浅草キッドの紹介:2021年日本映画。80年代に一世を風靡させ、今でもお笑い界の巨匠として活躍し続けている、ビートたけしが過ごした浅草での青春時代を描いた作品。浅草フランス座で芸人として舞台に立っていた深見千三郎師匠に憧れたたけしは、フランス座のエレベータボーイとして師匠への弟子入りの機会をうかがいます。『誰も知らない』で一気に名を広めた柳楽優弥が、ビートたけしを名演します。
監督:劇団ひとり 出演:柳楽優弥(ビートたけし)、大泉洋(深見千三郎)、鈴木保奈美(麻里)、門脇麦(千春)、土屋伸之(キヨシ)、ほか
映画「浅草キッド」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「浅草キッド」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
浅草キッドの予告編 動画
映画「浅草キッド」解説
この解説記事には映画「浅草キッド」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
浅草キッドのネタバレあらすじ:起
1974年。
お笑いコンビの松鶴家タケシ・キヨシは漫才をするため舞台に立ちます。本番前に足でタップを踏むのがたけし(柳楽優弥)のいつものやり方。漫才中はウケないどころか、誰も真面目に見てくれる観客すらいません。挙句の果てには、漫才を聞かない観客にたけしは舞台上から喧嘩を売る始末です。
2年前の浅草。
たけしはストリップを抱える浅草フランス座で、エレベータボーイとして楽屋で寝泊まりしながら働いています。フランス座の深見師匠(大泉洋)の芸にほれ込み、芸人を目指すためここで働いていたたけし。
その時、何も芸事を身に着けていなかったたけしに、師匠から「芸を磨け」とアドバイスを受けます。タップダンスを得意としていた深見師匠はたけしから熱意を感じ、タップダンスのステップを伝授します。
浅草キッドのネタバレあらすじ:承
ある日、キヨシ(土屋伸之)が急遽舞台に出られなくなり、深見師匠がたけしを呼び出し、舞台に出る準備をするよう指示をします。突如として、たけしは初舞台のチャンスが訪れます。
気合の入ったたけしは女役だったため、面白いメイクをしようと張り切っていると、深見師匠から「笑われる芸ではなく、笑わせる芸を目指せ」と注意を受けます。初舞台で緊張していたたけしでしたが、深見師匠はすべてアドリブでたけしの突発的な行動を笑いに変えました。
上演終了後の舞台裏で、たけしは師匠のタップダンス専用靴を見つけ、思わず履いて踊り出します。その圧巻のタップダンスを目にした深見師匠は、「素人が履いた靴はもう履けないからくれてやる!」と言って、たけしにその靴を譲ります。
たけしの才能を感じ取った深見師匠は、たけしに住む場所を提供し、舞台裏の仕事を任命します。弟子の前ではごはんを奢るなどして、深見師匠は羽振りよく見せていましたが、浅草フランス座の観客は年々減少中で、経営状況は大変厳しいものでした。深見師匠はそんな素振りは全く見せず、たけしに「全てを笑いに変えろ」と教え続けました。
浅草キッドのネタバレあらすじ:転
深見師匠の左手はいつも包帯でぐるぐる巻きにされていることが気になったたけしは、先輩にそのことを尋ねます。その先輩によると、戦争のときに軍事工場で左手の指を全て事故により切ってしまったとのこと。
それを聞いたたけしは深見師匠に、「左手の指、全部食べちゃったらしいじゃないですか」とボケをかまし、一瞬凍り付く現場でしたが、深見師匠はすぐにたけしにツッコミを入れ、その場は笑いに包まれました。たけしの笑いはどんどん上達をします。
浅草フランス座の経営が厳しいことを聞きつけた深見師匠の元弟子は、深見師匠に工場の仕事を勧めましたが、師匠は元弟子を叱咤し追い出します。
フランス座でストリップとして働いていた千春(門脇麦)は歌うことが好きでしたが、舞台で歌う機会は一向に現れません。千春の歌のうまさを知っていたたけしは、舞台で千春の歌を披露することを師匠に提案し、承諾を得ます。
いざ舞台の上で歌を披露する千春でしたが、観客は「歌もいいけど裸が見たい」と下品なやじを飛ばし、千春は悔しさを押し殺し、ストリップ根性を見せて舞台を後にします。
ある日、フランス座で働いていたキヨシが、たけしに一緒に漫才をしないかと誘います。それをきっかけにフランス座で芸人として成功することの難しさを実感したたけし。フランス座を辞めて漫才師を目指すことを決意します。深見師匠にその旨を伝えると、怒鳴られ、たけしは勢いでフランス座を後にします。
浅草キッドの結末
1974年。
このままではだめだと思ったたけしは、新しい漫才をしたいと、コンビ名をツービートと改名し、キヨシと再始動。みるみるうちに人気が出始めます。
一方、浅草フランス座の客足はどんどん減っていきます。深見師匠の妻・麻里(鈴木保奈美)もストリップとして働いていましたが、それだけでは生活できず、芸者としても働いて、お酒を飲み続ける生活が始まります。深見師匠もなくなく、元弟子に紹介してもらった工場で働くこととなります。
劇場で漫才師として活動していたツービートの元に、テレビから生放送のお笑い番組出演のオファーがやってきます。リハーサルでネタを披露するものの、テレビでは使えない内容だとダメ出しをくらい、テレビ用のネタを考えてと言われてしまいます。
2人は様々なネタを検討しましたが、本番直前にたけしはタップを踏みながら思いを巡らせ、リハーサルと同じネタをするとキヨシに伝え、強行突破で本番を迎えます。
1981年。
ツービートのネタのコマネチが流行り、一気に全国に名をとどろかせます。その勢いでツービートは日本放送演芸大賞を受賞。その目録を持ってたけしは久しぶりに深見師匠に会いに、浅草へとやってきます。
亡くなった麻里の仏壇に手を合わせ、たけしは目録を深見師匠に差し出します。一瞬不穏な空気が流れましたが、2人はその目録に関してツッコミをし合い、久々の再会を嚙み締めます。そのまま2人は飲みに行き、居酒屋にいた人たちを2人で笑わせ、師弟水入らずの時間を過ごします。
その夜、寝タバコが原因で深見師匠の自宅が火事に遭い、深見師匠はそのまま帰らぬ人となります。たけしは深見師匠やフランス座の仲間たちと過ごした、かけがえのない時間に思いを馳せます。
以上、映画「浅草キッド」のあらすじと結末でした。
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