オール・ザ・キングスメンの紹介:2006年アメリカ映画。ルイジアナの田舎から州知事にまで上りつめた一人の男の生涯を描いた物語。ウィリーは民衆の権利、貧困層の解放などを叫び、その言葉と行動で民衆を熱狂させました。”悪から善は生まれる”彼の信じた言葉です。そんな彼の行動は果たして正しいのか?
監督:スティーヴン・ザイリアン 出演:ショーン・ペン(ウィリー・スターク)、ジュード・ロウ(ジャック・バーデン)、アンソニー・ホプキンス(アーウィン判事)、ケイト・ウィンスレット(アン・スタントン)、マーク・ラファロ(アダム・スタントン)、パトリシア・クラークソン(セイディ・バーク)、ジェームズ・ガンドルフィーニ(タイニー・ダフィ)、ほか
映画「オール・ザ・キングスメン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「オール・ザ・キングスメン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
オール・ザ・キングスメンの予告編 動画
映画「オール・ザ・キングスメン」解説
この解説記事には映画「オール・ザ・キングスメン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
オール・ザ・キングスメンのネタバレあらすじ:起
一台の車が暗い夜道を急いでいた。車に乗っているのはジャック・バーデン、シュガー・ボーイ、タイニー・ダフィ、そしてウィリー・スタークの4人だ。彼らはある用件でアーウィン判事の家に向かっていた。判事を脅す、脅さないなど物騒な会話が飛び交う車内。そんな会話が必要になる用件とは何か?すべてを説明するには5年前に遡る必要がある。5年前、ウィリーは郡の出納官をしていました。しかし彼は学校の校舎建設で不正がある事を知りこれに関わる執政官たちを告発する運動を展開していました。そんな折、新聞記者ジャックはウィリーに関する記事を書くよう編集長から指示を受けます。ジャックとウィリーは面識があり取材依頼はすんなりと受け入れられました。取材によると不正を訴えたためウィリーやその妻は職を失っていました。そんな窮状にも負けずウィリーは断固立ち向かうと宣言。そしてウィリーを思わぬ形で援護する事件が発生します。学校で非常階段の崩落事故が起きたのです。児童3人が亡くなり怪我人もでるという痛ましい事故でした。
オール・ザ・キングスメンのネタバレあらすじ:承
崩落事故によりウィリーの主張を支持する民衆は増えました。そしてそんな彼にダフィが接触してきました。彼に「州知事にならないか」と誘うダフィ。戸惑うウィリーでしたがやがて州知事になることを決意します。知事になるには当然選挙に勝たなければなりません。参謀としてセイディー・バークを連れて来るダフィ。そして選挙活動が始まります。この時ダフィやセイディーにはある思惑がありました。彼らは現職の知事ハリソンの回し者でした。ハリソンの対立候補マクマーフィーは大衆の支持が集まる人物で現在ハリソンより優勢を保っています。そこで大衆側の票を割るためウィリーに白羽の矢が立ったのです。そんな事情に気づいたウィリーは彼らを負かして州知事になると断固とした決意を抱きます。演説で民衆を置き去りにしている今の状況を訴え立ち上がるよう呼びかけます。熱のこもったその言葉に民衆は次第にウィリーを支持するようになります。結果ウィリーは選挙で勝利。州知事の座に着いたのでした。そしてハリソン陣営から引き抜き副知事にしたダフィと参謀セイディー、そして新聞社を退職したジャックを腹心に迎え確かな地盤を固めました。それからのウィリーは公約を次々と実施していきました。学校、道路、橋、病院など公共施設の建設、そしてその無償化を推進していきます。それらは民衆の生活を確実に良くしていきました。しかしそれらの財源は有力企業などからの税金で賄われていました。それゆえ有力者はこの政策では企業が他の州に逃れるのではと危惧していました。そして有力者の間にウィリーの黒い噂が流れ始めました。公共事業に使っているお金を着服している等です。これを糾弾しようとしたのがアーウィン判事でした。そして場面は最初のアーウィン邸に向かう車のシーンへと移ります。
オール・ザ・キングスメンのネタバレあらすじ:転
