FUNNY BUNNY(ファニーバニー)の紹介:2021年日本映画。映画監督・小説家・舞台演出家としての顔を持つ飯塚健が2012年に脚本・演出を手掛けた舞台『FUNNY BUNNY 鳥獣と寂寞の空』および自ら執筆した小説『FUNNY BUNNY』を映画化した作品です。自殺願望者を見分けることのできる売れない小説家の男が2つの時代を股にかけて引き起こす奇想天外な騒動を描きます。
監督:飯塚健 出演者:中川大志(剣持聡)、岡山天音(漆原聡)、関めぐみ(服部茜)、森田想(遠藤葵)、レイニ(新見晴)、ゆうたろう(田所修)、田中俊介(藤井元伸)、佐野弘樹(安達充)、山中聡(荒木広彦)、落合モトキ(菊池広重)、角田晃広(秋尾秋好)、菅原大吉(西門静男)ほか
映画「FUNNY BUNNY」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「FUNNY BUNNY」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
FUNNY BUNNYの予告編 動画
映画「FUNNY BUNNY」解説
この解説記事には映画「FUNNY BUNNY」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
FUNNY BUNNYのネタバレあらすじ:起
小説家志望の男、剣持聡は相棒の漆原聡と共にタクシーに乗り、閉館間際の図書館に向かいました。タクシーを降りた剣持と漆原はなぜかウサギの姿をしていました。二人はこれからある目的のため図書館を襲撃しようと企てていたのです。
図書館に乗り込んだ剣持と漆原は図書館司書の服部茜とたまたまこの図書館に本を借りに来ていた大学生の新見晴を拘束し、“絶対に借りられない本”を借りに来たと目的を語りました。この本には剣持の高校時代の親友だった田所修が“お宝”を隠しているというのです。
剣持と漆原は図書館内の大量の本を探し始めましたが、お目当ての本はなかなか見つかりませんでした。その間、2階に隠れていたために難を逃れた女子高生の遠藤葵が服部と新見の拘束を解きました。服部らは外部に電話をかけようとしましたが既に電池が切れていました。
その間、服部はかつて少しだけ売れた「ザ・レディオユース」というバンドの「世界を嘆く前に音楽を聴け」という曲を思い出していました。
服部と新見、遠藤は反撃に転じようと逆に剣持と漆原を問い詰めました。服部は警察に通報することを示唆しつつ、なぜ今日なのか、他の日でもいいのではないかと剣持を問い質したところ、剣持らは服部たちにも一緒に本を探してほしいと頼み、本を探す理由を語り始めました―――。
FUNNY BUNNYのネタバレあらすじ:承
―――それは剣持が高校3年生だった頃の夏。田所はいじめっ子たちに殺されたのです。喧嘩の強い剣持はいじめっ子たちをねじ伏せ、二度といじめをしないことを誓わせたのですが、いじめっ子たちは田所をターゲットとしていじめを続けていました。
1学期の終わり、田所は強くなろうと鉄アレイで身体を鍛え始めたことを剣持に明かしました。田所は「夢のボタンを隠したんだ。持ってると押しちゃうから・・・」と剣持に話していました。明らかに田所はSOSを発していたのですが、この時は剣持は気付いてあげられなかったのです。この3日後、いじめっ子に反撃しようとした田所は無惨にも殺害されてしまったのです―――。
―――田所が“絶対に借りられない本”の中に隠した“お宝”とは鉄アレイのことだったのです。図書館襲撃の翌日は田所を殺したいじめの主犯格が刑期を終えて少年院を出所する日でした。剣持は何としても鉄アレイを探し出し、主犯格を殺すつもりでいました。
剣持たち5人はようやく鉄アレイを探し出しました。しかし、剣持の狙いに気付いた漆原は剣持を人殺しにはしたくない一心で必死に止め、説得を受けた剣持は復讐を断念しました。
FUNNY BUNNYのネタバレあらすじ:転
図書館襲撃から4年後。剣持はとある駅で投身自殺を図ろうとしていた菊池広重という男を助けました。菊池は解散したバンド「ザ・レディオユース」の元ギタリストでした―――。
―――「ザ・レディオユース」は菊池、ベースの安達充、ドラムの荒木広彦、そしてボーカルの藤井元伸の4人組でした。藤井は服部の元恋人であり、菊池と藤井、服部は同じ大学の軽音サークル出身でした。
ある日、菊池・藤井・服部は仲間たちと共にバーベキューをしていました。互いに「死ね!」とふざけあっていた菊池と藤井に、服部はつい「二人とも死ね!」と言ってしまったのです。服部は今でもこのことを深く後悔しているのです。
それから程なくして、菊池はレコード会社からの連絡で「ザ・レディオユース」のデビューが決定したことを知らされました。一方、藤井は意を決して服部にプロポーズすることにしましたが、彼女のもとに向かう途中で交通事故に遭って死んでしまいました。
デビュー直前に3人になってしまった「ザ・レディオユース」。菊池がボーカルを兼任してデビュー曲「世界を嘆く前に音楽を聴け」をリリースしたものの、ヒットしたのはこの1曲だけでした。結局一発屋に終わったバンドはそれから3年で解散、菊池は音楽から足を洗って自販機補充の仕事に就いていました―――。
FUNNY BUNNYの結末
―――菊池は今でも藤井のいない喪失感に苛まれており、毎日を絶望の中で生きていました。菊池は自殺を止めた剣持に恨み節を吐きましたが、剣持は「藤井のせいにするな。人は誰でも死ぬ。忘れられない過去を抱えて生きてるのはお前だけじゃない。忘れる前進だってあるんだ。諦める前進はどこにもない」と励ましました。
剣持は電波ジャックを企て、菊池を連れてラジオ局に乗り込みました。漆原、服部、新美、遠藤も一緒でした。ウサギの恰好で乗り込んだ剣持たちは今や警備員になっていた安達と荒木の手引きでスタジオに入り、菊池は久しぶりにギターを手に取りました。
服部は藤井が生前最期に書き残した新曲の歌詞のメモを取り出し、菊池は想いをこめて歌い始めました。やがて菊池は「藤井、俺はお前を忘れることにした」と叫ぶと、どこからともなく藤井の声が聞こえてきたような気がしました。「それでいい。元気でやれ」・・・。
剣持、漆原、服部、新美、遠藤、安達、荒木、そして菊池は行きつけの中華料理屋で楽しい時を過ごしていました。菊池は剣持の小説にいちゃもんでもつけてやろうとタイトルを訊いてみたところ、剣持は「FUNNY BUNNY」と答えました。
以上、映画「FUNNY BUNNY」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する