クローズEXPLODEの紹介:2013年日本映画。高橋ヒロシの人気漫画『クローズ』を原作としたシリーズ第3弾の学園バトル・アクション映画です。キャッチコピーは「凶乱怒濤。」で、前2作からキャストを一新し、主演は東出昌大、共演には早乙女太一、勝地涼、矢本悠馬、永山絢斗、やべきょうすけ、高岡早紀、広瀬すず、板尾創路らです。
監督:豊田利晃 出演:東出昌大(鏑木旋風雄)、早乙女太一(加賀美遼平)、勝地涼(小岐須健一)、KENZO(高木哲次)、矢本悠馬(岩田五郎)、奥野瑛太(桃山春樹)、遠藤雄弥(寺島総司)、柿澤勇人(本多保)、やべきょうすけ(片桐拳)、板尾創路(奈良岡精三)、ELLY(山下甲兵)、岩田剛典(柴田浩樹)、永山絢斗(藤原一)、柳楽優弥(強羅徹)、ほか
映画「クローズEXPLODE」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「クローズEXPLODE」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
クローズEXPLODEの予告編 動画
映画「クローズEXPLODE」解説
この解説記事には映画「クローズEXPLODE」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
クローズEXPLODEのネタバレあらすじ:1.プロローグ:転校生・鏑木旋風雄
ある雪の日、一人の親子が養護施設「太陽学園」にやって来ました。母の鏑木風子は、まだ幼い息子・鏑木旋風雄に「強くなりなさい」と言葉をかけ、施設に旋風雄を預け、去って行きました。
それから数年後、太陽学園で育った旋風雄は高校生となりました。旋風雄は県内でも屈指の不良ばかりが集まる「鈴蘭高校」に転校しました。黒い詰襟に身を包んだ鈴蘭の不良たちは、世間からカラスの集団「クローズ」と呼ばれていました。鈴蘭の不良たちの関心は只一つ、誰が「鈴蘭のテッペンを取るか」でした。しかし、未だに鈴蘭を束ねた者はいませんでした。最有力の滝谷源治や芹沢多摩雄らも卒業した約1カ月後、空席となった鈴蘭のテッペンの座を巡って、新三年生たちが群雄割拠していました。そんな春新年度の初日、鈴蘭高校に新入生が入ってきました。
一匹狼を貫いていた旋風雄に、鈴蘭最小グループの小岐須健一、岩田五郎、桃山春樹の3人が近づいてきました。リーダーの小岐須はある計略を持っていました。小岐須は転校してきた旋風雄が半端ないバケモノだという噂を聞き、何とか自分たちのグループに入れ、共にテッペンを取ろうと考えていました。小岐須たちは転入早々の旋風雄に声をかけましたが、旋風雄は「俺は喧嘩しねえんだ」と言い、跳ねのけました。
旋風雄には喧嘩をしない理由がありました。旋風雄の父・俊輔はプロボクサーでしたが、試合中に命を落としてしまったのでした。旋風雄の瞼には、その時の父の死と号泣し悲しむ母・風子の姿が焼き付いていました。また、焚八商業高校の不良どもを一瞬のうちに叩きのめした事で退学になった旋風雄は、これ以上、母親を悲しませたくないと思っていました。そんな思いから、旋風雄は自ら喧嘩をする事を封印していました。
クローズEXPLODEのネタバレあらすじ:2.喧嘩偏差値
そんな鈴蘭に旋風雄と同じく、加賀見遼平という男が入ってきました。遼平は黒塗りのセダンを鈴蘭の正門に横付けすると、用心棒に囲まれながら徐に出てきました。たむろしていた鈴蘭の不良たちは、そんな遼平を取り囲みました。そこに旋風雄が分け入ってきました。「お前、人轢いて、ごめんの一言もないのかよ!」と喰ってかかる旋風雄を遼平は無視し、さっさと校内の中に入っていきました。
ちょうどその頃、校内では、鈴蘭最大勢力を誇る強羅徹一派を率いる強羅徹と、鈴蘭最強を狙う高木哲次がタイマン勝負をしようとしていました。高木は強羅に向かっていきましたが、カウンター一発で敢え無く沈んでしまいました。まさに強羅の強さは尋常ではありませんでした。そこに遼平の態度に怒る旋風雄が姿を現しました。旋風雄は追ってきた強羅の手下を一発でノックダウンさせました。その破壊力を見た強羅は「ちょっとは楽しめそうだ」とほくそ笑みました。
