オスカー・ワイルドの紹介:1997年イギリス映画。アイルランド出身の作家オスカー・ワイルドと、若い恋人の間に芽生えた同性愛を描くドラマ作品。優しい妻と2人の息子に恵まれ、仕事も順調なオスカー・ワイルドは幸せな日々を過ごしていた。しかし自分が同性愛者だと気付いた彼は、次第に年若い青年を性愛の対象としていく。ある日美しい青年ボジーに出会ったオスカーは、彼を熱烈に愛するようになった。2人の関係を嫌悪するボジーの父はオスカーを中傷し、事態は法廷闘争にまで発展する。
監督:ブライアン・ギルバート 出演:スティーヴン・フライ(オスカー・ワイルド)、ジュード・ロウ(アルフレッド・ダグラス)、ヴァネッサ・レッドグレーヴ(レディ・ワイルド)、ジェニファー・イーリー(コンスタンス・ロイド・ワイルド)、マイケル・シーン(ロビー・ロス)ほか
映画「オスカー・ワイルド」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「オスカー・ワイルド」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
オスカー・ワイルドの予告編 動画
映画「オスカー・ワイルド」解説
この解説記事には映画「オスカー・ワイルド」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
オスカーワイルドのネタバレあらすじ:運命の出会い
舞台は19世紀のイギリス、ロンドン。作家オスカー・ワイルドは、優しく聞き上手な女性コンスタンス・ロイドを妻に迎え、穏やかな生活を送っていました。仕事も順調で、間もなく子どもにも恵まれます。
そんなある日、オスカーは自宅に居候させているカナダ生まれの青年ロビー・ロスから誘惑を受け、体の関係を持ってしまいました。自分が同性愛者だと気付いたオスカーは、それから複数の年若い青年と関係するようになります。2人目の子どもが出来てもオスカーの不倫は止まらず、コンスタンスは留守がちな夫を思い、顔を曇らせていました。
そんなある日、オスカーは戯曲「ウィンダミア卿夫人の扇」を書いて大ヒットさせます。周囲から賞賛されるオスカーは、パーティー会場で美しい貴族の青年アルフレッド・ダグラス(愛称ボジー)に出会いました。ボジーの若さと美しさに目を奪われ、すぐに虜になってしまったオスカー。今までの不倫とは違い、今度は本気でボジーを愛するようになります。
2人が逢瀬を重ねる内に、男色の噂は少しずつ広まっていきました。その噂に最も激怒したのが、ボジーの父クィーンズベリー卿です。彼は常に持ち歩いているムチで妻や子ども達を打つ酷い父親でした。男色を嫌うクィーンズベリー卿はオスカーとボジーの関係を汚らわしいと吐き捨て、ボジーもそんな父親を嫌っていました。
オスカーワイルドのネタバレあらすじ:愛に溺れるオスカー
オスカーはボジーのために金を湯水のように使い、仕事に追われるようになります。ボジーは他の男性との関係をオスカーに見せつける一方、嫉妬深く突然怒鳴り散らすことがありました。手に負えなくなったオスカーはボジーと別れ、立て続けにヒット作を書き上げます。しかし結局はボジーとよりを戻しました。
そんなある日、オスカーとボジーはレストランでクィーンズベリー卿と遭遇します。ボジーは意を決して父親をテーブルに招待し、オスカーと話をさせました。オスカーを毛嫌いしていたクィーンズベリー卿ですが、巧みな話術に乗せられ話は存外盛り上がります。ボジーも満足げに笑いますが、それでも男色嫌いは変わりませんでした。
オスカーと縁を切らなければ一切の面倒を見ないと言われ、激怒したボジーは家を飛び出します。彼はオスカーのもとに身を寄せ、2人はますます互いに溺れていきました。ボジーは何かある度に父親そっくりになって暴言を吐き、それを後悔しています。オスカーはそれが辛いとロビーにこぼしました。ロビーはボジーとの関係は身の破滅を招くと忠告します。
オスカーがボジーと別れることを決意した矢先、ボジーの兄が自殺を遂げてしまいました。父が死に追いやったのだと嘆くボジーを、オスカーはずっと守り続けると誓います。
オスカーワイルドのネタバレあらすじ:法廷闘争
クィーンズベリー卿は、息子の自殺の責任はオスカー達にあると主張していました。クィーンズベリー卿はオスカーの屋敷に押し入り、ボジーと別れなければ警察に訴えると怒鳴ります。口汚く罵る彼に、オスカーも激怒して言い返しました。クィーンズベリー卿の仕打ちが、ボジーを父と同じような愛の無い人物にしたのだと。
追い返されたクィーンズベリー卿は、それからオスカーは男色家であると触れ回るようになりました。ボジーは名誉毀損で訴え、これを機に父の所業を世間に暴いてやると意気込みます。しかしロビーは大ごとにするなと忠告しました。クィーンズベリー卿の中傷が全て嘘だった場合は勝訴出来ますが、オスカーが同性愛者であることも、金で青年を買ったことがあるのも事実だったからです。
しかしオスカーはボジーの望みに応え、クィーンズベリー卿と法廷で争うことにしました。法廷でオスカーは孤立無援の戦いを強いられ、不利な状況に追い込まれます。ロビーは国外へ逃げるようオスカーに懇願しましたが受け入れて貰えませんでした。
ついにオスカーは猥せつ行為の容疑で逮捕されてしまいます。彼の戯曲は公演打ち切りとなり、妻子も国外へ去ることになりました。
オスカーワイルドのネタバレあらすじ:オスカーの罪
ボジーはオスカーの面会に出向き、自分が証言台に立つと伝えます。しかしオスカーは望まず、海外に逃げるよう言いました。変わらぬ愛を誓い合うオスカーとボジー。そして法廷に立たされたオスカーは、年長の男性が若い青年に愛を向けることは決して悪ではないと説きました。
傍聴していたロビー達から拍手が起こりますが、結局オスカーは2年間の重労働の刑を言い渡されてしまいます。オスカーの服役中、ボジーはロビーに今後オスカーの面倒は自分が見ると告げました。別荘を買い取って、一緒に暮らすのだと。ボジーは敵意に満ちた目で、オスカーは自分のものだと言い捨て去っていきます。
オスカーは過酷な牢獄生活の中で衰えていきました。そんな彼のもとに、コンスタンスが面会にやって来ます。彼女は子ども達の近況を伝え、出所後は新しい戯曲の執筆をするよう言いました。才能があるのだから書けるはずだと、オスカーを真っ直ぐ見つめるコンスタンス。彼女に離婚の意志はありませんでした。しかしボジーには二度と会わないで欲しいと言います。オスカーは涙をこぼし、コンスタンスの手を握り締めました。彼は獄中でペンを執り、やがて出所の時を迎えます。
オスカーワイルドの結末:失意の晩年
出所したオスカーは、ボジーに別れを告げるつもりで手紙を用意していました。しかし思わぬ悲劇が彼を襲います。背中を痛めていたコンスタンスが死去し、子ども達に会うことも禁止されてしまったのです。
全てを失ったオスカーは、ボジーに会いたいと切望しました。しばらくして、2人は念願の再会を果たします。しかしオスカーとボジーはその3ヶ月後に別れました。
牢獄で健康を害したオスカーはパリの安ホテルで余生を送り、1900年11月30日に46歳で死亡します。ボジーは1945年に死去。オスカーを心から愛し尊敬したロビーは、1918年に亡くなりました。彼の遺灰は1950年にオスカーの墓の中に葬られたそうです。彼らの人生を伝え、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「オスカー・ワイルド」のあらすじと結末でした。
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