておけばいいとばかりに笑い合っていました。
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