パワー・オブ・ザ・ドッグの紹介:2021年アメリカ,イギリス,ニュージーランド,カナダ,オーストラリア映画。1920年代のモンタナ州。カリスマ的存在と威圧的な態度で周囲から恐れられている牧場主フィル・バーバンクと、対照的に地味な弟ジョージのバーバンク兄弟。ある日、ジョージが未亡人ローズと結婚することになり、その息子を連れて家に越してくることになった。しかしフィルは2人に対して執拗な攻撃を仕掛け、ひどい仕打ちを重ねる。人間関係のバランスが崩れていく中で、やがてフィルは自分の中にある感情を知っていく。
監督:ジェーン・カンピオン 出演:ベネディクト・カンバーバッチ(フィル・バーバンク)、キルスティン・ダンスト(ローズ・ゴードン)、ジェシー・プレモンス(ジョージ・バーバンク)、コディ・スミット=マクフィー(ピーター・ゴードン)、トーマサイン・マッケンジー(ローラ)、ジェネヴィエーヴ・レモン(ミセス・ルイス)、キース・キャラダイン(エドワード)、フランセス・コンロイ(老婦人)、ピーター・キャロル(老紳士)、アダム・ビーチ(エッドワード・ナッポ)ほか
映画「パワー・オブ・ザ・ドッグ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「パワー・オブ・ザ・ドッグ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
パワー・オブ・ザ・ドッグの予告編 動画
映画「パワー・オブ・ザ・ドッグ」解説
この解説記事には映画「パワー・オブ・ザ・ドッグ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
パワーオブザドッグのネタバレあらすじ:起
1925年、モンタナ州。この地で、大牧場を経営しているフィル(ベネディクト・カンバーバッチ)はカリスマ的存在で、イェール大学を出たエリートな上に、バンジョーを楽しんだり読書をしたりするインテリでした。しかしその一方では、先住民族や移民そして女性に対して、激しい差別発言を繰り返していました。
それに対し、フィルの弟ジョージ(ジェシー・プレモンス)はまじめで誠実な性格。フィルはそんな彼が疎ましいと思いながらも、これまでに兄弟二人三脚でやってきました。
そんな彼らがカウボーイ仲間たちを引き連れて町に出向いた際、食事をとった宿屋で未亡人の店主ローズ(キルスティン・ダンスト)と出会いました。
男性至上主義のフィルは、華奢で女性的な繊細さを持つローズの息子ピーター(コディ・スミット=マクフィー)を見て仲間たちと嘲笑します。ローズにフィルの言動を謝ったジョージは、一瞬にして恋に落ち、頻繁に会うようになりました。
パワーオブザドッグのネタバレあらすじ:承
その後、ジョージはローズと結婚し、バーバンク牧場で一緒に生活を始めました。ピーターはジョージの支援を受けて医大へ進学し、夏休みの間だけローズのお店を手伝いにやってきます。
そんな様子を見たフィルは、ジョージの金目当てで結婚をしただけだとローズを嫌悪し、泥まみれで歩き回ったり、ピアノの練習の邪魔をしたりなど、露骨に嫌がらせをするようになりました。
ローズは精神的に追い込まれ、フィルが息子のピーターを見る目に恐ろしい感情を抱くようになります。やがてローズは隠れて酒を飲むようになり、自制がきかなくなっていきました。
パワーオブザドッグのネタバレあらすじ:転
相変らずフィルと仲間たちのピーターに対するいじめも続いていきました。しかしピーターは動じず、医学の勉強に没頭するのでした。
一方、フィルには大きな秘密がありました。フィルに生きるすべてを教えてくれた今は亡き伝説的なカウボーイ、ブロンコ・ヘンリー。湖で人知れず彼が遺したハンカチのにおいを嗅ぎながら自慰行為に浸るフィルを、偶然通りかかったピーターが目撃してしまいます。
フィルはピーターに気付き、追い払いましたが、その時から2人の間には奇妙な関係性が生まれていきます。フィルは突然、ピーターを男性として扱いはじめ、馬の乗り方を教えたり、2人で遠くまで出かけたり、さらにはピーター専用の投げ縄を作ってあげるなど親密になっていきました。
ローズは、ピーターとフィルが一緒に過ごす時間が長くなっていることに気を揉み、さらにアルコールへと逃げていきました。
パワーオブザドッグの結末
我慢の限界に至ったローズは、フィルが投げ縄作りに使っていた牛の皮を全て残らず原住民へと譲ってしまいました。戻ったフィルは皮がなくなっていることに気付いて大激怒します。
しかし、そんなフィルに、ピーターが死んだ牛から取った皮を差し出しました。
その夜、彼らは納屋で夜を過ごし結ばれました。行為のあと、フィルはブロンコ・ヘンリーと寝た過去を告白しました。
翌朝、フィルの手はひどく腫れ、変色していました。みるみる弱っていく彼をジョージが見つけ、病院へ連れて行こうとします。
フィルは完成した投げ縄をピーターへ渡そうとしていましたが、会えないままジョージへ連れられて去っていきました。そしてフィルはそのまま帰らぬ人となってしまいました。炭疽菌による感染症が死因でした。
ピーターがフィルに差し出した皮は、炭疽菌に感染していた牛から取ったものだったのです。フィルが完成させた投げ縄を手袋をした手で扱い、ベッドの下へ隠すピーター。
窓の外には、ジョージとローズが固く抱き合っているのが見えました。
以上、映画「パワー・オブ・ザ・ドッグ」のあらすじと結末でした。
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