そして新年度早々、鈴蘭名物「喧嘩偏差値」が貼り出されました。「1位 68 強羅徹、2位 66 高木哲次、3位 66 寺島総司、4位 65 本多保、5位 65 鏑木旋風雄、6位 平修二、7位 山下甲兵」といったところでして。旋風雄は転入早々のノックダウンで新参入でした。その他、ダークホースで加賀見遼平、測定不能の「アンタッチャブル」として「リンダマン」こと林田恵の名もありました。
旋風雄はこの新年度早々の一件から、小岐須たちからつきまとわれました。ある日、小岐須に銭湯に誘われ旋風雄は、そこで小岐須や岩田、桃山も同じ境遇で、みんな各々事情を抱えて生きているのだと旋風雄は語りました。その時、サウナで岩田と桃山がヤクザに絡まれてしまいました。偶然、風呂にいた片桐拳と牧瀬隆史がヤクザと応戦、その間に何とか旋風雄たちは逃げました。この件から旋風雄は小岐須らと共に行動することになりました。
クローズEXPLODEのネタバレあらすじ:3.それぞれの過去
鈴蘭卒業後、港町で漁師をしていた片桐拳は密かに街へ帰って来ました。牧瀬は偶然再会した拳に、自分が働く中田オートというオンボロ中古車販売店で一緒に働いてくれるように頼み込みました。なかなか首を縦に振らない拳でしたが、田中オートのオーナーである中田あやという可憐で美しい子持ちの女性を見たとたん、態度を一変させ、即座に働くことに決めました。
ただ、この中田オート界隈を仕切っていたのは、大津組の奈良岡精三という男でした。拳はかつて、奈良岡とはつるんで悪さをした仲でした。拳はヤクザ稼業に嫌気がさし、足を洗いカタギになりましたが、奈良岡はヤクザの道であくどく稼いでいました。拳はそんな奈良岡のもとに遼平がいる事を知り、心配しました。というのも、遼平は拳のかつての兄貴分である加賀見の息子で、拳は加賀見から「遼平を一人前の男にしてくれ」と頼まれ、昔から遼平を可愛がっていたからでした。しかし、父親亡き後、遼平は親戚中をたらいまわしにして育ち、いつも孤独で夢も目標もなく漫然と生きていたのでした。
そんな遼平を預かる奈良岡は、良からぬ企てをしていました。奈良岡は一等地にある中田オートを潰し、その跡地に風俗ビルを建てようと目論んでいました。そこで、奈良岡は少年院を出所したばかりの藤原一を舎弟とし、中田オートを潰せと命じました。藤原は、元黒咲高校生でした。そこで良きライバルだった柴田浩樹と喧嘩した際に、柴田に大火傷を負わせて退学になり、少年院に入っていたのでした。黒崎に戻ることもできず、居場所のない藤原は、奈良岡のもとでヤクザの世界でのし上がっていく決心をしていました。
野心に燃える藤原は、奈良岡の指示でバイク暴走族集団「O・D・A」と組み、街中を暴れ回りました。指示した奈良岡の最終目的は、中田オートを潰して、その跡地にビルを建てることでした。しかし、気づかれるとまずいので、黒咲や鈴蘭にもちょっかいを出させて、揉めさせようと画策していました。藤原は奈良岡の指示通り、どさくさに紛れて中田オートに営業妨害をかけました。しかし拳は藤原の顔を確認して、奈良岡の仕業だと気づきました。また、藤原に喧嘩を売られた強羅も裏に何かあると気づき、仕返しを主張する仲間を押さえつけ、暫く様子を見ることにしました。
藤原は奈良岡の所で暮らす遼平が羨ましてなりませんでした。藤原は少年院を出て、これから先、まともな仕事に就くことができないと思い込んでいました。ただ遼平は何をしなくても父親が大津組の幹部だったということだけで、気持ちさえあれば幹部になれるのでした。血筋が大切だと気づいた藤原は、遼平を羨みました。一方、遼平は目標を持ち、自由に振る舞う藤原のことを羨ましく思っていました。
クローズEXPLODEのネタバレあらすじ:4.宣戦布告
そしてある日、強羅一派の本多保が拉致されました。鈴蘭は黒咲の仕業ではないかと激怒しますが、真実に気づいていたのは強羅だけでした。数日後、黒咲の岩田五郎らが本多を見つけ、小岐須たちに引き渡しに来ました。強羅は藤原を探し、「O・D・A」No.2の織田政志から力づくで「遼平のそばにいる」という情報を手に入れました。早速、強羅は「藤原の居場所を教えろ!」と遼平に詰め寄りましたが、遼平は拒否しました。業を煮やした強羅は力づくで吐かそうとしますが、遼平の背後からの卑怯な攻撃で打ち負かされてしまいました。「汚ねえな、てめえ」と言う強羅に、「きれいでなきゃダメですか」と遼平は不敵な言葉を吐き、去っていきました。鈴蘭最強の強羅が敢え無く1年の遼平に倒された事は瞬く間に広がり、遼平は鈴蘭最強となりました。遼平の下には手下が集まってきました。遼平は「喧嘩はしない」と中途半端な立場をとる旋風雄に「本当に好きに生きたいなら、鈴蘭をやめればいじゃないですか。…あんたの孤独はニセモノだよ」と言い捨てました。
