映画 世界の中心で、愛をさけぶの紹介:2004年日本映画。白血病を患わった女子高生とその恋人の、悲しい純愛を描いたラブストーリー。片山恭一のベストセラー小説が原作となっていますが、オリジナルストーリーも加えられているため、小説を読んだことのある人にも楽しめる内容となっています。
監督:行定勲 出演:大沢たかお(松本朔太郎)、柴咲コウ(藤村律子)、長澤まさみ(広瀬亜紀)、森山未來(サク・高校時代の朔太郎)、山崎努(重蔵)、宮藤官九郎(大木龍之介)、津田寛治(ジョニー)、高橋一生(高校時代の龍之介)、菅野莉央(少女時代の律子)、杉本哲太(亜紀の父)、古畑勝隆(高校時代のジョニー)ほか
映画「世界の中心で、愛をさけぶ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「世界の中心で、愛をさけぶ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
世界の中心で、愛をさけぶの予告編 動画
映画「世界の中心で、愛をさけぶ」解説
この解説記事には映画「世界の中心で、愛をさけぶ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
「世界の中心で愛をさけぶ」のネタバレあらすじ:起
朔太郎(大沢たかお)と婚約した律子(柴咲コウ)は、引っ越しのための荷造りをしていた時に、1本のカセットテープを見つけます。カセットテープに残されたメッセージを聞くため、律子はカセットテープが聞けるウォークマンを購入します。
メッセージを聞いた律子は涙を流し、「探さないでください」と置き手紙を置いて、何も言わずに朔太郎の前から姿を消しました。しかしTVの台風報道を見ていた朔太郎は、たまたま律子が映っているのを見ます。律子の居場所が自分の地元であることに気付いた朔太郎は、律子を追って、地元に向かいます。
久しぶりに実家に帰った朔太郎は、律子が聞いたカセットテープを聞いてみると、流れてきたのは朔太郎の初恋の相手だった亜紀の声でした。
時は、1986年に遡ります。同じ高校に通う亜紀(長澤まさみ)は、勉強もスポーツも万能で、朔太郎(森山未來)には眩しすぎる存在でした。ある日、朔太郎がバイクに乗っていると、急に、亜紀が話しかけてきます。朔太郎は、バイク通学をしていることを先生にチクられるのではないかと思いましたが、亜紀は、朔太郎のバイクの後ろに乗りこみます。これが亜紀と朔太郎が仲良くなるきっかけでした。
それから二人は付き合うようになりました。一緒に通学したり、一緒に旅行に行ったり、いつも二人で幸せな時間を過ごします。
「世界の中心で愛をさけぶ」のネタバレあらすじ:承
朔太郎は、ウォークマンが欲しいがために、ラジオ番組への投稿として白血病の女の子の話を小さな嘘を交えて書いてしまいます。それを聞いていた亜紀が怒ってしまいます。どう仲直りしたらいいのか分からない朔太郎が何も出来ずにいると、仲直りのきっかけにと亜紀が手渡してくれたのがカセットテープでした。互いに思いをテープに録音し交換する。それ以降、交換日記のようにカセットテープの交換をすることが、二人をうまく繋いでいたのです。
しかしそんな幸せもあまり長く続きませんでした。亜紀に病気が見つかります。白血病でした。
朔太郎は、あんな嘘をついたからだと酷く落ち込みますが、亜紀は「それは違う」と優しく励ましました。朔太郎がどんなに励まし、どんなに回復を願っても亜紀の容態は良くなりません。日に日に亜紀は弱っていきます。朔太郎は何も出来ない自分に歯痒い思いでいました。
しかし、そんな辛いときも二人の支えになっていたのはカセットテープの交換でした。互いの思いを伝え合う、口にしていなかった「付き合おう」の言葉もカセットテープに録音して伝える事が出来たのです。
「世界の中心で愛をさけぶ」のネタバレあらすじ:転
亜紀の夢はオーストラリアのウルル(エアーズロック)に行く事でした。今のままでは厳しい、焦る朔太郎はどうしてもその夢を叶えたいと、亜紀を病院から連れ出しオーストラリアに向かおうとします。
しかし台風のために飛行機が欠航、どうしたらいいのか分からない朔太郎は戸惑い混乱してしまいます。そして亜紀が意識を失ってしまいました。「助けて下さい!」空港で懸命に叫ぶ朔太郎でしたが、朔太郎の願い虚しく亜紀は病院に向かいますが、最後のカセットテープを残したまま、亜紀は息を引き取ってしまいます。