アーウィン判事はウィリーが行った不正の証拠を握っていました。その判事に弾劾をやめるよう説得するウィリー。しかし判事は脅しは効かないと告げ説得に応じません。その後ウィリーはアーウィンへの対策としてジャックを使い判事の弱みを探らせます。アーウィン判事。彼はジャックにとって父親のような存在でした。ジャックの父は彼が幼い頃にいなくなっていました。そして幼いジャックを何かと面倒を見てくれたのがアーウィン判事でした。気が乗らないジャックはそれでも判事の妻が昔大富豪の娘だったことを突き止めます。昔の判事を知る人物。ジャックの心当たりでは母と幼馴染の女性アン・スタントン、そしてその兄である親友のアダム・スタントンだけでした。アンに会い当時の判事について聞き出そうとしますが何の手がかりも得られません。仕方なく片っ端から当時の記録を探ります。そして判事の妻の両親がある時点で没落し多額の借金を抱えてたことを探り当てます。当時の判事の収入ではとても返せない額でした。ちょっとした取っ掛かりになるかもしれない情報です。一方ウィリーは遊説を重ねています。いわく企業から賄賂を受け取る議員達の不正に比べれば自分にかかる疑惑は大したことではないと。そして物事には何にでも潤滑油のようなものが必要でそれがないと上手くいかないと。最後に自分は今まで様々な政策で大衆を富ませることに尽力したと語ります。その声は今まで苦しんできた大衆の胸に響くものでした。熱狂的声援を受けるウィリー。しかし法律上弾劾されれば知事の座を追われることになります。判事関連での調査が芳しくないと判断したウィリーは次の手を打ちます。大病院を建設し貧困層や黒人の医療費無償化を実現しようというのです。そして病院長にジャックの友人アダムを選びます。アダム達幼馴染は昔もっとも賢明だと名高かった州知事の子息でした。その名声を借りようというのです。しかし不正を極端に嫌うアダムはウィリーを疑っていました。そこでジャックが説得することに。あくまで院長の座を拒むアダムに対しウィリーは”悪”ではあるが病院自体は”善”だと語りかけるジャック。結局アダムは病院長を引き受けます。そして判事の調査にも進展がありました。
オール・ザ・キングスメンの結末
ジャックは判事が昔、多額の賄賂を受け取りその証拠を隠すため同僚の職を奪ったことを突き止めました。そしてその同僚がそれが原因で自殺したことも知ります。そんな中、セイディーから幼馴染アンがウィリーと男女の関係にある事を知らされます。昔特別な間柄だったジャックはショックを受けウィリーとの間に軋轢が生まれます。ウィリーは相変わらずジャックの調査結果を聞いてきます。しかしそれには答えず判事の元を訪れるジャック。判事に昔犯した不正を突きつけウィリーへの助力を求めます。しかしそれを拒絶した判事はその夜自殺したのでした。その知らせはジャックの母のもとに届きました。そしてジャックは判事が実の父だったことを知らされます。自分が父を追い詰めた、そんな風に考えたジャックはウィリーと距離を置こうとします。一方病院長を引き受けたアダムは誰かからアンがウィリーと関係を持ったことを知らされ、病院がウィリーの汚職に繋がっていると考えます。病院の助成金の一部がウィリーに流れ込み、その際に起こる罪をアダムに着せようとしていると。真面目さ故に頑固な一面のあるアダムはアンを怒鳴りつけどこかへ姿を消します。その様子に不安を覚えたアンはジャックに助けを請います。一方、ルイジアナ州議会ではウィリーの弾劾決議について投票が行われました。結果、弾劾案は否決、ウィリーの勝利に終わりました。会議場から上機嫌で出てくるウィリーに近づく影がひとつ。ジャックはその影がアダムだと分かります。そして脳裏に副知事ダフィとセイディーの顔が浮かびます。アダムに入れ知恵したのは誰なのか?そして拳銃をウィリーに向け発砲するアダム。ウィリーは銃弾を浴び死亡しました。その後副知事だったダフィは正式に知事になりました。エンディング ”誰も農民のことなど救ってくれない。自ら目覚め立ち上がるしかないのだ。権力者を叩き潰せ”そんな叫びを放ち立ち上がったウィリーの生涯は幕を閉じました。
以上、映画オール・ザ・キングスメン(2006)のあらすじと結末でした。
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