アデル、ブルーは熱い色(原題:Blue Is the Warmest Colour)の紹介:2013年フランス作品。第66回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した作品。初々しい女性から愛に苦しむ姿まで、官能的なシーンを大胆に演技した、L・セドゥとA・エグザルコプロスの演技もパルムドールに輝いた。
監督 :アブデラティフ・ケシシュ 出演:アデル・エグザルホプロス、レア・セドゥ、ジェレミー・ラウールト、カトリーヌ・サレほか
映画「アデル、ブルーは熱い色」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アデル、ブルーは熱い色」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
アデル、ブルーは熱い色の予告編 動画
映画「アデル、ブルーは熱い色」解説
この解説記事には映画「アデル、ブルーは熱い色」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アデル、ブルーは熱い色のネタバレあらすじ1
女子高生のアデルは上級生の男子とデートすることに。デート中に街ですれ違う青い髪をした魅力的な女性に目をむける。その後彼とSEXをするが、アデルはベッドの上で無表情なまま。何かが違うことに気づきだす。彼とは別れることに。その後友人のゲイ友達とバーに行き、男同士のキスを見せ付けられる。いたたまれずその場をあとにするが、次に入ったバーでは女ばかりのバーで同性愛者のためのバーだった。そのバーで以前見かけた青い髪の女性に声をかけられ話をする。
アデル、ブルーは熱い色のネタバレあらすじ2
後日アデルが学校の前で友達と話をしていると、そこに青い髪のエマの姿があった、ふたりはお互いをもっと知るために話をするが、アデルはすでにエマが好きになっていた。別れ際にエマが頬にキスをするが、アデルは唇にキスしてくれないのを残念に思う。アデルはエマを家に招待し、両親にも紹介する、その夜アデルの家に泊まったエマと初めてのSEXをする。
アデル、ブルーは熱い色のネタバレあらすじ3
そして、アデルは学校を卒業後小さなこどもを教える教師になり、エマは絵を描いていた。ふたりは同棲していて、エマの仲間にアデルを紹介するパーティを開く。そこはエマの美術仲間ばかりの世界でアデルは自分の居場所に戸惑っていた。エマは絵のことで頭がいっぱいになり、アデルの求めに応じようとせず、いっそうアデルは孤独を感じるようになる。そんな中アデルは仕事仲間の誘いを受け踊りに行き、男性教師の誘いにのってしまう。そのことを知ったエマは激怒し、アデルを部屋から追い出してしまう。泣くアデルは必死に誤り、愛していると言うがその思いはエマには届かない。
アデル、ブルーは熱い色の結末
そして時が経ち久しぶりに再会するふたり。アデルは今でもエマを愛しているからどうか自分を受け入れて欲しいとせまる。自分の足の間にエマの手を引き入れてキスをするアデル、エマも泣きながら人目も気にせず激しくキスをするが、エマにはすでにパートナーがいて、今でもアデルを許せないと告げる。そしてアデルはひとり去っていく。
ずいぶん長々とアデルの生き様を見せられて、どうもこの映画のタイトルがしっくりこなかったが、最後にフランス語で映画の原題“La vie d’Adele”(アデルの人生)が出て、やっとこの映画がまさに“腑に落ちた”。
最初は高校生のアデルが男の子とのセックスに満足できず、次第に自分は女の子が好きなのだ、ということがわかってきて、やがてエマとの出会いがあって、エマとの生活、自分の幼稚園の教師という仕事、など、アデルの人生と、エマとの関係が綴られていく。
セックスシーンについては、西欧より1世紀遅れている(言い過ぎ?)日本だから、修正の手が入り、別にショッキングとは思わなかった。
それよりも、俳優たちがモノを食べる時の下品さなどの方が余程印象に残っている。
私はよく家でパスタを食べる時、食べ方が下手だと妻や子に注意されるので、気を付けているが、この映画の出演者たちはそれがとてもひどく、私などはそれに比べれば優等生だ。
もうひとつ印象的なのは、なんとも生々しい、出演者たちのキスシーンである。
昔の映画のキスシーンというのは、観客をして『こんなキスがしてみたい』と思わせるようなものだったが、この映画の愛欲に満ちた濃厚なキスシーンはどうだろう。
こういうのが好みの方もいらっしゃるのだろうが、私などはやはり古い人間なのか、どうも馴染めなかった。
そして最後に、なんともアデルが孤独で痛々しかった。
人類の半分を占める男でさえ、その中から好みの人を見つけるのは女性にとって難しい事なのに、自分と同じレズピアンの女性から、好みの人を見つけるのは本当に難しいのだろう。
でも、アデルはまだ若い。
きっと素敵な女性に巡り会えるよ。
そんなことを、最後につぶやきたくなった。
カンヌ国際映画祭では、監督だけでなく、主演の2人にもパルムドールが贈られる異例の授賞となった。