最後のカセットテープは朔太郎の手には渡りませんでした。
そして現在に戻ります。地元に帰った朔太郎は、当時、朔太郎と亜紀がお互いにあてたメッセージを吹き込みあったカセットテープを聞きながら、亜紀と行った思い出の場所を巡り、亜紀との日々を思い返していました。
2人が通っていた高校の体育館にたどり着いた朔太郎は、誰もいない体育館でピアノを弾く亜紀の幻覚を見ます。そんな朔太郎の姿を、高校にやってきた律子が見つけます。
「世界の中心で愛をさけぶ」の結末
実は亜紀と律子には繋がりがあったのです。亜紀の最期のメッセージが吹き込まれたカセットテープは、偶然亜紀と同じ病院に入院していた女性の娘である小学生の律子に託されていたのです。律子は、朔太郎にカセットテープを届けようとしますが、事故にあってしまい届けられなくなっていたのでした。
律子が失踪したのは、自分が渡せなかったカセットテープの送り主が朔太郎だと知った律子が、それを確かめるため朔太郎の地元にやって来たのです。
律子はようやく渡せなかった最後のカセットテープを朔太郎に手渡します。二人の思い出を知った律子は、今まで渡せなかった事を後悔し朔太郎に詫びますが、朔太郎は亜紀の思いを繋いでくれた律子に感謝しました。
カセットテープには亜紀の朔太郎への感謝の気持ちと、朔太郎の人生を生きて欲しい事、そして亜紀の灰をこのオーストラリアの地に撒いて欲しいというお願いが録音されていました。
朔太郎と律子は、亜紀がずっと行きたかったオーストラリアのウルルにやってきます。そして亜紀の願い通り、亜紀の灰をオーストラリアの地に蒔きます。
朔太郎は亜紀との思い出を巡る事で、どれだけ亜紀を好きだったか、そしてそれが未練として残っていた事を知ります。
しかし律子が亜紀の最後の思いを繋いでくれたことで、亜紀の最後の言葉を聞き、最後の願いを叶えてあげることで、朔太郎は自分の気持ちにも区切りを付ける事が出来たのでした。
以上、映画「世界の中心で、愛をさけぶ」のあらすじと結末でした。
「世界の中心で、愛をさけぶ」感想・レビュー
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この作品は、最近の邦画の中ではテーマに挙げられがちな、彼女の死期が近づいていることをテーマとした物語です。病気のことがわからないときは軽快なラブストーリーとして展開されているのですが、病気をわずら割っていることが発覚すると途端にストーリーに重厚さが伝わってきます。高校生の純愛をテーマとして、大人になるにつれて、変化していく感情を上手に表現できていると思います。
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初恋は誰にでも後悔や未練という形として人の無意識の中執着する記憶に残ります。でも、執着は初恋だけではなく何かを新しく始めるときに過去に対する執着を整理する過程を絶対に行わなければなりません。このような執着の整理の過程をこの映画は死んだ人との思い出と、幻との出会いそして最終的に見送るという過程として表現しているとおもいます。後悔はいつも人に未練として残り新しい出発を邪魔します。でも、過去の過ちと面と向かって整理することはこれからの未来のために大事な過程だとこの映画を見て改めて思いました。
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この映画に実は後にドラマ版「世界の中心で、愛を叫ぶ」に主演する綾瀬はるかさん脇役で主演してるの知ってる人どれくらいいるんでしょう?もう有名ですかね?長澤まさみ演じる亜紀ちゃん陸上部で走ろうとしていたら取材に来ていたカメラマンに呼び止められてたら友人が教室の窓から顔出して「亜紀デビュー⁉️」って叫んでた友人実は綾瀬はるかさんもいたんですよねそれがまさかドラマ版に主演するとはこのとき誰も思っていなかったと思いますがこの映画共演から数年後今度は本格的に姉妹として共演するとは不思議な縁があったんでしょうか?
世界の中心であいを叫ぶは、友人から良い映画ということを聞いてみることにしました。白血病という病気との戦いやその女性を支える恋人の様子などよく描かれていると感じます。人を好きになることは、とても美しいことという、そんな素晴らしさを教えてくれる映画です。