三人の女の紹介:1977年アメリカ映画。アルトマン監督の見た夢が元になった前衛的なドラマ。砂漠の中の街に暮らす3人の女――高齢者リハビリセンターに勤めるミリー、彼女の新しい同僚でルームメイトになるピンキー、彼らの住むアパートを夫と共同で所有し不思議な絵を描くウィリー――がミステリアスな関係を織りなす。アルトマン監督の『BIRD★SHT バード・シット』に出演を求められたことをきっかけとして俳優になったシェリー・デュヴァルはこの作品の演技で第30回カンヌ映画祭女優賞、第3回ロサンゼルス映画批評家協会賞主演女優賞を獲得した。ピンキーの父親を演じているのは、撮影所黄金時代のハリウッドを支えた映画監督の一人であるジョン・クロムウェル。俳優ジェームズ・クロムウェル(『ベイブ』、『L.A.コンフィデンシャル』等)のお父さんです。
監督:ロバート・アルトマン 出演者:シェリー・デュヴァル(ミリー)、シシー・スペイセク(ピンキー)、ジャニス・ルール(ウィリー)、ロバート・フォーティア(エドガー)そのほか
映画「三人の女」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「三人の女」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
三人の女の予告編 動画
映画「三人の女」解説
この解説記事には映画「三人の女」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
三人の女のネタバレあらすじ:起・新しいルームメイト
カリフォルニア州の砂漠の中にある高齢者リハビリセンターで働くミリー・ラモローは、彼女と同じくテキサス出身だという、やることなすこと子供っぽい新入りのピンキー・ローズに仕事を教えることになる。温水プールに老人を入れて歩かせる方法を教えると、ピンキーはたちまちミリーを慕い始める。
安ホテルに住んでいたピンキーは、ミリーがルームメイトを募集中であることを知り、ミリーのルームメイトになる。ミリーは彼女の自動車でピンキーを初めてアパートに連れて行く途中、ドッジ・シティという、警官のたまり場になっている砂漠の中のバーに寄りビールを注文して飲む。
そこには不思議な人や、獣がいる絵をいたるところに描く妊娠中のウィリーがいた。彼女は無口で、ピンキーが「あなたの絵が好き」と言っても無言だった。彼女と夫で元スタントマンのエドガーがドッジ・シティを経営していた。ミリーのアパートの共用プールの底の石畳にも不思議な絵が描かれている。アパートもウィリーとエドガーの所有だった。
三人の女のネタバレあらすじ:承・めんどうくさい同居生活
ミリーはピンキーの生活態度を注意するが、彼女がミリーの日記の鍵を開けて中身を盗み読んでいることには気づかなかった。ミリーは彼女を尊敬するピンキーには自分が人気者であるかのようにふるまっているが、おしゃべりで鼻持ちならない気取り屋で男の気を惹こうとしているのが見え透いていて、職場でもアパートの住人の間でも敬遠されていた。
ピンキーにとってウィリーも気になる存在だった。仕事が早く終わった金曜日の午後、ミリーがドッジ・シティに併設された射撃練習場で射撃の練習をするのに付き合わされた時も、ついウィリーの絵に見いってしまった。
ある日、元ルームメイトのディードレが恋人と二人の男友達を連れて遊びに行くとミリーに電話をしてきた。ピンキーに手伝わせてパーティーの準備をする。だが、ディードレたちは予定を変えてドッジ・シティに行ってしまう。二人でパーティーをしましょうと言うピンキーを放って、ミリーはディードレをさがしに行く。
夜遅く帰ってきたミリーはエドガーをともなっている。エドガーにはウィリーがいるのに、と言うピンキーに対してミリーは、あんたが来てから楽しいことがない、いつでも出て行っていいと声を荒げる。がっかりしたピンキーは服のままバルコニーからプールに飛び込み意識を失ってしまう。
ウィリーが気づいて叫びアパートの住人が集まってピンキーを救い上げる。そして救急車が呼ばれた。
三人の女のネタバレあらすじ:転・ピンキーの変貌
ピンキーはこん睡状態に陥っていた。責任を感じたミリーは職場でピンキーへの励ましのカードへのサインを集め、ミリーの両親をさがして連絡する。
やがてテキサスから長距離バスでやってきたピンキーの両親を迎える。ピンキーはようやく意識を取り戻すが、両親を見ても両親ではないと言う。一時的に記憶を失ったのか、それとも人違いだったのか。
ミリーはピンキーを病院からアパートに引き取る。ピンキーは人が変わったようにタバコを吸い、おしゃれを始め、そしてピンキーと呼ばれるのを嫌い、本名(ミリーの本名でもある)のミルドレッドという名で呼ぶようにミリーに言う。ミリーがいないうちにエドガーを部屋に入れ、ミリーと違ってアパートの住人と仲良くなる。
職場でピンキーがミリーの社会保障番号を使って働いていたことが判明する。それを知ってもミリーはピンキーの味方になろうとし、上司と喧嘩して辞職してしまう。ところが、帰ろうとすると自動車がない。
盗難と考えて警官を呼ぶが、パトカーで家に送ってもらう途中、ドッジ・シティに彼女の自動車がある。ピンキーが勝手にミリーの自動車を乗り回して、ドッジ・シティに来て射撃練習をしているのだった。
さらに、ピンキーが彼女の日記を勝手に読んでいることに気づいてもピンキーの力になろうとするミリーに、「ピンキーでなくミルドレッドと呼べ」とピンキーは毒づく。
三人の女の結末:ウィリーの出産
夜、ピンキーはこれまで彼女に身に起こったことが再現される怖い夢を見てしまい、簡易ベッドのミリーの横に寝させてもらう。ところがエドガーが合い鍵を使って部屋に忍び込む。気づいてミリーが彼を咎めると、産気づいているウィリーをエドガーがほったらかしにしていることがわかる。
ミリーがピンキーを連れてドッジ・シティ近くのウィリーの家に行くと、ウィリーは痛み苦しんでいた。ミリーはピンキーに医者を連れてくるように命じるが、ピンキーは見ているだけ。ミリーはやむを得ず赤ちゃんを取り出すが、男の子が既に冷たくなって出てきた。血まみれのミリーは医者を呼びに行かなかったピンキーを殴ってしまう。
しばらく経ち、ドッジ・シティのバーではピンキーが店番をしていて、ミリーのことは「ママ」と呼ぶ。エドガーが使い慣れているはずの銃の事故で死に、今はミリーとピンキーはウィリーを助けて3人で暮しているのだった。
以上、映画「三人の女」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する