その頃、藤原の所に柴田が戦いに行きました。柴田は藤原の腐った性根を叩きのめそうとしますが、激闘の末、柴田は藤原に右腕を折られてしまいました。
翌日、旋風雄は鈴蘭高校の屋上に上がり、ひとりで寝ているリンダマン・林田に会い行きました。「俺たちはゴミみたいなもの」と言う旋風雄に、リンダマンは「俺たちみたいなカラスは、そのゴミみたいなモノを食って生きていくしかねえのかもな」とポツリを呟きました。それを聞いた旋風雄は戦うことを決め、リンダマンに言いました。「俺がテッペン獲るまで待ってろよ」と。そして、旋風雄は遼平に「明日13時、鈴蘭の屋上で待っている」と宣戦布告しました。
その夜のこと、藤原と遼平は中田オートに放火しようと、灯油を店に撒きました。どちらが火をつけるかで2人は揉めました。藤原は遼平を庇い、遼平は藤原を2度目の少年院送りにはしたくないと思っていました。そこに拳が現れました。人生に投げやりに陥っている遼平に、拳は烈火のごとく怒りをぶつけました。そして「てめえ、人様のモノに火を放つってことがどういう事かわかってんのか!」と言い、灯油を浴びて、命懸けで遼平の心を覚まさせようとしました。しかし、傍にいた藤原が建物に火をつけてしまい、二人は立ち去ってしまいました。
クローズEXPLODEのネタバレあらすじ:5.決闘~拳~
拳はもはや自分の力では、遼平のねじ曲がった心を助けてやれないと思い、旋風雄に「遼平をぶっ倒してくれ」と頼み込みました。拳は遼平が大事な兄貴分の息子で自分には殴れないので、旋風雄に代わりに殴り倒してもらい、遼平の目を覚まさせようと考えたのでした。しかし、旋風雄は拳に「あんたの頼みは聞けねえ」と言い放ちました。
翌朝、単身、旋風雄は決闘の場所・鈴蘭に向かいました。すると、そこに小岐須ら3人衆と強羅一派という鈴蘭最強軍団が結集しました。校庭で待っていたのは、遼平一派と藤原が率いるチームO・D・Aのメンバーたちが待ち構えていました。
「うお~!」という旋風雄の雄叫びと共に戦いが始まりました。激しい戦闘の中、遼平は屋上で落書きされた壁を真っ白にしながら、悠然と旋風雄の到着を待っていました。藤原と強羅は因縁の対決の決着をつけようとしました。その最中、片腕を折られギブスをした柴田が乱入してきました。柴田は「喧嘩は勝てばいいんだよ」と言う藤原に、「お前はいつも五分で向き合おうとしねえな」と言いました。その時、柴田の大火傷の跡が露わになりました。藤原は表情を曇らせました。そんな藤原に柴田は「これはお前のせいじゃない。俺がドジだっただけだ。これは事故だ」と言い、藤原を庇ったのでした。藤原はその言葉に戦闘意欲を失いました。柴田は藤原に「黒咲に帰って来い」と言いますが、藤原は強羅に「鈴蘭…なかなか面白いところだったぜ」と言い、立ち去っていきました。藤原は彼なりにこの戦いで何かを得たのでした。
さて、小岐須は旋風雄を、遼平の待つ、屋上に先に行かせました。屋上に着いた旋風雄に、遼平は「友だちになってください」と言い、戦い始めました。壮絶な拳の打ち合いの最中、遼平は幼い頃に拳からの言葉を思い出していました。「相手を向き合うときはな。正々堂々とじゃなきゃダメだ。拳にはいい拳とダメな拳がある。いくらろくでなしでもその違いさえ分かれば、まっとうに生きていけるんだ」という言葉を思い出していました。いっぽうの旋風雄もボクサーだった父のことを思い出していました。過去を振り切り、遼平を殴った飛ばした旋風雄は、ついに遼平を倒しました。
旋風雄は傷ついた遼平を迎えに来た拳に託しました。旋風雄は拳に「目を覚まさせるのは、あんたの役目だ。お前はもう一人じゃないと言っておいてくれ」と言い、立ち去りました。
クローズEXPLODEの結末:6.エピローグ:テッペン
後日、奈良岡が逮捕されました。中田オート放火事件は全て奈良岡の悪事と判明し、火災保険で中田オートは新装開店しました。拳はますます張り切って仕事に精を出していました。
そして、鈴蘭のテッペンとなった旋風雄は、遼平、小岐須ら3人衆と強羅一派を従え、川辺でリンダマンに拳をふりかざし、戦いを挑んでいきました。
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