サマーウォーズの紹介:2009年/日本映画。ひょんなことから田舎の一族と夏休みを過ごすことになった17歳の高校生 健二が仮想空間に端を発した世界崩壊の危機に立ち向かう姿を家族の絆を軸に迫力のアクション満載で描くアニメ映画。ネット空間に現れた人工知能「ラブマシーン」がネットの世界のみならず、現実世界に対しても多大な混乱を巻き起こします。それに立ち向かうのは高校生の健二、夏希と陣内家一族。人工知能という強敵を相手に、健二たちは混乱を収めることができるのでしょうか。主題歌(エンディングテーマ曲)は山下達郎の「僕らの夏の夢」。
監督:細田守 脚本:奥寺佐渡子 声優:神木隆之介(小磯健二)、桜庭ななみ(篠原夏希)、谷村美月(池沢佳主馬)、斎藤歩(陣内侘助)、横川貴大(佐久間敬)、信澤三恵子(陣内万理子)ほか 音楽:松本晃彦 主題歌:山下達郎『僕らの夏の夢』
映画「サマーウォーズ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「サマーウォーズ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
サマーウォーズの予告編 動画
映画「サマーウォーズ」解説
この解説記事には映画「サマーウォーズ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
サマーウォーズの世界について
サマーウォーズで描かれる人々は現実世界の他に、パソコンや携帯電話から接続することができる“仮想空間OZ(オズ)”で生活している。自分のアバター(分身)を仮想世界の中で生活させ、コミュニケーションから買い物・公共料金支払いなどに至るまで、現実世界における用事も多くは仮想世界の中で済ますことができる。全世界で10億人以上が利用している巨大なネットワークなのだが、現実世界と仮想世界はリンクしているため、仮想世界で起こる危機は現実世界にも影響を及ぼす。サマーウォーズは、そんな仮想空間で起こるテロを、主人公たちが現実世界・仮想世界両方の中で必死に食い止めようとする物語。
サマーウォーズのネタバレあらすじ:1
舞台は長野県・上田の片田舎。 室町時代から続く由緒ある陣内家の末裔である一族は、現在の当主である90歳のおばあちゃんの誕生日を祝うため、年に1度、時代劇で見る城のような大屋敷に一族全員が総出で集う。当主のひ孫にあたる篠原夏希は、高校一の美少女。おばあちゃんが生きているうちに婚約者を連れていくと約束してしまったため、1つ下の後輩である高校生・小磯健二を連れ、アルバイトという名目で彼氏役を演じさせることにした。健二は今まで一度も彼女ができたことがない冴えない少年だったが、数学オリンピックの日本代表に選ばれかけるほど、数学を得意としていた。
サマーウォーズのネタバレあらすじ:2
屋敷に着くと、おばあちゃんの誕生日を祝う会が開かれようとしていました。集まった親族の多さに圧倒されながら過ごす健二の携帯電話に1通のメールが届きます。それは謎の暗号メールだったが、数学の問題だと勘違いした彼は徹夜で暗号を解いてしまう。翌日、世界一のセキュリティを誇るとされるOZ(オズ)が人工知能の乗っ取りに遭い、大混乱に陥っているというニュースがテレビで報道され、しかもその犯人が健二の仕業として取り上げられていました。健二が解いた暗号とは、仮想空間OZを守る2000桁以上のセキュリティーコードだったのです。メールを送ったのは人工知能「ラブマシーン」でした。OZ(オズ)はラブマシーンに乗っ取られ現実世界にも大混乱が起きていました。交通機関は麻痺し誤った情報が飛び交っています。ラブマシーンは奪ったアカウントを使って小惑星探査機を核施設に落とそうとします。まんまとテロリストの手助けをしてしまった格好になった健二は、怒涛の闘いに巻き込まれていくのです。
サマーウォーズのネタバレあらすじ:3
おばあちゃんが人脈を使って事態はいったん収束へ向かいますが、その過程で一族の一員である侘助という男が、OZを乗っ取った人工知能「ラブマシーン」の開発者であり、アメリカ政府機関にその腕を高く買われていることを明かします。それに激怒したおばあちゃんは侘助に対し腹を切ることを迫りますが、自分は人工知能を開発しただけであり、混乱は「ラブマシーン」が勝手にもたらしたものだとして、その場を去ります。おばあちゃんは病に倒れ他界してしまい、一族の者が悲しむ中、健二たちは「ラブマシーン」を討伐するべく準備を進めて行くのでした。
