君を想い、バスに乗るの紹介:2021年イギリス映画。最愛の妻を亡くした90歳トム・ハーパーはローカルバスのフリーパスを利用してイギリス縦断の壮大な旅に出ることを決意する。目指すは妻と出会い、ふたりの人生が始まった1300キロ先のランズエンド。行く先々で様々な人と出会い、トラブルに巻き込まれながらも妻と交わしたある約束を果たすために果敢に旅を続ける。特殊メイクなしで実年齢より30歳近く年老いた主人公トムを演じたティモシー・スポールは、イタリアのバーリ国際映画祭にて最優秀主演男優賞を受賞した。
監督:ギリーズ・マッキノン 出演:ティモシー・スポール(トム)、フィリス・ローガン(メアリー)、ベン・ユーイング(青年期のトム)、ナタリー・ミットソン(青年期のメアリー)ほか
映画「君を想い、バスに乗る」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「君を想い、バスに乗る」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「君を想い、バスに乗る」解説
この解説記事には映画「君を想い、バスに乗る」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
君を想い、バスに乗るのネタバレあらすじ:起
トム・ハーパーと妻メアリーはスコットランド最北端の村ジョンオグローツでささやかながら愛に満ちた穏やかな日々を送っていました。
しかし、ふたりの生活は突然終わりを迎えることになってしまいます。メアリーが病に倒れ帰らぬ人となってしまったからです。
悲しみに沈むトムは、妻と交わしたある約束を果たすため地図を広げました。ペンがなぞる先はイングランドの最南端ランズエンド。わずかな現金とローカルバスのフリーパスを握りしめトランク片手に家を出ました。
君を想い、バスに乗るのネタバレあらすじ:承
早速バスに乗り込み、ランズエンドまで行くことを告げると「1300キロ以上先だぞ。冗談だろ!?」と地元運転手は驚きを隠せない様子でした。トムはマイペースに席へと座り、車窓から眺める雄大な自然を楽しみました。
ところが良い出だしだと思った矢先、故障し動かなくなった車に足止めをくらってしまいます。昔、整備士だったトムはすぐさま駆け付け、見事に車を動かして見せました。その様子を乗客の青年が「#BusHero(バスの英雄)」と称してSNSに動画を投稿しました。
その後もいくつもバスを乗り継ぎ、若い青年に従軍体験を聞かせたり、羊たちが乗車してきたり、トランクを盗られそうになるハプニングなどもありながら、すっかり寝過ごし終点の車庫まで行ってしまったトムを、親切な夫婦ピーターとトレイシーが自宅に泊めてくれました。
娘の舞台を見終えたばかりの夫妻は、娘の演技を手放しで賞賛。その親子愛溢れる姿にトムは娘が生まれたばかりの幸せな時を重ねました。
君を想い、バスに乗るのネタバレあらすじ:転
バスはイングランドに入り渋滞にはまった車内で、酔っ払った男がイスラム教徒の女性に差別的な言葉を浴びせていました。見過ごすことができなかったトムは果敢に「バスを降りろ」と真正面から抗議し男をバスから追い出しました。
また、リバプールのバス停では、若い男女グループがじゃれ合いながら歌声の応酬をしていました。トムも一曲リクエストされ、アメイジング・グレイスを歌いました。旅を通じて知り合った人々の優しさに触れながら目的地を目指し出発しました。
ロンドンに入り、乗っていたバスが事故に遭ってしまい、病院のベッドで目覚めたトム。身体をがんに侵され深刻な病状を知った医師からきちんと治療をするべきだと説得されましたが、トムは頑として譲らず病院から脱出してしまいました。
しかし、次のバスに乗車しようとしたとき、これまでずっと使用してきたフリーパスがスコットランド専用のパスだったことが発覚。バスから降ろされてしまったトムが途方に暮れていると、通りがかりのウクライナ人が助けてくれました。トムはSNSでバス旅をする老人として有名になっていたのでした。
そんなことは知る由もないトムは彼らの誕生日パーティに招待され、帰り際、杖をプレゼントされました。
君を想い、バスに乗るの結末
すっかり有名人になったトムからバスの運賃を受け取ろうとする運転手はいませんでした。
そしてついに、ランズエンドが近付いてきました。トムは墓地に向かいました。
墓石にはたった1年でこの世から去ってしまった娘の名前が刻まれています。トムはトランクから額縁におさめられている家族写真を取り出すと、墓前に立てかけました。トムの目から大粒の涙がこぼれました。
最後のバスに乗り込んだトム。車窓からはメアリーとの思い出の港が見えてきます。こうしてやっとの思いでたどりついたランズエンド。バスを降りると、トムの到着を待っていた大勢の人が拍手で迎えました。
この人たちは一体なんなのか?なぜ自分の到着を知っているのか?疑問はありましたが、それよりも今のトムにはやるべきことがありました。
メアリーと共に歩いた防波堤をたどたどしい足取りで歩き、トムは2人の物語が始まった場所へと向かいました。そしてずっと旅を共にしてきたトランクを開けると綺麗に布でくるまれた箱を取り出しました。箱にはメアリーの遺灰が入っていたのでした。トムはそれを海に広げると、水面に広がるメアリーの遺灰をいつまでも眺めていたのでした。
以上、映画「君を想い、バスに乗る」のあらすじと結末でした。
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