サマーウォーズのネタバレあらすじ:4
武家の末裔だけあって、90歳とは思えないほどパワフルなおばあちゃんをはじめ、陣内家の一族もみな気性が荒い。健二はそんな彼らと手を取り合って、人工知能「ラブマシーン」との激しいつばぜりあいを繰り広げる中、4億ものネットユーザーアカウントを「ラブマシーン」が奪ってしまい、その権限を行使して小惑星探査機「あらわし」の進路を変更し、世界に散らばる核施設のどこかに落下させようとします。仮想世界のみならず現実世界をも大混乱に陥れた敵。健二たち一同は危機に瀕し意気消沈するものの、おばあちゃんの励ましの遺言や健二の言葉でもう一度、「ラブマシーン」と決戦する決意を固めます。
サマーウォーズの結末
健二たちは人工知能「ラブマシーン」に花札による勝負を挑み、一度は危機に陥るものの、世界中の人たちの励ましと助力の下に、「ラブマシーン」に奪われた無数のアカウントを解放することに成功しました。しかし、「ラブマシーン」は小惑星探査機「あらわし」を陣内家に落とすことを考えます。健二は焦りながらも何とか管理塔に入り込み、探査機の軌道を得意な数学の卓越した能力で修正することに成功し、探査機「あらわし」の落下地点を陣内家から逸らす事に成功。小惑星探査機は屋敷の近くに落下するのでした(その際、温泉が噴き出します)。夏希の叔父である侘助と、夏希の又従兄弟の池沢佳主馬が人工知能「ラブマシーン」を完全に倒し平穏を取り戻します。OZ(オズ)の混乱を終息させ陣内家を救った健二は夏希と急接近、2人の間には恋が芽生えるのでした。その様子を一族があたたかく見守っています。
以上、映画サマーウォーズのネタバレあらすじと結末でした。
「サマーウォーズ」感想・レビュー
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たくさんの人物が登場しますが、一人ひとり得意なことがあって、全員が全員、魅力的に描かれているというのがとても素敵だと思いました。
また、人工知能「ラブマシーン」との対決は、仮想世界の中でのものですが、この作品内では仮想世界と現実世界とがリンクしていて、形としては存在しないはずの「ラブマシーン」が現実世界に色々な影響を与えるという描写が印象的でした。
ストーリーの面白さはもちろんですが、健二と夏希の恋模様や、佳主馬のクールさ、そして、栄おばあちゃんの死など、色々なテーマが複雑に入り混じっていて、何度見ても楽しめる作品です。 -
デジタルな世界が舞台となっている映画ですが、実のトコロ家族の絆の物語でアニメ映画ということもあって、息子と娘にとっても見やすく、家族で見ていました。ネット社会とリアル社会が密接に関係しているトコロ、今の世の中でも起こりうることかも?なんて思うとちょっと怖いですね。
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細田守監督の作品は全部観ています。なかでも『サマーウォーズ』は大好きな作品です。
栄おばさんの「あんたならできる。あんたにしかできないことなんだ」や「諦めなさんな。諦めないことが肝心だよ」、翔太の「しゃんとしろ! 俺たちがついてる!」、健二の「よろしくお願いしまーす!!」などなど、この映画には何度も勇気づけられました。
また、どんなに世界が便利で暮らしやすくなっても人との繋がりは大事なものなんだと教えてくれる作品です。
特にドイツの少年が助けに来るシーン~世界中の人々が助けに来るシーンは毎回泣いてしまいます。大好きな作品のため何度も観ているのですが、未だに陣内家の家系図がよくわかりません(笑)
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大学生の夏休みに暇すぎて初めてサマーウォーズを見ました。細田守監督の独特の世界間にはまりまっています。家族の絆という部分を改めて考え直させられるいい作品。
細田守監督作品は『おおかみこどもの雨と雪』『時をかける少女』『君の名は。』も観ましたが、一番面白いのは文句なくこれです。ITによりインフラが麻痺する可能性を描いた力作で、2009年公開ですがITを題材にしているにしては2018年現在でも十分通用する面白さを持っています。(iPhoneの仕様が変わったのとガラケーを使っている人が多いので、唯一そこが気になります。)